真夏のアクティビティに最適なドリンク『アイススラリー』を知っていますか? 体の内側から効率よく冷やせる “飲める氷” として、スポーツシーンを中心に注目されている冷却ドリンクです。
その優れた冷却効果ゆえに、あのツール・ド・フランスの現場でも活用されているのだとか!?
今回はアイススラリーの効果や作り方、活用方法まで、実際に作って試してみたレポートをお届けします!
そもそも「アイススラリー」ってなに?

「アイススラリー(ice slurry)」とは、氷(ice)と、ドロッとした液体(slurry)を組み合わせた言葉で、つまりはサラッとしたシャーベット状の飲みものを指します。
低温でありながら流動性があるため飲みやすく、「飲める氷」や「液状の氷」などと呼ばれることもあります。その高い冷却効果から、運動時はもちろん、熱中症や暑熱対策の飲料として近年注目されています。
カラダの深部の体温を効率的に下げる「冷却ドリンク」
一昔前は、冷却といえばカラダを外側から冷やすことでしたが、近年は内側からの冷却、つまり深部体温(コア温)を下げることも同じくらい大事だとされています。深部体温が上がると、パフォーマンスの低下や熱中症のリスクにつながるため、そのコントロールが非常に重要です。
アイススラリーが注目されている理由のひとつにこの「深部体温を下げる効果」があります。
アイススラリーは氷が溶けるときに多くの熱を吸収するため、普通の冷たい飲料よりも効率よく体を冷やせるのです。

実際に、大正製薬と広島大学は2023年の共同研究で、暑熱環境下においてアイススラリーを飲用すると、深部体温の上昇が抑えられ、注意力の低下も防げると発表されています。
自宅でカンタン! アイススラリーの作り方
真夏のアクティビティに最適な冷却ドリンク、アイススラリー。しかもこのアイススラリー、家にあるもので簡単に作れちゃうんです!
実際に作ってみたので、手順をわかりやすく紹介していきますね。
【用意するもの】

- スポーツドリンク(ポカリスエットやアクエリアスなど)
- 製氷皿やシップロック(スポドリを凍らせられるものならなんでもOK)
- 計量カップ
- ミキサー(なければフォークや棒など、氷を砕けるもので代用可)
STEP1. スポーツドリンクを凍らせる

まず、スポーツドリンクを「凍らせる分」と「液体のまま使う分」に分けておきます。
比率については、「氷6:液体4」や「氷7:液体3」などお好みで。「飲める氷」の状態を重視したいので、今回は「氷6:液体4」の割合に近づけて作ってみます。スポドリを280mlを凍らせて、200mlを液体のまま使用することにしました。
液体の方も、冷蔵庫でしっかり冷やしておきましょう。混ぜるときにせっかく凍らせた氷が溶けてしまいますからね。
STEP2. 氷と液体をミキサーにかける

氷が完成したら、液体のスポーツドリンクと一緒にミキサーに入れ、あとはミキサーで一気にガーッと混ぜるだけ。
ミキサーがない場合は、凍らせたスポーツドリンクをフォークなどで砕いて液体を混ぜれば、簡易的なアイススラリーとして十分機能します。
STEP3. 完成!

ミキサーから取り出して、中身がシャリっとした状態になっていれば完成です!
そのままコップに注いで飲んでもよし、自転車ライドに持っていくなら、サーモスなどの真空断熱タイプの保冷ボトルに入れておくと、冷たさを長時間キープできます。
飲むタイミングは「出発前」と「ライド中」がおすすめ
アイススラリーの効果を最大限に活かすには、自転車ライドの「出発前」と「休憩時」に飲むのが効果的。
出発前に飲むことで、体が暑さにさらされる前に深部体温を下げておけるため、熱の蓄積を抑える効果が期待されます。
また、ライド中の休憩タイミングで取り入れれば、体の内側からじんわりとクールダウンでき、パフォーマンスの低下や熱中症リスクの軽減にもつながります。
【実践】酷暑サイクリングライドのアイススラリー効果

百聞は一見にしかず。ということで、先ほど作ったアイススラリーを保冷ボトルに入れて、実際にライドへ持参。スタート前にグイッとひと口飲んでから出発です。
飲んだ瞬間、喉だけでなくカラダの奥までスーッと冷えていく感覚があり、「お、たしかに普通の冷たいドリンクとはカラダの冷え方が違うかも……?」と感じました。

走行中も、いつもより体温の上がり方がゆるやかだった印象です。もちろん気温や体調によっても変わりますが、カラダを内側から冷やすことで、外気の暑さに対する耐性が少し高まったように思います。
それと、意外に大きいのが気持ちの切り替え効果。暑さでバテそうなときも「次の休憩でアレが飲める」と思うだけで、ちょっと前向きになれるから不思議! アイススラリーには、カラダもココロもリフレッシュされる効果があるんですね。
アイススラリーを飲んでみた感想

炎天下のライドでのアイススラリーは、普通の冷たいドリンクでは味わえない、“芯から冷える”感覚をもたらしてくれました。さすが“飲む氷”というだけあります。
夏場、外でアイスを食べたときに、冷たさが胃のあたりから全身へじわじわ広がっていくあの感覚、誰しも一度は経験したことがあるでしょう。アイススラリーなら、それをライド中に、しかもめちゃくちゃ手軽に体感できます。
炎天下でもボトルを開けた瞬間、「うわ、まだキンキンやん!」と心の中でガッツポーズ。ひと口飲むと、一気にカラダの芯までクールダウンして、思わず「これ、最高やな…」とニヤけてしまいました。
真夏のライドでは、もはや手放せない“秘密兵器”になりそうな予感です!!
もちろん、これだけで「暑さを感じなくなる」とまではいきませんが、暑さとうまく付き合うための、ひとつの選択肢としてはかなりアリだなと思います。
コンビニにアイススラリーは売ってる?

「アイススラリーってたしかに良さそうだけど、作るのはちょっと面倒かも……」と思う人もいますよね。前日にスポーツドリンクを凍らせておき、出発直前にミキサーで砕く必要があるので、とくに早朝スタートのライドだと「今回はもういいや」となってしまう可能性も。
そんなときは、すでに「アイススラリー」として売られている商品を買うという方法もあります。最近ではスーパーやコンビニでもパウチ型の商品を目にするようになりました。
ただ、どこのコンビニでも入手できるわけではないので、確実にアイススラリーを飲みたいならやはり持参するのがベストでしょう。ひとつひとつの作業はけっして大変ではないですし、あの内側から冷える感覚を考えれば、このひと手間をかけてでも持参する価値は大いにあります!

アイススラリーと似たような商品で手に入りやすいのは、凍ったペットボトルドリンク。冷たい状態を一定時間保つことができるので携帯には便利ですが、氷の粒ではないため深部体温を下げる効果は限定的です。
さらに、完全に凍っているとすぐには飲めず、溶けるまで時間がかかるうえ、溶け始めと最後で味が変わってしまうことも。
その点、アイススラリーならすぐに飲めて、味の変化も少なく、深部体温を効果的に下げられます。
アイススラリーを使うときの注意点
アイススラリーは夏のライドを快適にしてくれる一方で、扱ううえで気をつけたい点もいくつかあります。
ステンレスボトルが必須! プラボトルはすぐ溶けるから意味ナシ

アイススラリーは温度変化に弱く、普通のプラスチックボトルではすぐに液体化してしまいます。
せっかく作っても効果が半減するので、ライドに持参するならサーモスなど保冷力の高いボトルが必須です。アイススラリーでなくても、冷たいドリンクを長時間キープできるので、自転車用の保冷ボトルは1本持っておくのをおすすめします!
うまいからってガブ飲み注意! お腹を壊すことも
いくら外気が暑いとはいえ、冷たいものを一度に飲みすぎると、お腹が冷えて体調を崩すこともあります。
ふだんからお腹が冷えやすい人は、いきなりガブ飲みせず、ちょっとずつ様子を見ながら飲むようにしましょう。
ヒエヒエ激うまアイススラリーでカラダの芯からクールダウン!

暑さ対策の新定番として、じわじわ注目を集めているアイススラリー。
作る手間はちょっとかかるけど、体の内側からじんわり冷えていくあの感覚は、一度味わうとやみつきになること間違いなし。しかも、ただ冷たいだけじゃなくて、気分までリフレッシュできちゃうのも新しい発見でした。
真夏のライドをもっと快適にしたいなら、ぜひアイススラリーを取り入れてみてください。あなたの暑さ対策の最強パートナーになること、間違いなしですよ!
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