ロードバイク乗りなら、フラットペダルからビンディングペダルにステップアップする人も多いですよね。
そんなとき、今ついているペダル、外せますか? 新しいペダルはどうやって取り付けるかわかりますか? 特別な工具が必要なのでしょうか?
カンタンそうで意外とよくわからない「ペダルの外し方・つけ方」をチェック! コツさえつかめば誰でもカンタンにできますよ。自転車技士の資格を持つおかだくんに実演してもらいました。
1. ペダルを外す準備
さっそく今ついているペダルを外して、新しいペダルに交換しましょう!
と、その前に、まずは作業環境を整える必要があります。
十分な作業スペースと、自転車を安定させるスタンドを用意しましょう。壁に立てかけて作業することもできますが、ふだんのメンテナンスのためにも、ひとつスタンドを準備しておくことをオススメします!
▼ハブスタンドなら1000円以下で買えちゃいます、ひとつ持っておいて損はない!
ペダルを外すときにおもわずチェーンに触れてしまうこともあります。汚れやケガ防止のためにも、チェーンの上にふんわりとウエスなどを掛けておくといいですよ!
2. 必要な工具をそろえよう
ペダルを外すためには、ペダルにあった工具が必要です。今ついているペダル、付け替えたいペダルの形状をチェックして、必要な工具をそろえましょう!
まずはペダルの軸をチェック
ペダルの軸はおもにふたつの形状に分けられ、その形状によってペダルレンチが使えるか、六角レンチが必要になるかが決まります。
①ペダルレンチが使えるかどうか
ペダルの軸の形状を見てみましょう。
Aのようにラウンド形状でひっかかりのないタイプはペダルレンチは使えません。(→②へ進む)
Bのようにレンチをかませるための平らな面がある場合はペダルレンチが使えます。
※ペダルレンチがない! 家にあるスパナでも使える?
ペダルによっては使える場合もあります。ただ、スパナの厚みでハマらなかったり、スパナは柄の長さが短いので力が入れにくいこともよくあります。ペダルレンチは1000〜2000円前後で手に入るから持っておいてもいいかも
②六角レンチ(アーレンキー)の大きさをチェック
①で軸がペダルレンチの使えない形状だった場合は、ペダルの軸先に六角穴があるはずです。(ペダルレンチが使えるタイプでも六角穴がある場合も。逆に六角穴がなく、ペダルレンチしか使えないものもあります)
六角穴を使うときは、多くの場合8mmまたは6mmの六角レンチが必要になります。
軸の形状、 六角穴の有無 | 必要な工具 | |
軸に平らな面があり、 六角穴もある | ペダルレンチ、 六角レンチの どちらでも | |
軸に平らな面があり、 六角穴がない | ペダルレンチ | |
軸がラウンド形状で、 六角穴がある | 六角レンチ |
3. ペダルの外し方【3ステップで覚えられる】
ペダルを外すためのアイテムがそろったところで、さっそく今のペダルを外していきましょう。
STEP①工具をセット
ここからは左ペダルを例にして進めていきます。基本的な操作方法や手の置き方は右ペダルでも同じです。
ペダルレンチまたは六角レンチをペダルの軸にしっかりとセットし、力を入れやすい位置にクランクを動かします。
クランクは3時の位置よりやや下に。ペダルレンチ・六角レンチをしっかりセットしたら、反対の手でペダルを支えます。
STEP②工具を回してネジをゆるめる
ペダルを支えたまま、レンチにゆっくりと力をかけます。
左ペダルは逆ネジのため、時計回りで締まり、反時計回りでゆるみます。自転車の進行方向に対して前から後ろへレンチを回しましょう。
STEP③軸を手で回してペダルを外す
最後は軸を手で回しながらペダルを外します。
<左右のペダルで回す方向は逆!>
右ペダルは一般的なネジ、左ペダルは逆ネジのため、工具を回す方向が反対になります。
- 右ペダル:反時計回りに回して外す
- 左ペダル:時計回りに回して外す
基本的には自転車の進行方向に対して「前から後ろ」と覚えておけばOK!
▼動画でイメージ!
回す方向がわからなくなっちゃった! どうする?
左右のペダルで回す方向が違うのは、左ペダルが逆ネジになっているから。その左ペダルが逆になっているのは、走行中にペダルがゆるまないようにするためです。
ひとつの覚え方としてこの「ペダリングと逆方向でゆるむ」と頭に入れておくのがおすすめです。
そうすれば、自分がどちらから自転車に向かおうが、どの位置に立とうが、ペダリングの回転をイメージすることでペダルをどちらに回せばいいか直感的に分かるようになります。
ペダルが固着して外れないときの対処法
ペダルを外すときのあるあるが、ペダルが固着してレンチがビクともしないということ。あまりに動かないので「もしや回す方向、反対……?」と思ってしまった経験がある人も多いのでは。
そんなときにはこの3つを試してみてください。
1.ネジ部分に潤滑スプレーをかけて少し時間を置く
潤滑スプレーをネジ部分(クランクアームの裏)に吹きかけておきましょう。吹きかけたら、5〜15分ほど放置するのがポイント。ネジ部分がゆるみやすくなり、固着したペダルを外せる可能性が高まります。
2.体重をかけてレンチを回す
姿勢をかえて、より強い力をかけられるようにしてレンチを回す方法も効果的です。
ペダルレンチ・六角レンチをしっかりと軸にセットし、足でペダルを押し下げるようにして固定。ブレーキ(リア側、左手のブレーキ)をかけながら、レンチをグッと引き上げます。
▼動画でイメージ!
3.柄の長いレンチを使用する
使用するレンチは柄が長めのものがおすすめ。2.の姿勢もとりやすくなりますし、テコの原理が働き、より少ない力で回せるようになります。
固着したペダルを外すときは、かなり力をいれることになります。安全のため、しっかりとバランスを取りながら作業しましょう。
【取り付け】ペダルを取り付けるポイント
①ペダルの左右を確認
自転車のペダルは、左右でネジ山の向きが異なるので必ず右と左が決まっています。ペダルに「R」「L」の記載があるはずなので、探してみましょう。
②ペダルにグリスを塗る
取り付けの際は必ずグリスを塗りましょう。ペダルは荷重をかけられながら動くパーツであり、締め付けにも強い力が必要になるので、ペダル取付時のグリスアップは必須です!
取り付け時の潤滑だけでなく、ネジの固着を防いでくれるので、ペダルを外すときにも作業がスムーズになります。また、金属同士の接触による摩擦を減らし、ネジ山の摩耗や損傷を防ぐ役割も。
グリスを適切に使うことは、パーツの寿命を延ばすためにも大事です。ペダルのネジにグリスを塗るときは、もちろん指でもOKですが、画像のようにネジ同士をクルクルまわしてなじませるのがおかだスタイル。時短にもなるし指が汚れないのでオススメです
③ペダルを取り付ける
あとはクランクアームの穴にペダルをはめるだけ。指で回し入れて、最後にしっかり締めたら完了です。
六角レンチを使う場合は、先にレンチをクランクアームの穴に入れてからペダルを迎えてあげるようにすると、スムーズに作業できるのでオススメです。ネジが斜めに入ってしまわないように注意して
コツを知ってるかどうかで違いが出る、ペダル交換
ペダルの外し方やつけ方は簡単そうに見えますが、実際にやってみるとクランクが動いてしまったりして意外と難しいもの。あまりに固くなっていて、どちらに回せばよいかわからなくなるのもあるあるです。
そんなときも、正しい手順とちょっとしたコツを押さえておけば、スムーズに作業が進みます。
ペダルの交換で困ったら、またこの記事を読みつつ、作業してみてくださいね!