こんにちは、buychari JOURNAL編集部のおかだです。自転車技士として、いち自転車好きとして、これまで数々の自転車を所有してきました。
ロードバイクの花形といえば、今ならハイエンドエアロロードとか、最軽量カーボンロードバイクになるでしょう。
ただ、僕(ラレーはいいぞおじさん)は言いたい。「ラレーはいいぞ」
しなやかなクロモリフレームで、長年使っても壊れず、飽きず、心地よい。ずっと連れ添える伴侶のようなラレーの自転車の魅力を、愛用歴5年になるおかだがお伝えします。
英国生まれのラレー。どんなブランド?
ラレーカンパニーは1887年に、イギリス・ノッティンガムのラレーストリートで設立されました。
名車「ロードスター」は日本の自転車文化にも大きな影響を与え、お蕎麦屋さんの出前や新聞配達などでも使用され、一般用自転車の原点となりました。
実用車としての自転車だけでなく、レースシーンでも数々の勝利を獲得。20世紀中頃には世界的な自転車メーカーへと成長しました。
一方、日本におけるラレーはじつは本国とはちょっと違います。現在日本で展開されるラレーの自転車は、リムの製造でも有名なARAYA(アラヤ)がプロデュースし、日本独自のモデルとして世に送り出しています。
自転車のプロフェッショナルであるアラヤが作るラレー。その品質は、本国を上回るほどともいわれています。
ブリティッシュなデザインを意識した製品は、むしろ本国製品よりも英国らしさが強調されているようにも感じられますよね。
ラレーのロードバイクの選び方
本場の雰囲気とコダワリがこれでもかと詰められたラレーの自転車。ドロップハンドルを有したロードバイクや、フラットバーハンドルのクロスバイク、車輪の小さなミニベロの3つのカテゴリーが展開されていますが、ここではロードバイクカテゴリーを担う「カールトン」シリーズをチェック。カールトンの特徴と選び方を解説しましょう。
ラレーのロードバイク「カールトン」シリーズ
ラレーを代表するロードバイクの「カールトン」シリーズ。クラシカルな見た目が特徴のラレーではありますが、単なる懐古主義ではありません。近年ではスタンダードにもなりつつあるディスクブレーキモデルや、グラベルロードもしっかりとラインナップ。
そのいっぽうで、フラッグシップフレームはリムブレーキモデルも選べたり、ダブルレバー*仕様のモデルが展開されているあたりは、ラレーのこだわりを感じます。
*)ダブルレバー:フレームに取り付けられた変速レバーのこと。現在ではほとんど使われておらず、ブレーキレバーと変速レバーが一体化したデュアルコントロールレバーが主流。
クラシカル「だけじゃない」というのが、ラレーの魅力なんですよね。
ここからは現行ラインナップのラレー・カールトン全4モデルをひとつずつ見ていきましょう!
- カールトンCRB|エントリーロードバイク
- カールトンCR-DC|グラベルロードバイク
- カールトンCLR|クラシックロードバイク
- カールトンCRR/CRR-D|フラッグシップクロモリフレーム
カールトンCRB|初めてのロードバイクにピッタリ!
CRB/Carlton-B(カールトン-B)は、カールトンのエントリーモデル。ディスクブレーキを採用し、今までのラレーには珍しいブラックパーツの構成や、ケーブル内装など、クラシックの中にモダンなエッセンスが散りばめられた1台。
クロモリの高いツーリング性能を感じられるロードバイクで、初めての1台としてもおすすめ!
税込価格 | 121,000円 |
カラー | マットスチール(ST)、マットアイアンブラック(K) |
フレーム素材 | クロモリ |
メインコンポーネント | シマノ・クラリス |
重量 | 11.5kg(450mm) |
カールトンCR-DC|遊び倒せるグラベルロードバイク
CR-DC/Carlton-DC(カールトンDC)は、ディスクブレーキを採用したクロモリグラベルロードです。40Cというかなり太めのタイヤがつけられており、グラベルロードの本懐である砂利道の走破はもちろん、ツーリングや通勤・通学まで使える汎用性の高さが魅力。
ダブルレバーの台座がついていたりと、あえてクラシカル仕様にカスタムするのもおもしろそう。おかだも今ならこれを選ぶかも。
税込価格 | 176,000円 |
カラー | ブラウンブラック、クラブグリーン |
フレーム素材 | クロモリ |
メインコンポーネント | シマノ・クラリス |
重量 | 12.5kg(520mm) |
カールトンCLR|クラシックな雰囲気を存分に味わいたいならコレ!
CLR/CLUB RACE(クラブレース)は、ダブルレバーや上出しのケーブルルーティング、コットンのバーテープにシルバーカラーでまとめられたパーツなど、クラシックを追求したモデルです。現行モデルの完成車の中で、唯一リムブレーキとしてラインナップされています。
味のあるルックスで、今あえて選びたくなるラレーらしい1台です。
税込価格 | 159,500円 |
カラー | グロスブラック、パールホワイト |
フレーム素材 | クロモリ |
メインコンポーネント | シマノ・クラリス |
重量 | 10.5 kg |
カールトンCRR/CRR-D|最高のクロモリロードを組みたい人へ
ラレーには日本のビルダーとコラボして作り上げられたフラッグシップフレームが2つあります。
リムブレーキ用フレームでラグ溶接の美しさが際立つカールトンR(画像上)と、ディスクブレーキ用フレームで電動変速システムにも対応する最先端モデルのカールトンR DC(画像下)です。
どちらも1本1本が日本のビルダーの手作業で作られ、フラッグシップモデルと呼ぶにふさわしい職人技が光ります。パーツを自分で選んで組み上げる「バラ完」で、自分だけの至高のクロモリロードに乗りたい人におすすめ。
※カラー、サイズはオーダー可能(追加料金がかかる場合あり)
CRR/カールトンR(リムブレーキ用)
税込価格 | 495,000円 |
カラー | レーシングレッド(R)※オーダー可能 |
フレーム素材 | クロモリ |
重量 | 2.6kg (520mm with fork) |
CRR-D/カールトンR DC(ディスクブレーキ用)
税込価格 | 495,000円 |
カラー | パールホワイト(W) |
フレーム素材 | クロモリ(フォークはカーボン) |
重量 | 2.3kg (520mm with fork) |
リムブレーキ派には旧モデルを全力で推したい! コスパも最強
ラレーのラインナップにはリムブレーキモデルが選べるといいましたが、完成車としてはCLR(クラブレース)のみ。クラブレースは、ダブルレバーを採用したバチバチのクラシカル仕様です。
通常のデュアルコントロールレバー(ブレーキと変速レバーが一体になったもの)で、リムブレーキモデルは旧ラインナップから選ぶしかありません。そこでリユースの出番です!
国内最大級のリユース専門店のバイチャリなら選択肢も豊富。ラレーのいろんなカールトンが手に入りますよ。
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ラレーのアイデンティティである英国調デザインは、年式による古さを感じさせないのも特徴のひとつ。クロモリ素材の「長く使える」という特性との相性もバツグンに良く、リユースでもとくに選びやすいからオススメなんです。
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おかだの一押しリムブレーキモデル! カールトン-F
ラレーらしいクラシカルなルックスに、高い走行性能が共存しているカールトン-F。細身のフレームに、フォークはカーボン、コンポは11速の105をフル採用! 羊の皮をかぶった狼ですね。
今は手に入らないカールトン-Fですが、じつはフレーム素材にマンガンモリブデン鋼が使われています。いわゆる「マンモリ」というやつです。クロモリよりさらにしなやかで、長時間のライドでも快適なシルキーな乗り心地を体感できるはず。
見た目だけでなく、サイクリングの満足度をも底上げしてくれる、今も根強い人気を誇るモデルです。
▼リユースならこんなにオトクにラレーに乗れる!
販売価格:税込77,000円(新品参考価格:178,200円) | |
カラー | パールホワイト |
フレーム素材 | マンモリ(レイノルズ631) |
メインコンポーネント | シマノ・105 |
重量 | 8.9 kg |
愛用者おかだ「ラレーは懐が深いから、なんだかんだずっと一緒」
おかだが愛用するのはカールトン-A。購入時はシマノ・ソラ組みで、価格は10万円を切るくらいだったと記憶しています。ベーシックなエントリーモデルですね。
当時、自転車技士資格試験の練習用に完成車を探していて「技士試験のレギュレーションに合う」「どうせなら持っていない素材のフレーム」という条件でマッチしたのがカールトン-Aでした。見た目にもカジュアルかつ高級感があり、普段使いやカスタムベースとしてなんだかんだで1番長く一緒にいるフレームです。
ときにはデュラエース*とレーゼロ*でガッチガチなスピード系にしてみたり、ダブルレバーとプロムナードハンドルで街乗り仕様にしてみたり、現在はクラリス*とシルバーパーツで輪行サイクリング用になっていたりと、とにかくいろんな無茶に付き合わせてきました。
*)デュラエース:シマノの最高峰グレードコンポーネント
*)レーゼロ:フルクラムの名作ホイール「レーシングゼロ」
*)クラリス:シマノのエントリーグレードコンポーネント
こう振り返ると、改めてクロモリという素材やラレーのデザイン性の懐の深さを感じますね。
オーナーの好みでどんなふうにカスタムしても、ちゃんとカッコよく、ちゃんと走る。多分、これからどんなハイエンドバイクを買ったとしても、何らかの形で僕の自転車生活のどこかにいる。ラレーはそういう自転車です。
ホンモノの自転車好きによるブランド、ラレー
近年のロードバイクの目まぐるしい進化に対応しながらも、伝統やスタイルを忘れず、長く使える自転車を世に送り出すラレー。
ハイスペックモデルや軽量さが注目されるかたわらで、生活の延長にさりげなく佇むラレーは、派手さはなくとも確かに「自転車好き」の心を掴んでいます。
ホンモノの自転車好きによるブランド。ラレーはいいぞ!