こんにちは! 現役メカニックであり自転車技士の、ののむらです。
私の住む新潟では、天気予報で毎日のように雪だるまマークを目にし、気温も気分も急降下な今日この頃。ロードバイクに乗りたいのに乗れない! そんな日に大活躍するのが「サイクルトレーナー」。室内にいながらペダルをこげちゃう頼もしいアイテムです。
そしてインドアサイクリングに欠かせないのが『Zwift(ズイフト)』。仮想空間でリアルなサイクリングを再現したバーチャルサイクリングは、コロナ禍を経ていっそう盛り上がりを見せています。
私も2年前からZwiftを始め、今ではなくてはならない存在にまでなってしまいました。毎日、家で滝のような汗を流しています……!
今回は、手ごろにZwiftを始めたい方に向けて、スマートトレーナーの選び方やZwiftの魅力など、かなり力をいれて解説していきますよ!
スマートトレーナーならバーチャルライドがリアルに楽しめる!
はじめに「インドアサイクリングって何がいいの?」「Zwiftって何?」「スマトレって?」というギモンだらけの人のために、ひとつずつ解説していきます。
インドアサイクリングのメリット
じつはインドアサイクリング歴が長い私。梅雨時期や冬の室内ローラー練習として9年ほど続けてきています。
インドアサイクリングなら、「朝起きてから仕事に行くまで」「家事と用事の合間」など、ちょっとしたスキマ時間を使ってサクッと自転車に乗ることができます。私の場合、子供が小さくてなかなか外ライドができないときはとても助かりました。
準備の手間がないのもインドアサイクリングの利点。通常の外ライドでは、ジャージ上下を着て、日焼け止めを塗って、ボトルにドリンクを入れて、ヘルメット・グローブ・サングラス・シューズまで全部きっちり用意して、ようやくスタートです。でもインドアサイクリングなら、レーパンを履いてビンディングシューズさえ用意すればすぐに走り出せちゃいます!(メイクの手間がないのも地味に嬉しい)
ただ、室内で自転車をこぐだけだと、やっぱり飽きるし、だんだん苦痛になってくるんですよね。
そこで登場するのがバーチャルサイクリングアプリです。オンライン上の仮想世界とつながることで、景色が変わり、目的地もできる。イベントやコースを選択する楽しみも生まれます。ゲーム感覚でインドアサイクリングを楽しめるので、室内でもくもくとペダルを回していた頃とは別次元のサイクリング体験が味わえるんです。
今やインドアサイクリングに欠かせない存在となったバーチャルサイクリングアプリですが、その代名詞ともいえるアプリが「Zwift」なのです。
なぜみんなZwiftなの?
Zwiftは、数あるバーチャルサイクリングアプリの中でユーザーの多さがトップクラス! もともと「インドアサイクリングを飽きさせない」というコンセプトのもと米国で開発され、ローラートレーニングに革命を起こしたアプリです。今や世界中にコミュニティが存在し、インドアサイクリングツールの定番として不動の人気を誇っています。
私も2年前にZwiftを始めて、苦痛だった室内ローラー練習が一気に楽しくなりました! むしろ早く家に帰って乗りたいなと思うくらい。朝、部屋で乗ってから、日中は外へライドに出て、夜また部屋で乗る、なんてこともザラ!
仲間と一緒に走れるのもユーザーの多いZwiftのメリットですね。私の所属しているチームでは、ディスコードのボイスチャットを使ってチームメイトとやり取りをしながらこの冬のリーグに参戦中です!
なぜスマートトレーナーがいいの? アナログトレーナーと何が違う?
いまや「インドアサイクリング=Zwift」という図式になっていますが、このときに欠かせないのがスマートトレーナーです。いわゆるアナログのトレーナーと何が違うのかをチェックしておきましょう。
まずトップカテゴリとして、「サイクルトレーナー」があります。これが室内で自転車トレーニングを行うための機器の総称ですね。
サイクルトレーナーには 「固定ローラー」 と 「3本ローラー」 の2つのタイプがあり、それぞれにスマート機能の有無で枝分かれします。「固定ローラー」は、後輪を固定して使用するので初心者でも扱いやすく、安定したペダリングが可能です。「3本ローラー」は、3本のローラーに自転車をそのまま乗せてバランスをとりながら走るもので、バランスを崩すと落車するなど、やや玄人向け。
スマート機能がついた3本ローラーもありますが数は少なく、スマートトレーナーの主流は固定タイプ。今回は多くの支持を集めている「固定ローラー」のスマートトレーナーに絞って解説していきます。
スマートトレーナーのスマート機能とは、おもに「アプリ連携」と「自動負荷調整」のこと。
Zwiftのようなバーチャルサイクリングアプリと連携することで、実際のペダリングと仮想世界がつながり、まるで実際に画面内を走っているかのような感覚を味わえます。
スマートトレーナーにはパワーやケイデンスを測定する機能がついていて、自転車にパワーメーターやケイデンスセンサーがなくても自転車の数値を可視化することができます。スマートトレーナー側のデータをZwiftに送ることでアバターを動かすわけですが*、バーチャルライドの実走感を大幅に高めてくれるのが「自動負荷調整」という機能です。
*)一部機種はケイデンスセンサーが必要
簡単にいうと、本当の坂道のように上り坂ではペダルが重く、下り坂ではペダルが軽くなるよう自動で負荷(ペダルの重さ)を調整してくれる機能です。
スマート機能のついていないアナログトレーナーでもインドアサイクリングはできますが、Zwiftと連動させるならやっぱりスマートトレーナーを導入すべし!です。没入感を高めてくれる自動負荷調整はスマートトレーナーならではですからね。
ちなみに、高価格なスマートトレーナーほど再現できる斜度のMax値が高く、よりリアルな負荷で超山岳級コースだって走行できるんですよ。
スマートトレーナーにはどんな種類がある?
スマートトレーナーには、大きく分けて以下の3種類があります。
- ダイレクトドライブ
- タイヤドライブ(リムドライブ)
- バイク一体型
このうち主流はダイレクトドライブ。後輪を外してスマートトレーナーに自転車をセットして使うもので、静音性が高く、負荷も自然で総合的なバランスに優れています。
2つ目のタイヤドライブ(従来の固定ローラーにスマート機能がプラスされたもの)はタイヤの摩耗や騒音がデメリットとなり、3つ目のバイク一体型は高機能なハイグレードタイプですが、かなり高額で保管のハードルもあります。
バーチャルライドならダイレクトドライブ一択!
Zwiftのようなバーチャルライドが目的であれば、おすすめは「ダイレクトドライブ」!
ダイレクトドライブは静音性が高く、走りながら会話できるくらい音が気になりません。
ひと昔前のアナログトレーナーといえば、タイヤの摩擦による轟音や振動が悩みの種でした。ダイレクトドライブの静音性は、とくにマンションやアパートなど集合住宅に住んでいる人には大きなメリットになるはずです。
自動負荷の切り替えもなめらかで、仮想現実への没入感が高いのもおすすめポイント。
ただ、スマート機能がついたハイテクマシンということで、お値段は決して安くないのが困ったところでして……
ダイレクトドライブのスマトレは予算10万円以上
現状、ダイレクトドライブ式スマートトレーナーの各社のお値段はだいたい10万円〜です。
Wahoo(ワフー)のエントリーモデルにあたるKickr CORE(キッカー コア)で9万9000円、リーズナブルなスマトレとして名高いxplova(エクスプローバ)のNOZA S(ノザ S)でも8万4500円……。ここにスプロケットや下に敷くマットの用意などをプラスすると予算は10万円以上必要になります。
エントリーグレードのロードバイク1台と同じくらいの値段って、そうそうカンタンに出せる金額じゃありませんよね。
そこでおすすめなのが「中古」! スマトレも意外と中古市場が活発だって知っていましたか?
中古でスマトレを安く買って、とりあえずZwiftしてみる!
たとえば前述したワフーのキッカー コア。新品だとほぼ10万円の商品が、中古だと使用感ありBランクの商品で5万9400円。
2020年モデルのトップグレードにあたるキッカー V5も、新品価格17万8805円が中古なら10万円を切ります。税込9万9000円って、前述のエントリーモデルの新品価格と同じですよ。
予算内で最上位グレードまで検討可能になってくるのが中古の嬉しいところ!
(ちなみにV5は2020年モデルですが、現行のV6との差は、本体のWi-Fi接続&レースモードが使用できるという点のみ。Zwiftレースでの接続速度や安定性に超シビアにならない方でしたら全く問題ないでしょう)
今すぐ買うべきスマートトレーナー5台
じゃあどのモデルを買ったらいいの?ということで、ここからはZwift側も推奨するスマトレをピックアップ。
各モデルでスペック表を確認できます。各項目については以下のとおり。
- 対応最大勾配:再現できる坂の傾斜。ヒルクライムトレーニングを重視するなら高いほど良い
- 最大負荷(W数):出力できる最大のパワー。スプリント練習をするなら高出力対応が重要
- パワー計測精度:パワーメーターの精度。数値の正確さの目安になる
- 通信規格:アプリとの接続方法。ZwiftはBluetooth / ANT+ で接続
- 互換性:使用する自転車が適合するか要確認。コンポメーカーや変速段数、ブレーキタイプをチェック
Zwiftを快適に楽しむために、「Bluetooth接続」「ケイデンスデータの送信」「自動負荷調整機能」の3つはすべて押さえておきたいので、ここから下の5台はそれらがすべてついているものを選びました!
※使用する自転車との互換性の確認が必須です。チェック方法は記事後半で詳しく解説するので参考にして選んでみてください
TACX(タックス)ネオ 2T スマート
定価で買うと20万円を超えるハイグレードモデルのネオ2Tですが、なんとこの商品、スルーアクスルアダプターが欠品とのことで、8万3700円です! シマノのリムブレーキロードバイクであれば問題なく使用可能です、これはチャンス。
タックスは路面に反応した走り心地の再現が特徴。Zwiftのコース内で砂利道などのダートに入ると振動する機能があり、他社とくらべてよりリアルさを追求しています。(機能はオンオフ可能)
価格:税込83,700円(新品参考価格:220,000円) | |
対応最大勾配 | 25% |
最大負荷(W数) | 2200W |
パワー計測精度 | 1%未満 |
通信規格 | ANT+、Bluetooth |
互換性 | シマノフリー仕様(スラム11速まで互換あり) 130/135mmクイックレバー 別売り:スラム12速用フリー、カンパニョーロフリー |
>> TACX 「タックス」 NEO 2T SMART スマートローラー / 有明ガーデン店
wahoo(ワフー)キッカー コア
初めてのスマートローラーとして大定番のキッカー コアがまさかの5万円台!?
高い静音性と、安定したパワー精度がワフーの良さです。さらにワフーは、キッカークライムやキッカーウインドなど、専用のアクセサリーが豊富なので、いろいろなカスタムを楽しめます。
最初からスルーアクスルアダプターがついているので、ディスクブレーキならポン付けOKです。(リムブレーキの場合は別途クイックレバー用のアダプターが必要です)
価格:税込59,400円(新品参考価格:99,000円) | |
対応最大勾配 | 16% |
最大負荷(W数) | 1800W |
パワー計測精度 | ± 2% |
通信規格 | ANT+、ANT+ FE-C、Bluetooth |
互換性 | シマノフリー仕様(スラム11速まで互換あり) 130/135mmクイックレバー 12×142/148mm スルーアクスル 別売り:スラム12速用フリー、カンパニョーロフリー |
>> TACX 「タックス」 NEO 2T SMART スマートローラー / 有明ガーデン店
ELITE(エリート)SUITO-T(スイート-T)
エリートにはパワーリンク機能という独自のシステムがあり、スマートトレーナー自体のパワー測定器と自転車自体のパワーメーターをダブルで利用することで、かなり正確なパワー精度を誇ります。
Aランク商品でジャスト5万円と、定価のほぼ半額。しっかりと数値を見てトレーニングしたい方は注目です!
価格:税込50,000円(新品参考価格:99,000円) | |
対応最大勾配 | 15% |
最大負荷(W数) | 1900W |
パワー計測精度 | ±2.5% |
通信規格 | ANT+ FE-C、Bluetooth Smart 双方向通信 |
互換性 | シマノフリー仕様(スラム11速まで互換あり) 130/135mmクイックレバー 12×142mmスルーアクスル 別売り:スラム12速用フリー、カンパニョーロフリー |
>> ELITE 「エリート」 SUITO-T スマートローラー / 大宮店
xplova(エクスプローバ)ノザ V
後発ながら、価格帯と性能のバランスで人気のエクスプローバ。シリーズのハイエンドにあたる『ノザ V』が5万5000円で手に入っちゃいます! 定価は13万近くしますから、これはなかなかのお買い得商品です……!
スマトレとして必要なスペックが搭載されているのはもちろん、下位モデルには付いていなかったケイデンスセンサーも標準装備。床との接地面にラバーフィートが付いているのもノザ Vだけで、スプリント時に激しくダンシングをしてもしっかり衝撃を吸収してくれるのは地味に嬉しい!
価格:税込55,000円(新品参考価格:129,800円) | |
対応最大勾配 | 18% |
最大負荷(W数) | 2200W |
パワー計測精度 | ± 2% |
通信規格 | ANT+、Bluetooth |
互換性 | シマノフリー仕様(スラム11速まで互換あり) 130/135mmクイックレバー 12×142mmスルーアクスル 別売り:スラム12速用フリー |
>> XPLOVA 「エクスプローバ」 NOZA V スマートトレーナー / 大阪美原北インター店
SARIS(サリス)H3
サリスのH3は、重量のある巨大フライホイールで安定感があるのが特徴。ガツンとパワーをかけて漕ぐことができるので、がっつり漕ぐようなスプリンターの方におすすめですね。
高スペックで価格も抑えめなのがサリスの特徴ですが、なんとこちら、10万円もお安くなって4万円での販売です。予算はなるべく抑えて、間違いない買い物がしたいなら超狙い目!
価格:税込40,000円(新品参考価格:140,800円) | |
対応最大勾配 | 20% |
最大負荷(W数) | 2000W |
パワー計測精度 | ± 2% |
通信規格 | ANT+、Bluetooth |
互換性 | シマノフリー仕様(スラム11速まで互換あり) 130/135mmクイックレバー 12×142mmスルーアクスル ※レバー付きの一部スルーアクスルは本体とレバーが干渉するため、別売りのレバーなしスルーアクスルが必要 別売り:スラム12速用フリー |
>> SARIS 「サリス」 H3 スマートトレーナー / 名古屋大須店
スプロケットの用意を忘れずに!
基本的にはスマートトレーナー本体に、スプロケット(以下スプロケ)は含まれません。毎回自転車のスプロケを付けかえるのは現実的ではないので、自分の自転車にあったスマトレ用のスプロケがもうひとつ必要になります。
スマトレで使用する自転車についているスプロケの種類をチェックして、それがスマトレ側でも使用可能かを確認しておく必要があります。
スプロケを用意するためのチェックポイント
- 使用メーカー
- 段数
例)シマノで11速、スラムで12速、など
>> スマトレ用のスプロケを中古で探そう!
スプロケを別途購入したら、スマトレにつけっぱなしにしておきます。そうすれば、自転車の後輪を外してそのままスマトレにセットできるようになります。
中古の場合、前の持ち主のスプロケがついたままで売られていることもありますが、自分の自転車と互換性があるとは限りません。もし「スプロケ付き」の記載があれば、シマノか?11速か?などの仕様を事前に確認しておきましょう。(詳しくは「中古でホントに大丈夫? 中古だからこそ注意したい3つのポイント」の章で)
インドアサイクリングさえできればOK!とにかく安いトレーナーがほしい人へ
さてここまでスマートトレーナーをご紹介してきましたが、中古で安く買えるとはいえ万単位の出費はちょっと厳しいなあと思う人もいるはず。Zwiftを始めるとなると、月額2400円の出費も待っていますしね。
Zwiftが主目的でなく、映画を見ながらフィットネスとしてペダルを漕ぎたい、雨の日に少し漕げればOK、なんて人もいるでしょう。
(ちなみに自転車にパワーメーターがついていれば、自転車からパワーとケイデンスのデータを送ってZwiftをすることも可能です。ただし自動負荷機能はないので、斜度のあるコースでのリアルな走行感は出ません)
数千円からせめて2万円でなんとかしたいなら、スマート機能なしのアナログトレーナーという選択肢もあります。
後輪をつけたままローラー台に乗せる、昔からあるタイプですね。このタイプの場合、タイヤとローラー自体が擦れることで負荷をかけるため、独特のゴーゴーした音が鳴ります。ダイレクトドライブのスマトレと比較すると静かとはいえませんが、戸建て住まいなどで静音性をそこまで重視しなくてもいい環境であれば大丈夫。
このタイプはタイヤの消耗が激しい点も知っておきましょう。擦れたタイヤの削りカスが飛ぶので、床の養生は必須です。タイヤはどうせ削れてしまうので、使い古したものを流用すればOK。
また、車軸を挟むという性質上、クイックリリースレバーのリムブレーキ車での使用を推奨します。スルーアクスルでもアダプターを使って装着ができますが、アダプター自体が高価なため価格を抑えるという観点からリムブレーキ車での使用がおすすめ!
低コストでスタートできるアナログトレーナーのおすすめはこちら!
ミノウラ LR760 ライブライド
アナログトレーナーといえばこれ! 手動ですが負荷調整も可能で、レバーをハンドルに装着して手元で負荷調整の操作ができる定番タイプです。
当時は定価で4万円ほどしたものですが、現在なら中古で6800円で導入できちゃいますね。
>> MINOURA 「ミノウラ」 LR760 LIVE RIDE サイクルトレーナー / バイチャリ浦和ベース
ミノウラ ハイブリッドローラー ライブライド FG220
同じくミノウラから、ハイブリッドタイプのローラーを。前輪を固定し、後輪はローラーに乗せる方式なので、固定ローラー+三本ローラーのハイブリッドというわけです。
アナログトレーナーの中では静かなほうですし、タイヤの削れも少ないです。3本ローラーほどではないものの、横に振れるので走行感にリアルさもあります。
このFG220は軽量でコンパクトになるタイプなので、レース前のアップに持ち運んでる人をよく見かけます。今でも現役のモデルで、定価は4万2460円。これが1万8000円なら導入してみる価値はありそうです。
>> MINOURA 「ミノウラ」 HYBRID ROLLER LIVE RIDE FG220 サイクルトレーナー / バイチャリ浦和ベース
中古でホントに大丈夫? 中古だからこそ注意したい3つのポイント
中古モデルをおすすめしてきましたが、中古には良品からジャンクまでいろんな状態のものが並んでいますので、その点の注意が必要です。とくにフリマアプリやオークションなどの個人間売買で、値段だけを見て判断するのはリスクが伴います!
中古のスマトレを買うにあたって、チェックすべき3つのポイントを伝えておきます。
①設置に必要な周辺パーツがそろっているか
そう、これこれ! いざ設置しようとして必要なパーツが足りず、「自転車をセットできないんだけど」って質問が一番多いです!
スマートトレーナーを使うには、
- 車輪固定部のアダプターがある
- スプロケットの互換性がある
- フリーボディが合っている
この3点をクリアしないと使用できません。1点ずつ確認していきましょう。
1. アダプター
車輪の固定方式は主に2つです。
- クイックリリースレバー方式(リムブレーキ)
- スルーアクスル方式(ディスクブレーキ)
これがどちらの種類かによって、スマートトレーナーに自転車を固定するためのアダプターが変わります。(クイックリリースレバーとスルーアクスルでは太さが違うので、それぞれの径に対応したアダプターが必要)
新品購入の場合はだいたいリムとディスクのどちらにも対応できるように2種類のアダプターがセットされています。ここが中古になると、オプション品が全てそろって出品されているとは限らないのです。
たとえばこの製品は、クイックリリースレバー用のアダプターが付属しています。販売ページではスルーアクスルのアダプターが見当たらないため、ディスクブレーキ車の場合は別途ノザ用のアダプターを購入する必要があります。
逆にこちらの製品は、スプロケ中心の穴がクイックリリースの軸よりも太くて大きいため、スルーアクスル用だと判断できます。リムブレーキロードバイクを使いたい場合は、クイックリリースのアダプターが必要になります。
クロスバイクでスマートトレーナーを使うなら「エンド幅」にもご注意を
一般的に、クロスバイクはロードバイク(リム・ディスク共に)とはエンド幅が違います。一部車種を除き、リムブレーキのクロスバイクにはエンド幅135mm対応のアダプターが必要です。
基本的にクロスバイクはそのままセットできないということを頭の片隅に入れておいてください。ちなみにMTBは黎明期にエンド幅が乱立していた関係でさらに複雑です……(私もいつも頭を悩ませています)
2. スプロケット
スプロケットがついた状態の中古品における注意点です。スプロケットが付属しているからといって、自分の自転車に適合するかはわかりません。
シマノなのか、スラムなのか、10速なのか、12速なのか…? 自分の自転車とメーカーや段数が合っているかを調べて、適合していない場合は新たに用意が必要です。適合するものがついてたらラッキー!くらいの感覚でいるのが吉。
ちなみに、スラムは11速までだったらシマノのスプロケと互換性あり。カンパニョーロはカンパのみで基本的にどのメーカーとも互換性がありません。
じゃあ「自分はシマノユーザーだけど、最初からスラムやカンパのスプロケがついているものは買えない?」という疑問に対して、スプロケを取り付けるフリーボディの話を絡めながら次項で解説します。
3. フリーボディ
スプロケットを取り付ける筒状の部分を「フリーボディ」と呼びます。主要メーカーはシマノとスラム、カンパニョーロの3社。
シマノ、スラム(12速以降)、カンパニョーロではフリーボディの縦溝の形状が異なり、対応しているスプロケしか装着できないのです。
しかもやっかいなことに、フリーボディの交換はアダプターやスプロケを買いなおすよりも費用が倍以上かかるんです……!
スプロケとフリーボディはセットで要確認です!
②購入前の相談、不具合がおきたときに相談ができるか
①で解説した「自転車と適合するかの確認」だけでもややこしい話なので、「???」となる人がいるのも当然です。中古だからこそ専門スタッフに確認したいですよね。
ここで一番大事なのが「どこから買うか」ということ。同じ中古ショップでも、なんでも扱っているようなリサイクルショップは、スタッフに専門知識がないことが普通です。最近では自転車系の資格を持ったスタッフが査定するケースもあるようですが、スマートトレーナーなどの機械系はまた別の知識が必要になります。
また、中古の前提としてメーカーによる保証は一切使えません。基本的にセカンドオーナーはメーカー保証の対象外です。
ただ、中古買取販売会社の中には、独自の保証サービスを追加料金でプラスできるところも。たとえばバイチャリでは「proteger」という延長保証があり、メーカー保証が切れたあとの思わぬ修理の出費を抑えられるプランが選択できます(追加料金あり)。
>> たとえばこの商品は延長保証「proteger」を選択可能です!
※proteger適用外の商品もあります
保証サービスは使わないに越したことはないですが、転ばぬ先の杖は大切です。心配な方は利用してみてはいかがでしょうか。
③古い機種で計測できるデータに制限がないか
スマートトレーナーはここ数年で一気に進化を遂げているので、1世代モデルが違うだけでデータの計測上限が異なる場合があります。
主に「測定できる最大ワット数」「ケイデンスデータを拾えるか拾えないか」「自動負荷に対応している最大斜度」などの項目が機種の世代によって違ってきます。
たとえば、エクスプローバの初代ノザはケイデンスセンサーが必要でしたが、現行のシリーズハイエンドグレードのノザ Vにはケイデンスセンサーが内蔵になりました。現行モデルの最新スペック情報で判断するのではなく、実際のモデル名や型番で検索し、測定できるデータ内容を確認しておきましょう。
このあたりの細部の情報を確認する意味でも、専門店のスタッフに事前相談ができるメリットは大きいですね。
中古の購入はやっぱり専門店が安心。バイチャリで買うメリット
スマトレは高い買い物ですから、間違いのない商品を選びたいですよね。スポーツ自転車専門のリユース店であるバイチャリはスマトレの取扱実績も豊富で、購入前の相談ももちろんOK。納得したうえで購入することができます!
個人売買の場合はキズや汚れの具合・動作確認などがすべて個人の匙加減。「使用感なし」とあったのに、届いたらサビが目立ったり。接続しない・動かないなんてケースは最悪で、こうなるとまさに「安物買いの銭失い」です。
中古自転車の購入時と同じように、取り扱い実績が豊富で、専門知識を持ったスタッフがいるお店で買うのがマスト。
バイチャリでは統一された基準で状態を判断し、動作確認もしっかり行っているのでいわゆるハズレがありません。悩んだらぜひ店舗に連絡して相談してみてくださいね。
中古で安く賢くZwiftを始めてみよう
今回の記事を書くにあたり現行のスマートトレーナーをいろいろと確認しましたが、Zwiftが流行りだした4年位前と比べて価格がだいぶ高騰したなと感じました。最近スーパーでキャベツを眺めるときと同じ気持ちです……。
この物価高の中ですし、始めは中古で気軽にスタートしてみて、いずれはハイエンドに乗り換える……という買い方だってアリだと思います。
私の場合は一番お手頃なノザ(無印)から始めて、タックスのネオを経て、パワーが正確で斜度の再現性が高いハイエンドのワフー・キッカーに乗り換えました。上位機種のハイエンド価格はなかなかのインパクトですから、手軽に始められる価格帯のスマトレがあったからこそ、Zwiftデビューをできたようなものなんです。
ただし中古で精密機械を購入するとあっては、注意したいポイントが多いのも確かです。ぜひバイチャリのECサイトや実店舗で相談してみてください。
スマトレさえあれば大雨が降ろうと雪が積もろうと、もう安心。賢く利用して、自宅でインドアサイクリングを楽しみましょう!
▼「スマトレでやってはいけないNG集」の動画も近日公開の予定です! お楽しみに!!
バイチャリでは、USEDのスポーツ自転車や各種パーツ、ウェアなどをオンラインストアで絶賛販売中です。お目当ての商品がおトクに買えるチャンス。今すぐチェックを!
バイチャリでは自転車やパーツ等の高価買取も積極的におこなっています。まずはオンラインで簡単にできる「簡単無料査定」から!