こんにちは、現役メカニックの「ののむら」です。ロードバイクを始めてから10年、ずっとリムブレーキのロードバイクに乗り続けてきた私ですが、ついに2025年の冬にディスクブレーキへ乗り換えました!

時代はディスクロード全盛ですが、私自身は長いあいだ「リムブレーキで十分じゃない?」と思ってきました。
ロングライドやブルベでも特に不満を感じていなかった私が、なぜディスクブレーキに乗り換えたのか。表面的なスペック論ではなく、実体験をもとにお話ししていきます。
時代はディスクブレーキへ

日本のロードバイク業界は、すっかりディスクブレーキが主流になりました。ニューモデルのラインナップを見ても、レースシーンを見ても、ディスクブレーキモデルだらけ。
これが5〜6年前だとリムブレーキとディスクブレーキの両方を展開しているブランドが多く、たとえば「ジャイアントのTCRが欲しいんですけど……」と相談を受けて、「ブレーキはリムとディスク、どちらですか?」と聞くことが日常でした。
しかしここ数年の新規購入は、ディスクブレーキであることが前提。リムブレーキの車種は減少傾向にあり、リムブレーキを完全に廃止したメーカーも少なくありません。
じゃあやっぱり、時代はディスクブレーキ一択かといえば、じつはそうでもなかったりします。今でもお客様からよくリムブレーキに関する質問を受けますし、リムブレーキロードの修理依頼も決して少なくありません。
「リムブレーキで十分じゃない?」
「軽いし、整備も楽だし、わざわざ替える必要なんてある?」
このような声も多く、私自身がまさにその考えでした。
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リムブレーキはオワコンか?
私がリムブレーキを使い続けてきた理由

リムブレーキには、今でもはっきりとした魅力があります。
まずは「軽さ」です。
軽さを突き詰め、車体重量5kg台(!)まで落としたヒルクライム用ロード。リムブレーキモデルなら決して珍しい存在ではありませんが、ディスクロードで同じ領域を狙うとなるとけっこう大変です。5kg台はおろか、6kg台でも新車で100万円クラスの完成車、もしくは相応のカスタマイズ費用が必要になります。
実際、私のリムブレーキ車は当時定価で
- 車体 約50万円
- ホイール 約13万円
合計約63万円で、重量は約6.8kg。同等のスペックでディスクロードを組もうとすると、「高いなあ……」と躊躇してしまっていました。軽さでいえばやっぱりリムブレーキが優位なんです。
そして、もうひとつの大きな理由が「メンテナンス性」です。


リムブレーキロードは構造がとてもシンプル。STIレバーからブレーキ本体までケーブルが視認できるのは、整備する側としては大きなメリットです。


いっぽう、今どきのディスクブレーキロードはフレーム内装が主流。ハイエンドモデルにおいては、油圧式ディスクブレーキのホースが一切露出しないモデルも珍しくありません。
「ここを触りたいだけなのに、ほぼ全バラシ」というケースがあったり、腕が二本じゃ足りないのでは…?と思うくらい複雑なディスクロードを組むときは助っ人を呼んだり、まさに四苦八苦。メカニック泣かせな車種はたいていディスクロードです。
複雑で専門的な工具が必要なディスクロードに比べ、構造がシンプルなリムブレーキはセルフメンテナンスがしやすく、勉強すればトラブル時の自己対処も可能です。リムブレーキは独自のメリットも多くあるので、ディスクブレーキ全盛の今でも「リム=時代遅れ」とは思っていません。

ではなぜリムブレーキ派だった私がディスクブレーキに乗り換えたのか。リムブレーキロードが壊れるまで乗ろうと思っていましたから、乗り換えた理由は単にスペックでも流行でもありません。
きっかけとなったのは「超悪天候の1000kmブルベ」でした。
嵐のような極寒ダウンヒル30kmで体験した恐怖
昨年の9月中旬に挑戦した1000kmブルベ。1000kmという距離そのものよりも、ライド環境がとにかく過酷で、ブルベ歴の中でも群を抜いて苛烈な体験になりました。

自転車ごと吹き飛んでいきそうな強風。降りやまない注意報級の大雨。この環境下での夜間走行。精神的にも肉体的にも大ダメージでしたが、機材の消耗も激しいものでした。
とくに印象に残っているのが、新三国トンネルから湯沢(石打スキー場方面)まで、30km以上続く長いダウンヒルです。往路のクライム区間は激しい向かい風と雨で苦戦を強いられ、復路は真っ暗な夜道と滝のような大雨。これまで何度もハードな環境下でライドしてきた私も、さすがに泣きそうになりました……。

これは雪国あるあるなんですが、雪の影響でアスファルトがバキバキに割れてるんですよ。ただでさえ路面がボコボコで危ないうえ、悪天候で視界も悪けりゃ、手もキンキンに冷えている。そんな状況下の30kmダウンヒルは、相当な神経を使います。「下れるかどうか」ではなく、「ちゃんと止まれるか」を常に考えながら走っていました。
このとき乗っていたのはリムブレーキのロードバイク。これまでも雨天下でのリムブレーキの制動力低下は何度も経験してきましたし、ブレーキシューもちゃんとウェットでよく止まるものを愛用していました。それでも今までにない圧倒的な悪条件での運用で、初めて不安を感じてしまったんです。
私はもともと握力が強いほうではなく、レバーをしっかり握り続けても確かな手応えが得られない。想定以上に減りゆくブレーキシュー。走れるかどうかではなく、止まれるかどうかが読めない。その恐怖が、精神的にかなりきつかったのを覚えています。

そして、私が抱いていた不安を決定的なものにした出来事があります。
下り区間で、参加者のひとりが減速できずにスリップし転倒。私は真横で、カーボンハンドルが折れる瞬間を見てしまいました。
危惧していた「落車」という不安が、一気に現実味を帯びた瞬間でした。
「これは、技量の問題じゃない」
「経験があっても、落車が起きるときは起きる」
それまでどこか他人事だったリスクが、一気に自分の足元まで近づいてきた感覚でした。
ディスクブレーキの制動力は「安全マージン」

ここで誤解してほしくないのは、リムブレーキが悪い、と言いたいわけではないということです。実際にディスクブレーキに乗り換えた私ですが、天候やコースによってはリムブレーキのロードバイクにもガンガン乗っています。今でも現役なんです!
ただ、先ほどのような「悪天候」「超ロングライド」「長い下り」という悪条件が重なったときに、リムブレーキとの違いとして浮かび上がってくるのが、ディスクブレーキの“余裕”です。「ディスクブレーキなら止まれる」という事実が、そのまま精神的な余裕につながります。
精神的な余裕、つまり安全マージンがあると、判断力が落ちにくい。無駄に力まない。結果として、走り全体が安定します。ロングライドの距離が長くなるほど、天候が悪化するリスクもあがりますし、状況変化への対応力という面でもディスクブレーキの恩恵は高まるでしょう。
ディスクロードへ乗り換えて感じた変化

というわけで、ディスクブレーキのロードバイクを導入することになった私。まず感じたメリットはやっぱり制動の安定感です。ディスクブレーキに乗り換えた人たちのほとんどが実感する点ですね。
今までも試乗会などでディスクロードに乗ったことは何度もありましたが、自分で100km近く走ってみて初めてその真価を実感できました。ブレーキの効き始めが明確で、とくに下りで速度をコントロールしやすい。ダウンヒルのときに、過度にブレーキに意識を向ける必要がありません。
しっかり止まれるという前提のおかげで、守りに入る緊張が減り、走りに集中できる時間も増えます。100kmの距離を走り終えたときには、疲労の質がこれまでと変わっているように感じました。
ディスクは守りより、攻めのための安心材料。今はそう捉えています。
ディスクロードがおすすめなのはこんな人!

ブルベやロングライドを中心に走っている人、天候に左右されず「走ると決めたら走る」タイプの人、また通勤通学で雨の日も走る人にとって、ディスクブレーキはかなり相性がいい選択です。
雨の中の下りで一度でも不安を感じたことがあるなら、その感覚は無視しないほうがいいでしょう。ブレーキは命に直結する装備です。もし過去のライドで「ブレーキがちょっと心配だな……」と思った瞬間が一度でもあるなら、ディスクブレーキを検討する価値は十分にあります。
また新しい規格・トレンドのパーツをいち早く取り入れて試したいタイプの人にも、現在のディスクロードは向いています。最新パーツの多くはディスクブレーキ前提で開発されているため、周辺パーツを選ぶときの自由度もあがりますからね。(その結果「気になっていたあのパーツ、このパーツ」に手を出しやすくなり、散財が止まらなくなるのはご愛嬌ですが)
ディスクブレーキ特有の2つの注意点
ここまでで「自分もディスクブレーキが向いているかも!」と思った人もいるでしょう。そんな人に知っておいてほしい注意点がいくつかあります。
①メンテナンス面では、リムブレーキに比べてブレーキパッドのクリアランス管理がややシビアになります。とくに油圧式ディスクブレーキでは、定期的なオイルのブリーディングや、ホース内のエア混入(いわゆる「エア噛み」)への対処など、初心者にとってはハードルに感じられる作業もあります。
②輪行時もリムブレーキにはない注意ポイントがあります。ローターを曲げないように気を遣ったり、油圧式ディスクブレーキではパッドスペーサーを入れ忘れないようにしたり。専用の保護材を買い揃える必要があります。

ちなみに、輪行する頻度が高く、出先でのメンテナンス性を重視したい私は「ワイヤー引きディスクブレーキ」をチョイス。購入したのはグロータックの「イコールブレーキ」です。

前述した注意点にもあるように、油圧式ディスクブレーキのよくあるトラブルが、「パッドの閉じこみ」と「エア噛み」です。「パッドの閉じこみ」は、ローターがない状態でブレーキレバーを握る→ブレーキパッド同士がくっついてしまうこと。「エア噛み」は、ブレーキホース内に空気が混入してしまうことですが、どちらもワイヤー引きの機械式ディスクブレーキならクリアできちゃうんです。
オイルを使わないのでもちろん「エア噛み」の心配は不要、またホイールを外した状態でレバーを握っても、ワイヤー引きの機械式ディスクブレーキは手を離せばパッドは元に戻ります。ワイヤーで動くものは機構がシンプルでトラブルに対応しやすいんですね。
逆に油圧式ディスクブレーキはワイヤー伸びの心配もありませんし、オイルの圧力で力を伝えるためレバー入力がロスなく制動力に変わります。その性能の高さから、現在のスポーツバイク市場では主流となっているわけですが、私は扱いやすさを重視してワイヤー引きの機械式ディスクブレーキを選択。グロータックの「イコールブレーキ」という決断に至りました。

もし、私と同じように輪行やメンテナンスに不安を感じてディスク化を悩んでいる方がいたら、「機械式ディスクブレーキ」を選択するというのもひとつの手です。
おすすめディスクロード3選

さて、実際にディスクブレーキ搭載のロードバイクへの乗り換えを考え始めると、まず気になるのが予算の問題ではないでしょうか。
正直なところ、ディスクブレーキロードは安い買い物ではありません。新車で油圧ディスクブレーキ搭載のエントリーロードを一式そろえようとすると、20〜30万円ほどは必要に。家計の財務大臣への相談が必須、という方も多いはず。
そこで現実的な選択肢として浮かぶのが、中古という考え方です。ロードバイクの価格が全体的に高騰している今、信頼できる中古専門店の存在は、以前にも増して心強いものになっています。
今回は国内最大級のリユース自転車専門店のバイチャリから、専門スタッフによる整備が施されたおすすめディスクロードを3台ピックアップしました!
KHODAABLOOM(コーダーブルーム)ファーナ ディスク ティアグラ(2023年)

特殊な専用パーツは使わず、扱いやすさが光るコーダーブルームのFARNA(ファーナ)ディスク ティアグラ。
ディスクブレーキを採用しつつ、初めてのロードバイクでも構えずに乗れるバランスの良さが魅力です。硬すぎないアルミフレームにカーボンフォークの採用で、長時間走っても疲れにくい乗り味に仕上げられています。
2023年モデルと年代も新しく、しかも状態はAランク。狙い目です!
| 価格:税込100,000円(新品参考価格:207,900円) | |
| サイズ(適正身長目安) | 465(165-175cm) |
| フレーム素材 | アルミ |
| フロントフォーク素材 | カーボン |
| メインコンポーネント | シマノ・ティアグラ |
| タイヤの太さ | 25C |
| 重量 | 約9.4kg |
>> KHODAABLOOM 「コーダブルーム」 FARNA DISC TIAGRA 2023年モデル ロードバイク / 宇都宮店 | バイチャリ公式オンラインショップ 【スポーツ自転車買取販売専門店】
TREK(トレック)エモンダ SL5 ディスク(2020年)

軽量オールラウンダーの定番、トレックのÉMONDA(エモンダ)SL5 ディスク。
カーボンフレームと油圧ディスクブレーキの組み合わせで、「軽さ」と「安心感」をしっかり両立した一台です。ヒルクライムでは素直に反応し、下りや悪条件でもブレーキに余裕があるのがディスクロードならでは。
扱いやすいので、レース志向の人はもちろん、ロングライド派にも相性◎。新車価格30万のところ、中古だとほぼ半額の15万9000円で手に入ります!
| 価格:税込159,000円(新品参考価格:308,000円) | |
| サイズ(適正身長目安) | 56(175-185cm) |
| フレーム素材 | カーボン |
| フロントフォーク素材 | カーボン |
| メインコンポーネント | シマノ・105 |
| タイヤの太さ | 25C |
| 重量 | 約8.7kg |
>> TREK 「トレック」 EMONDA SL5 DISC 2020年モデル ロードバイク/ 大阪美原北インター店 | バイチャリ公式オンラインショップ 【スポーツ自転車買取販売専門店】
BIANCHI(ビアンキ)インフィニート XE ディスク アルテグラ(2021年)

定価36万円のビアンキのディスクロードが、20万円ポッキリで手に入ります。
INFINITO(インフィニート)XEは、専用設計のカーボンフレームに、油圧式ディスクブレーキ、コンポはシマノ・アルテグラと、なかなかに豪華なスペックを誇ります。
各チューブをボリュームダウンすることで、振動吸収性と快適性を高めたロングライドモデルです。
| 価格:税込200,000円(新品参考価格:360,800円) | |
| サイズ(適正身長目安) | 47(160-170cm) |
| フレーム素材 | カーボン |
| フロントフォーク素材 | カーボン |
| メインコンポーネント | シマノ・アルテグラ |
| タイヤの太さ | 28C |
| 重量 | 約8.3kg |
>> BIANCHI 「ビアンキ」 INFINITO XE DISC ULTEGRA 2021年モデル ロードバイク / 大宮店 | バイチャリ公式オンラインショップ 【スポーツ自転車買取販売専門店】
乗り換えは「必要になったタイミング」で

ここまでディスクブレーキについて語ってきましたが、すべての人が今すぐディスクロードにする必要はありません。ディスクにするか、リムでいくか。その答えは人それぞれ。
今のライドで不安を感じたことがないなら、リムブレーキで十分ですし、これまで一度でもブレーキングに限界を感じたり、ヒヤッとした経験があるなら、ディスクロードという選択肢を考えてみてほしいです。
ブレーキは、走りを支える基本の装備。大切なのは「リムかディスクか」ではなく、自分がどう走りたいか、どんな場面で安心したいか。スペック表を見る前に、まずは自分のライドスタイルを振り返ってみてください。その答えの先に、きっと今の自分にちょうどいい一台が待っていますよ!
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