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最近やたらアツい「オールドマウンテンバイク」の魅力とは?詳しい人に聞いてみた

注目度上昇中の「オールドマウンテンバイク」

こなれた普段乗りの自転車を探してる人たちのあいだで「オールドマウンテンバイク」というワード、最近ちょくちょく耳にします。とりわけファッション感度の高い人たちに支持されている模様。

読んで字のごとく「昔のマウンテンバイク」ということは間違いなさそうなんですが、なんで人気なの? その魅力は? 気をつけるべきポイントは? などギモンが次々とわいて頭がおかしくなりそうなので、ここは詳しいヒトに聞いてみるのがイチバン!というわけで、オールドマウンテンバイクで有名なお店を訪ねてみることに。

詳しい人に直撃してみた

さっそく伺ったこちらは東京・中野駅から徒歩10分ほどのところに鎮座する『クラムワークス』。ガラス張りの店内をのぞくと、自転車やパーツが所狭しと並んでいます。気分が上がる中、いざ突撃!

と、勇んで乗り込もうとした矢先、「あ、どうも、こんにちは…」とナチュラルに迎えてくださったのがこちらのお店を切り盛りする代表の松本圭太さん。山から今降りてきたばかりのゴツくてコワそうな人が出てくる可能性もあると身構えていただけに、松本さんのまとうピースなオーラに思わずホッと胸をなでおろします。

「このお店はだいたい8年くらい前に始めたんです。もともとリユースの自転車店で働いていたんですが、いつかこういうお店を自分でやりたいなって思っていて。今でこそオールドマウンテンバイクのお店ってちょこちょこありますが、当時は日本にはまだ全然なくって。自転車店といえば、ママチャリを売る街の自転車屋さんか、ロードバイクのプロショップの両極みたいな感じで。一方でアメリカでは古いマウンテンバイクを直して売るようなお店がいくつもあったので、いつか自分でもそういう店をやりたいなって。

中央線沿線が好きで物件を探していたら、中野でちょうどよさそうな場所にめぐりあえたので、このタイミングだろうということでスタートしました。最初は僕1人でしたが、今は仲間も増えて3人体制でやってます」

「このお店ではオールドマウンテンバイクの完成車やフレームをおもに扱っています。オールド系だけでなく新品もやっていて、独自のルートで仕入れた海外ブランドのフレームやバッグなんかも販売しています。

オールドマウンテンバイクの完成車の購入だったり、フレーム単品からの組み付けだったり、自前のオールドマウンテンバイクのカスタム希望、などが目的のお客様が多いですね。年齢層は30代から40代がメインかな。性別はやっぱり男性が多いですね」

お店に入るとすぐ頭上に、今ではなかなか見られない独特のカラーリングに彩られたアジ出まくりのフレームがずらりと吊るされています。

「はい、まさにこのへんがオールドマウンテンバイクのフレームになりますね」

パッと見ただけでも現行フレームとは明らかに異質な存在感。これは期待が高まります。というわけでさらなる質問を松本さんにぶつけてみることに。

オールドマウンテンバイクの4つの魅力

魅力①オールドならではの雰囲気

ニシキのフレーム。独特なチェーンステー位置だ

ーー形だけを見ても、けっこういろんな種類があるんですね。

「そうですね。チェーンステーの位置なんかもけっこうモノによって違いますね。これにも理由があって、凸凹のある山道だとチェーンがけっこう上下に動くので、チェーンステーの位置をあえて上げることによって干渉するリスクを軽減させているんです」

ーーフレームを持ってみるとずっしり、頑丈な感じが伝わってきますね。

「そうですね。今となってはカーボンのマウンテンバイクもありますが、うちがメインで取り扱っている80年代から2000年代にかけてはクロモリとアルミが全盛で、やっぱり山を走れる強度が重視されるので、しっかりした厚みのパイプで作られてますね。どっちかっていうと軽さは二の次という考え方です」

ーー色や柄が目を引きますね。なかなか見ない組み合わせといいますか……。

「やっぱりオールドマウンテンの一番の魅力は、この色や柄からくる独特の雰囲気でしょうね。現行にはないカラーリングやデザインは、今の人たちにかなり刺さると思います。90年代前後って古着とかクルマもそうだと思うんですけど、好きな人が多いですよね。良い意味で振り切れてるというか」

ガンウェルのフレームはグラデが美しい

「たとえばこのド派手なグラデーションとか、ブラシでこすったようなデザインとか、惹かれますね」

映画『E.T.』で有名なクワハラのオールドマウンテンバイクフレーム

「このKUWAHARAのフォントも何ともいえない勢いがあって最高ですよね」

魅力②人とかぶらない唯一無二の存在

ーーたしかに、古着と感覚が似てますね。

「古着の良さって、ほかの人とかぶらないし、着て洗ってを繰り返すことでアジがさらに出て、育っていくことだと思うんですよ。オールドマウンテンバイクも同じで、もともとガンガン野山を駆け巡ってきたバイクなので、そうした年月を経て生まれた傷や色褪せなんかもアジなんですよね」

ーーこういう古着的な部分に魅力を感じる人にとってはたまらない、ということですね

「そうですね。来てくれるお客さんも、ガチガチに競技としてダウンヒルとかをやりたいっていう人よりかは、普段乗り用のバイクとしてファッションやライフスタイルの延長として乗りたいっていう人が多いので。やっぱりそういう人にとっては、オンリーワンの自転車っていうのは所有欲をくすぐられますよね」

魅力③比較的お手頃価格で手に入る

ーープライスタグを見ると、フレームは4万から5万くらいの価格帯が多いですね。正直もっとするかと思ってました。

「これでもジワジワ上がってきたんです。なのでこれだと思うフレームに出合ったらチャンスは逃さないほうがいいかなと思います。やっぱり中古市場には限りがありますから。

ちなみに希少なフレームなんかだと値段はグンと上がりますが、僕個人としてはそういうレア的なものにはあんまり興味がないんですよね。やっぱり普段からガシガシ気兼ねなく乗ってもらいたいので、これくらいの価格帯に抑えたいっていうのもあって今のようなセレクトにしてます。貴重なものを部屋に飾っておくより、乗ってナンボってことですね」

ーーお店にあるオールドマウンテンのフレームから一台に組み上げると、だいたいおいくらになりますか?

「フレームを決めてから、ハンドルやブレーキ、ホイールやクランクなんかを選んでいく流れになるんですが、まあだいたい10万円ちょいから20万円台半ばくらいでおさまることが多いですね」

ーーその価格帯なら一気に現実的になりますね。フレーム単品だけでなく完成車もあるんですね。

「好きなパーツでバランスよく組み付けた完成車も販売しています。10万円台中盤くらいからって感じですかね。昨今自転車の値段ってどんどん高くなってて40万、50万とか当たり前になってきてると思いますが、しっかり本格的な仕様で、頑丈で、ファッション性も高い自転車をこの価格帯で乗れるっていうのはオールドマウンテンバイクならではだと思いますね」

魅力④カスタムも楽しめる

ーー組み付けるパーツのチョイス次第で自分らしく個性も出せそうですね。

「それも醍醐味で、パーツ選びで自分好みの一台に仕上げていく過程は間違いなく楽しい作業ですね。たとえばうちのオリジナルで作ってるフロントフォークはかなりおすすめ。マウンテンバイクっていうとサスペンションフォークを連想する人もいると思いますが、街乗りならサス無しのほうが快適に乗れますから。サスがあると、街中の道路だとどうしてもふわふわしちゃうんで」

「ハンドルもライザータイプだったり、プロムナード寄りのものだったりとかなり選べます。傾向でいうと、最近は幅広めのものがよく選ばれてますね」

「ドロップハンドルなら、ハンドルバッグ付けたいって人が多いんで、ちょい裾広がりのフレアタイプならハンドルも握りやすかったり。

全部ガチガチに同年代のオールドパーツでまとめたいって人もいれば、フレームはオールドだけど合わせるパーツは現代モノも気にせず取り入れていく人もいたり、そのへんってほんと個人の好みだと思うんですけど、僕的にはとくにルールはないから楽しければいいと思うんで、どっちかっていうと年代にはあまりこだわらず、自分が良いと思うものを直感でバンバン合わせていきたいタイプですね」

ーー買ったあともいろいろ付け足したり、変えたりするのも楽しそうですね

「そうですね。最初は街乗り専用だったけど、乗ってるうちにOMMとかのアウトドアイベントに出てみたくなった、なんていう場合も用途にあわせてカスタムできます。ラックやバッグ類なんかも豊富に揃えてるんでゴテゴテさせるのもいい。こういう片手で開閉できるステムバッグなんかもあると重宝しますよ。これはオーストラリアのブランドで、ポップな色味も気分を上げてくれますね」

「色味といえば、うちで多数取り揃えているアルマイトのカラーパーツなんかは90年台から世に出始めているので、オールドマウンテンの差し色として相性がいいですね」

乗る際に気をつけるべきことは?

さすがの知識でやさしく丁寧に教えてくれる松本さん。初心者でも安心していろいろ聞けちゃいそうです。

雰囲気たっぷりのビジュアルや、値ごろ感のある価格レンジなどオールドマウンテンバイクならではの魅力を理解できた一方で、乗る際に気をつけるべき点などはあるのでしょうか。

「ユーズドだから壊れやすいのでは…?と心配する人もいますが、もともと悪路を走破する用に作られたマウンテンバイクなんでとても頑丈で、耐久性はバッチリ。末長く乗っていただけると思います。もし仮に強くぶつけてフレームが歪んじゃったりしたとしても、クロモリなら溶接して直したりもできるんで。

一方でちょっと気をつけてほしいのが”規格”ですね。やっぱり昔のものなので、現行の自転車にはないパイプの直径など、独自の規格があったりするので、どんなパーツでも合うっていうわけでもないんです。

こういう自転車に乗ると、だんだん自分でカスタムしたくなって、気に入ったパーツをオークションで落としたりすることも出てくるかと思いますが、いざ買って取り付けようとしたらサイズが合わなかった……なんてことも起こり得ます。まあそういう失敗も含めてミニ四駆みたいなノリでカスタムを楽しんでもらえたらとも思いますが、失敗したくないって人は、やっぱりお店に相談するのが一番間違いがなく、安心ではあるでしょう」

みんなもオールドマウンテンバイクを楽しもう!

めくるめくオールドマウンテンバイクの世界、これはハマってしまう人が続出なのも納得でした。とはいえやっぱり気をつけるべき点などはあるので、松本さんのような詳しい人に相談しながら組み付けたり、カスタムしたりするのが良さそうです。

松本さんのお話にもあったとおり、やっぱり自転車は乗ってナンボ。日常のスタイルに合わせた街乗りではもちろん、自転車キャンプやアウトドアイベントなども楽しめるオールドマウンテンバイクを手に入れて、あらゆるシーンで乗りまくってみるのはいかがでしょうか。

そしてバイチャリでもアジのあるユーズド自転車やパーツを多数取り扱っています。今乗っている自転車を買取に出して、次なる愛車の購入予算にプラスするのも賢いやり方。ぜひチェックしてみてください。

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藤巻 英治

藤巻 英治

ファッション誌『FINEBOYS』、ライフ誌『Fine』、自転車メディア『FRAME』等の編集長を歴任し、現『buychari JOURNAL』統括編集長。著書に『35歳からのおしゃれ術』。

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