自転車キャンプを快適に楽しむためには、自転車キャンプならではの環境に合ったテント選びが欠かせません。しかしながら「普通のテントとなにが違うの?」と、どんな基準で選べばいいのか悩ましいですよね。
そこで今回は、北海道から沖縄、さらにはモンゴルまで、さまざまな環境で自転車キャンプを楽しんできた僕が、その経験から選び抜いたおすすめのテントをご紹介します!
自転車キャンプには登山用テントがハマる!
そもそもの前提として、自転車キャンプ専用のテントというのはほとんど販売されていません。基本的には、自転車と同じく人力で荷物を運搬する、「登山用」のウルトラライトなギアを流用することが多いです。ちなみに僕も、登山用のテントを愛用していますよ。
自転車キャンプに適したテントの選び方
それでは、自転車キャンプに適したテントの選び方を見ていきましょう。以下4つのポイントに注目してみてください。
- 軽さ&コンパクトさが命。理想は1.5㎏以下
- コンパクトな1人用 or 居住性のいい2人用
- 軽さのシングル or 頑丈なダブルウォール
- どこにでも設営できる「自立式」が最適
①軽さ&コンパクトさが命。理想は1.5kg以下
軽さとコンパクトさが最も重要です。重たいギアを積載してキャンプ場まで自走するのは疲れますし、自転車はパッキングするスペースも限られているので収納サイズはコンパクトでないといけません。
具体的には、重量は1.5kg以下が好ましいです。ソロキャンプ用テントの超定番モデル「コールマン ツーリングドーム」が4kgですから、1.5kg以下という数字がいかに軽量かお分かりいただけるでしょう。ただし、あまりに軽すぎると、居住性や防風性などが犠牲になってしまう可能性があるため注意が必要です。
また、コンパクトさも欠かせませんが、これは使用するバッグの種類にもよります。キャリア(荷台)に大きなバッグを積載する「パニアバッグスタイル」であれば、上記の重量をクリアするテントは問題なく収納できるでしょう。
一方で、自転車にバッグを直接とり付ける「バイクパッキングスタイル」は、1つ1つのバッグが比較的小さめです。そのため、テントのスペックに記載されている「収納時サイズ」を確認し、使用する予定のバッグに収まるかどうか確認することをおすすめします。
【注意】テントポールを収納できるか要チェック!
意外と見落としがちなのが、テントポール(フレーム)の収納場所です。多くのポールは40cm前後の長さがあり、このサイズの棒状のものを収納できるバッグを持っているなら問題ありません。僕のパニアバッグのように、ポールを差し込めるポケットが付いていれば便利ですが、実際にはそういった構造のバックは少ないですね。
そんなときは、上の写真のように、ベルクロやゴムバンドなどを使ってフレーム(トップチューブ)に直接くくり付けるというワザもありますよ。ぜひ参考にしてみてください!
コンパクトな1人用、居住性のいい2人用
テントには、1人用・2人用・3人用といったサイズがあります。「1人で使うんだから1人用でいいんじゃないの?」と思うかもしれません。ただ、身長175cmの僕も1人用を使っていますが(上の写真)、これが意外と窮屈なんです。テント内に荷物を置くと、寝返りすら打てないほどギュウギュウになりますからね。その代わり、「コンパクトで軽い」という大きなメリットがあります。
一方で、2人用のテントは荷物を入れても比較的余裕があり、快適さでは一歩リード。ただし、収納サイズと重量がやや大きくなります。どちらを選ぶかは、「軽さと携帯性を取るか」「広さと快適さを取るか」によるでしょう。自分のスタイルや好みに合うほうを選んでください。
頑丈なダブル、軽量なシングルウォール
シングルウォールとダブルウォールの違いは、生地の枚数です。具体的にいうと、フライシートがあるか、ないかです。シングルウォールのメリットは、抜群の軽量性とコンパクトさ。一方で、居住性はダブルウォールに軍配があがります。
それぞれの違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
ダブルウォール
防水性や遮熱性をもつ「フライシート」という生地をテント本体に被せるのが、ダブルウォールです。名前のとおり2枚の壁(生地)があるということですね。フライシートとテント本体の間に空間ができるため、インナーテントの内側に結露が発生しにくく、壁が2枚あることから雨や風にも強いです。
また、ダブルウォールのテントにはシューズなどを置ける「前室」というスペースが生まれるのもメリットの1つ。ただし、生地が2枚ある分、軽さやコンパクトさはシングルウォールに劣ります。
シングルウォール
シングルウォールの良さは何といっても、生地が1枚しかないがゆえの「軽さ」「コンパクトさ」「設営のしやすさ」です。これらは、自転車キャンプにおいては何物にも代えがたいメリットといえるでしょう。
一方で、ダブルウォールよりもテント内側が結露しやすく、風をダイレクトに受けるため防風性も低めです。また、前室もありません。どちらかと言うと、シングルウォールのテントは「玄人向け」というような印象でしょうか。
とはいえ、日本においてそこまで過酷な環境で自転車キャンプをすることはそうそう無いでしょうから、シングルウォールという選択肢も個人的には「アリ」だと思います。
サクッと設営できる「自立式」が最適
テントには「自立式」と「非自立式」があります。非自立式はパーツが少なく軽量な反面、ペグ打ちをしないとテントが立ち上がらず、設営には慣れが必要です。対して、自立式はポールのテンションでテントが立ちあがるため、設営後にゆっくりペグを打てばOK。簡単に設営できるモデルが多いのが特徴です。
自転車キャンプでは、目的地に着く頃にはクタクタに疲れていることも多く、できるだけ手早く設営を済ませたいもの。そんなとき、手軽に設営できる自立式は最適な選択肢といえるでしょう。
さらに、設営した場所のロケーションや日当たりが気に入らなければ、テントを持ち上げて手軽に移動できるのも自立式ならではのメリットです。
▼ポイントをまとめて確認!
>> まずはキャンプにピッタリの自転車を用意する? グラベルロードがおすすめ!
自転車キャンプに適したテント【おすすめ8選】
ここからは、自転車キャンプに適したテントのおすすめモデルをご紹介! 軽量でコンパクトなテントを中心にピックアップしていきますよ。
アライテント エアライズ2
僕が5年ほど使い続けているテントがこちら! 日本製アライテントのエアライズ! 「迷ったらコレを選べば間違いない」と自信をもっておすすめできるテントです。
「軽さ」「コンパクトさ」「居住性」のすべてにおいてバランスがGood。唯一の不満は、ほかの人と被りまくるところですかね。まあ、それだけ信頼されているテントという証拠でしょう。自分が使っているのは1人用ですがやや窮屈なため、ここでは2人用を紹介しています。
- 価格:57,200円(税込)
- 重量:1550g(本体+ポール+フライシート)
- 収納時サイズ:本体30×15φcm
- 展開時サイズ:210×130×高さ105cm
- ポールの長さ:38cm
- 定員:2人用(最大3人)
- 幕のタイプ:ダブルウォール
モンベル ステラリッジ テント2
こちらも定番中の定番モデル。おそらく、キャンプ場で一番目にすることが多いのが、このステラリッジシリーズだと思います。それだけ多くの人に選ばれているということは、「間違いない」という商品なのでしょう。
先ほどのエアライズと同様、軽さや居住性など、すべてにおいて優等生的なスペックです。一点気になるのは、ポールの収納時の長さが41cmと若干長めなところですね。あ、あとキャンプ場で被りまくること必至です。笑
- 価格:36,300円(税込)
- フライシートは別売り 17,600円(税込)
- 重量:1430g(本体+ポール+フライシート+ペグ+張り綱+スタッフバッグ)
- 収納時サイズ:本体30×14.5φcm
- 展開時サイズ:210×130×高さ105cm
- ポールの長さ:41cm
- 定員:2人用
- 幕のタイプ:ダブルウォール
パーゴワークス ニンジャテント
「人力キャンパーの強い味方」というキャッチコピーのとおり、徒歩キャンパーや自転車キャンパー向けに作られたテント。収納バッグのベルトを直接ハンドルにくくり付けられる仕様で、バイクパッキングを意識して作られたテントですね。
木の枝などで前室を立ち上げれば、タープ代わりになる仕組みも面白い。あと、地味にうれしいのがテント内部のポケットが充実しているところ(なんと6つ)。これだけあれば朝起きたときに、メガネやスマホが迷子になることは無さそうです。
- 価格:59,400円(税込)
- 重量:1160g(最小重量)
- 収納時サイズ:本体36×15φcm
- 展開時サイズ:220×120×高さ105cm
- ポールの長さ:不明
- 定員:1人用
- 幕のタイプ:ダブルウォール
ニーモ ドラゴンフライ オズモ バイクパック 2P
名前に「バイクパック」が入っており、自転車キャンプ用と言わんばかりのテントがこちら。軽量さとコンパクトさはもちろんのこと、専用の収納バッグがハンドルにくくり付けられることに加え、広めに確保された前室には、室内に入れたくない汚れた衣服などを置いておける優れものです。
ただ、コンパクトさが売りなはずなのに、公式サイトに収納サイズが記載されていません……なんでや……。画像を見る限りドロップハンドルの横幅に収まっているので、相当コンパクトだとは思われます。
- 価格:85,800円(税込)
- 重量:1360g(テント+ポール)
- 収納時サイズ:不明
- 展開時サイズ:224×114×高さ105cm
- ポールの長さ:不明
- 定員:2人用
- 幕のタイプ:ダブルウォール
バンドック ソロドーム 1
「まずは手頃なテントで自転車キャンプを始めてみたい」という方におすすめなのが、バンドックのソロドーム1です。メーカー希望小売価格は1万9800円(税込)ですが、AmazonなどのECサイトではおおよそ1万円前後で購入できます。
今回ご紹介するほかのモデルと比べると、軽さやコンパクトさの点でやや劣るものの、コストパフォーマンスを考えれば、非常にバランスの取れた優秀なテントといえます。ただし、当モデルは1人用であるため、居住性が高くない点には注意が必要です。
- 価格:19,800円(税込)
- 重量:1800g
- 収納時サイズ:38×15φcm
- 展開時サイズ:200×90×高さ100cm
- ポールの長さ:38cm
- 定員:1人用
- 幕のタイプ:ダブルウォール
アウトドアリサーチ ヘリウムビビー 2.0
超軽量・超コンパクトで自転車キャンプと相性バツグンなのが当モデルです。厳密にはテントではなく「シェルター」に分類され、ポールやフライシートがないため、設営も楽ちん。
頭部には蚊帳がついており、晴れている日には星空を眺めながらくつろげます。最高ですね。「ライドがメインで夜は寝るだけでいい」という、旅慣れしたワイルド派には一押しのモデルです!
- 価格:39,600円(税込)
- 重量:447.9g
- 収納時サイズ:不明
- 展開時サイズ:不明
- 定員:1人用
- 幕のタイプ:シングルウォール
ヘリテイジ クロスオーバードーム <2G>
自立式テントながらわずか630gと、異次元な軽さを誇るシングルウォールテント。ただし、一般的なテントよりも生地が薄く耐水圧も低いため、取り扱いには注意が必要です。例えば豪雨の日などには、使用を控えたほうがいいでしょう。
初めてのテントとしては少しハードルが高く感じるかもしれませんが、「ウルトラライトなスタイルを極めたい!」という方には、ぜひ試してほしいモデルの1つです。
- 価格:53,350円(税込)
- 重量:630g
- 収納時サイズ:本体20×9φcm
- 展開時サイズ:210×100×高さ105cm
- ポールの長さ:38cm
- 定員:2人用
- 幕のタイプ:シングルウォール
モンベル U.L.ドームシェルター2
モンベルのU.L.ドームシェルター2は、耐風性・防風性・居住性を兼ね備えつつ、極限まで軽さを追求したモデルです。シングルウォールなので、設営が簡単なところもうれしいポイント。
収納サイズも26×12cmと非常にコンパクトです。ポールは43cmと少し長めですが、積載スペースが限られるバイクパッキングスタイルなどでは、有力な選択肢となり得るでしょう。
- 価格:55,000円(税込)
- 重量:889g
- 収納時サイズ:本体26×12φcm
- 展開時サイズ:210×130×高さ95cm
- ポールの長さ:43cm
- 定員:2人用
- 幕のタイプ:シングルウォール
快適に自転車キャンプを楽しむには、テント選びが重要
走行中の負担を抑え、疲れた体を癒すには、軽量コンパクトで居住性の高いテント選びが欠かせません。当記事で紹介したテントはこれらの基準を満たしていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
余談ですが、この記事の素材を撮影するために、数か月ぶりにぷらっと自転車キャンプに行ってみたんです。いやー、楽しすぎて「最高!」しか言えない自分の語彙力が恨めしくなりました(笑)。
自転車を漕いで心地よい風を感じ、夜は大自然に包まれてぐっすり眠り、朝は小鳥のさえずりと川のせせらぎで目覚める……なんて贅沢なひとときでしょうか。ぜひ皆さんにも、この素晴らしい自転車キャンプの魅力を味わってほしいなと思います。
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