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青切符制度がスタートして1ヶ月、どう?

家本 こんにちは。クララグループ代表の家本です。このポッドキャストでは、リユース自転車の買取販売『バイチャリ』、シェアサイクル事業『チャリチャリ』、自転車ブランド『wimo』に自転車ライトの『ガシロン』と、いろんな自転車の仕事をしてる私、家本が自転車トピックのギリギリのセンを好き勝手にしゃべっていく番組でございます。
今日は2回目の収録ということで、また今回もおかだくんと一緒です。
おかだ はい、自転車技士で声優の「おかだまさたか」です。今回も僕は一般サイクリスト目線に立ってお相手を務めさせていただきます。

家本 じつは今月ね、アメリカに出張に行ってまして。ニューヨーク、テキサスのオースティン、それからシカゴ。10日間ぐらいかけて回ってきたんですけど、自転車の走る環境が本当に整っていて! (ニューヨーク、オースティン、シカゴの)それぞれが、なんて走りやすいんだと。
おかだ お〜、それは羨ましいですね。
家本 クルマとちゃんと分離されていてね、どこを走ればいいか迷うこともない。気持ちがいいな〜と思って帰ってきたら! 日本は青切符ですよ。
おかだ (笑)むしろギュッと、締め付けが始まっていたと。
家本 ということで、青切符の話題、いきましょうか。
おかだ 第一回目も青切符の話をしましたが、今回はもっと掘り下げて、より深い話が聞けるんじゃないかと思っております。
家本 もうね、やっぱり反則金の話がめちゃくちゃ取り上げられていて。報道を見ていても、お金の話ばっかり。僕はお金の話よりルールの話だろう、と思ったりはしているんですが、1か月が経とうとしているこのタイミングで、いろいろお話ししていきたいと思います。

家本 まず前回の話を少しだけ整理しておくと、僕は今回の青切符導入、道交法の改正については賛成の立場です。ちなみに今回いろんなメディアのインタビューに答えたんだけど、その中で産経新聞さんが書いてくださった記事で「(青切符に)大賛成です」って書いてあったの。「大」までつけたかな〜とは思ったんだけど(笑)
おかだ センセーショナルになりすぎちゃう(笑)
家本 30分ぐらいの取材でワーッとお答えしたから、僕の勢いがそのまま文字に乗っちゃった感があるんだけどね(笑) その取材の中でも申し上げたのが、これまで日本国民がみんなで、自転車のルールをちゃんと理解するタイミングってなかったから、(今回の青切符制度は)自転車の環境をもう1回見つめ直す意味で、すごい大事だなと思っていて。
ただ、「うまくいってない」「ちゃんと伝わりきってないな」って思うこともたくさんある。SNSを見ていても感じますけど、罰金と反則金を混同しちゃってるケースとかね。
おかだ あっ、そこは僕も認識がけっこう怪しいかもしれないです。
家本 「罰金」というのは刑事処分なので、たとえば何か悪いことをしました、それで検察に起訴されて裁判が行われました、そこから法に則って罰金を払いなさいよというもの。対して今回の「反則金」っていうのは、クルマでも同じなんだけれど、「これで行政上の手続きを終わりにしちゃいますよ」というもの。つまり「裁判にはしません、反則金をちゃんと払ったらこれで終わりですよ」っていう手続きの話なの。だから刑事(処分)の話と行政手続きの話をごちゃ混ぜにしちゃってるなって感じがしていて。

家本 じゃあ今まではどうだったかって話をまた少しおさらいすると、もし自転車で悪質な道路交通法違反があったとき、本当に厳しい場合は、裁判になります。実際に裁判になったケースもあって、そこから有罪が確定、罰金ですってなったらこれは前科がついちゃうわけ。
おかだ 刑事罰、犯罪ってことですね。
家本 そう。だからこの前科がつくって話と、反則金の話は全然別なの。反則金は、前科がつくわけじゃないから。だって、クルマで速度違反しちゃった人とか、不停止でおまわりさんにピピッてされた人とか、これを聞いてる人の中にも絶対いると思うんだけど、別に前科になってないでしょ? 青切符っていうのは、行政手続きなんですよ。
人は変わるんだ!と実感した

家本 そんな中で、この1か月ぐらい東京の街を見てみて僕が感じるのは、車道に自転車が増えたなと! そう思いません?
おかだ めちゃめちゃ増えましたね! じつは僕も(4月になって)道路上の環境がどう変わったかを調べようと思って、ヘルメットにInsta360(アクションカメラ)をつけて走ってみたんですよ。秋葉原の周辺を。そしたらもう、今までは歩道を走っていたであろう電動アシスト自転車やママチャリがバンバン車道に出てきてるから、認識が変わったんだという印象が強くありますね。

家本 僕ね、これに気づいたとき、ちょっとハッとさせられて。人はこうやって行動が変わるんだなと。もちろん全員が全員じゃない、ひょっとしたら自転車の総量の100分の1ぐらいかもしれないけれども、行動が変わった人は間違いなくいるんだなと感じる。そしてもう1つ、ヘルメットをかぶってる人の数もちょっと増えたと思いませんか!?
おかだ それもありますね。中高生たちもみんなかぶってますし。
家本 本当にそう。ちょうど昨日、昨日ってのは収録日(4月中旬)の前日ってことなんだけど、とあるヘルメットメーカーさんから情報をいただいて。青切符のタイミングでめちゃくちゃヘルメットが出ましたと。青切符制度の施行とヘルメットの努力義務化のタイミングって違っていて、もう3年ぐらい時間差があるんだけど、今の青切符のタイミングでかなりの数のヘルメットが出てますと。

家本 こういうところからもね、「人は行動を変える」っていうのが自転車の世界で見えてきている気がして。何かが変わっていくなって思ってるんですよね。
取り締まり、5月にもうちょっと動きがありそう…?
おかだ 今回の青切符制度の施行で、みんなが自転車のルールやマナーを意識するきっかけにはなりましたよね。
家本 僕さ、いつもドキドキしながら見てるんだけど、おまわりさんがどうやって自転車で走ってるか気にならない?(笑)
おかだ いやらしい目線で(笑)
家本 いやまぁ大変いやらしいんだけれども、おまわりさんはこの4月より少し前から、だいぶ気をつけて自転車に乗っていらっしゃるなって感じるの。たとえば東京だったら、警視庁のロゴが入ってる白いヘルメットをかぶってるおまわりさん、きちんと走っていらっしゃるじゃないですか。もっと言うと、多少遠慮してというか、なんていうのかな、保守的に走ってる。走っていいかどうかわからないところは自転車を押してる場面とかを見るようになって。

家本 (取り締まりにおいても)たとえば不停止とか、無灯火とか、明らかに笛を吹けるものは自信をもって笛を吹かれると思うんだけれど、道交法で青切符の対象になるものを全て思い切って笛を吹けるのかっていうのがね。ただここは(現場の)おまわりさん1人で判断はしないから、必ず上から通達が来てるはずで。こういう風に取り締まりをしましょうって通達が来てるはずなの。そしてこれからの5月ですよ、自転車月間。このタイミングで何かもうちょっと動きがあるんじゃないかな、なんて予想をしてますね。
おかだ 最近も春の全国交通安全運動とかでね、クルマの方もピリピリしたりなんかして。
家本 本当にそう。まぁとにかく、こうやってみんなが意識を持つことはすごくいいと思ってるんだけど、それでもちょっとまだ怖いのは「クルマの追い抜き」ね。うちの妻からも言われたりしたんだけど、狭い道路を自転車で走ってて、後ろからクルマに抜かれるっていう状況。

家本 具体的な距離のメートル数には至らなかったけれど、車が追い抜くときのルールは、ある程度確立されたじゃないですか。だけどクルマ側の雰囲気はそう変わらない。一部ね、たとえばバスが細い道路で自転車の後ろをじりじり走ってる姿なんかは見たりするけどね。オレンジ色のラインを走ってると追い抜けないですから。でも一般のクルマが大きく変わったかと言うと、まだ変わってないなと思っていて。このへんの取り締まりの流れがどうなるかも注目していきたい。
おかだ そうですね。警察の立場からしても、先ほど話題にあがったように(現場の運用が)まだ煮詰まりきってないところってあると思いますし。
家本 一方で、少しニュースにもなっていたけど、青切符の詐欺事件*もあったりしてね。こんな詐欺を考えるんだなって思ったけど。今はみんな反則金がどうのこうのって、お金でビクビクしちゃってるかもしれないんだけど、今一度、ルール自体を見直す機会にしたいなと思うんだよね。
*) 警察官をかたり、交通違反の取り締まりと称して自転車の運転者にお金を支払わせる詐欺事案
「自転車ルールを学ぶ場」がビジネスチャンスに?
家本 ルールを見直すといえばね、昨日ちょうどおもしろい連絡があって。知り合いのお子さんがうちの自転車『wimo kids』って子ども用自転車を買ってくださっているんだけど。

家本 可愛らしいやつに乗っていただいている。北海道にお住まいなんだけど、春になって雪解けして、自転車で小学校に行けるようになりましたと。そしたらその学校では、自転車の安全講習を受けてからじゃないと自転車通学ができないんですって。
おかだ なるほど!
家本 東京だと自転車で通学する小学校自体がそもそもないから、北海道らしいなって思うんですけどね。そういう講習を1回ちゃんと経験することで、おそらくだけど、そのお子さんは自転車の交通ルール、最低限のことを意識できたんだろうなって。だからこれね、うちでなんかできないかなとも思っていて。全国の安全講習の受託ができないかな、おかだくんが楽しく話すとかね。

おかだ 僕がMCとしてね!
家本 なんかビジネスチャンスがあるんじゃないかな。
おかだ たしかに。似た例でいうと、デンマーク式自転車教室でしたっけ、数年前からよく聞くようになりましたね。あれはどっちかっていうと自転車の乗り方講習だから、乗れない子が乗れるようになりましょうねみたいな文脈ですけど、そういう感じでもっとカジュアルに楽しく学べる場所が用意されると、とくに今のタイミングで重宝されるんじゃないですかね。
家本 そうだね。難しい話をされて自転車に乗るのが窮屈だなと思われてしまったら、僕、マイナスだと思うんですよ。同じような例がいろんな学問の世界にあるけれど、ルールを厳しくしすぎることによって、結果的に健康を害するとか、環境にとってむしろマイナスになるとか、そういう事例がある。ヘルメットの話も同じで、シェアサイクルでヘルメット義務化した国で、外に出なくなってしまったことでむしろ健康にとってマイナスだったっていう調査もあったりする。だからって別にヘルメットをつけなきゃいいとか、そういう極端な話じゃなくて、プラスマイナスをちゃんと考えるってのが政策にとっては重要なことだから。まだ1か月しか経ってない青切符制度だけれど、じゃあ半年経って、1年経って、どんなふうに人が、行動が変わったのか、注目しておきたいんですよね。
おかだ たしかにそうですね。実際SNSでも見かけましたけど、趣味として自転車に乗っていた人たちが辞めてしまったり、乗る機会が減ってしまっていたり。あとは日常の足としてママチャリに乗ってた人たちが、ちょっとスーパーに行くのもクルマになっちゃった、とか。
家本 リスナーの中には自転車業界の方もいらっしゃるだろうから、ぜひ聞いてみたいんだけど、少なくともバイチャリとかwimoは、4月に入っても数字は(例年と)変わってないんですよ。例年どおり、ちゃんと伸びてる。ただね、ガシロン。自転車のライトの方ね。

家本 季節性があるから、3〜4月はAmazonのセールなんかと重なったりして比較的売り上げがあがりやすいんだけど、(この青切符のタイミングで)ライトが爆売れしてるかっていうと、さっきのヘルメットの話に反してそんなに変わってない。昨日の夜も僕、無灯火で走ってる自転車を見て、「いやいやいや、お兄ちゃん、ライトつけようよ」ってなったもの。次から、ガシロンのステッカー持って宣伝した方がいいかな。
おかだ 僕、自転車にステッカー貼ってますよ(笑)
家本 あ、ほんと? 嬉しい。そう、だから(青切符の施行で)無灯火がなくなったかって言われたら、そんなに変わっているわけじゃない。事故を減らす目的なら、おまわりさんも人が(違反に)はまりそうなところで待ち受けてピピってやるんじゃなくて、それこそ夜の時間もしっかり対応してもらうとかね。忙しくて手薄になる時間もあるかもしんないけど、それこそ暗闇で衝突するなんて最も避けたいことのひとつだから、無灯火対策は頑張ってくれないかなって思います。
おまわりさん、応援してるよ!

おかだ 取り締まりの目的っていうのも、もしかしたら、、、もしかしたらですけれども、安全のためじゃなくて、点数のために取り締まってるっていうメンタリティもね、あるかもしんない。
家本 んん〜〜〜、それが本当にあるのかどうかはよくわからないけれど、でもまぁ坊主で帰ってくるわけには多分いかないと思うんですよ。
おかだ もちろん無罪の人を有罪にするようなことはしないですけれども、目的がずれるっていう可能性はあり得るなとはちょっと思ったりします。
家本 そういったことも含めて、ちゃんと伝わるようになるといいよね。例えばクルマの取り締まりって、重点地区があらかじめ公開されてたりするじゃないですか。実際そこが危ない場所になってるから気をつけましょうって話なんだけど、それこそ(自転車だったら)無灯火を減らすとかね。日本から無灯火を減らすだけでどれぐらい事故が減るのかっていうのは、これまで何ら検証したことがないわけで。
おかだ そうなんですね。
家本 うん。もちろん(違反を)すべて潰していくとなると大変だし、そんなに簡単に人の行動変容って促せない。だからこそ重点的にできることがないかといったときに、「不停止」「逆走」「無灯火」、このあたりのキーワードから頑張ってほしいなって。僕は警察を応援してるような感じ。(自転車に)乗ってる人たちを守って、警察の人たちを非難するなんてつもりは一切なくって。地方の県警の方たちともお話をするけれど、やっぱりおまわりさんたちだっていきなり変わっていくので、そんなに簡単に変化についていけないわけですよ。どうしたらいいかって自分で判断できないこともたくさんある。だからね、もし現場のおまわりさんがこれを聞いていらっしゃるようだったら、そのおまわりさんにも僕はエールを送りたいですね。一緒に事故を減らしましょう、事故が起きる原因を減らしましょうって。
おかだ 大目的は事故を減らす、安全の確保に帰結するわけですからね。
家本 そう。たしかXだったと思うんだけど、「(青切符制度で)取り締まりが厳しくなる。そうすると、道路が安全にならなきゃいけないっていう声が増える。そこで道路の整備の予算がつきやすくなるってロジックじゃないか」みたいなことを言ってる人がいて。そういう見方もあるのかって面白かったんだけど、でもまぁ(関係者の人たちは)そこまで複雑には考えてなくて。いろんな道路関係の人たちとも話すけれども、みなさんちゃんと、本当に整備しようって思っていらっしゃる。ただ、国道なのか、例えば東京だったら都道なのかによって、管理者がすべて違うっていう難しさはあるから、時間はかかるだろうね。
自転車に乗る→道路が良くなる「循環」
家本 それから冒頭に話したように、ほんとに、ニューヨークとかシカゴの(自転車の)走りやすさは完璧だった。


おかだ そう聞くとめちゃめちゃ羨ましくなりますね。
家本 ひとつ面白いことを見つけて。シカゴのシェアサイクルはLyft(リフト)社の仕組みが入ってるんですけれど、これじつは役所からお金が出てるんじゃないんですよ。シェアサイクルの会社がシカゴ市にお金払ってるの。
おかだ そうなんですか!
家本 そう、ライセンス料。日本って逆に補助金が出るみたいなイメージじゃない? 公設民営で、役所が民間の事業者に対してお金出すみたいなね。僕はあんまりそういうのが好きじゃないから、(チャリチャリでも)お金はもらわないんだけど。

家本 シカゴ市は、ライセンス料を事業者に払わせる。「1台あたりいくら」「1回の利用あたりいくら」っていうのをシカゴ市に納めさせるようになっていて、しかも、このお金が明確に道路整備に当てられている。財源になってるわけ。しかもそれが結構な金額になるっていうね。
だから「循環」なの。なんかこう、ピピッって取り締まられて反則金が、みたいな話じゃなく、むしろ街の中での自転車の利用自体が、道路整備の財源になっていくと。これをね、シカゴで目の当たりにして、僕もうすっごい、我が意を得たり! こういうような循環モデルを作りたいなって思いました。
おかだ いやぁ、それが日本でも実現すると、めちゃくちゃ走りやすい環境が整いそうですね!
家本 でしょ。いっつも「財源どこだ!」って言われたりしてね。じつは道路を作るのには結構予算がつくんですよ。ただ自転車のためってなると、そう簡単に予算はつかないんです。自治体の人たちもみんな頑張ってるけど、予算がそんなにつかない。「ちょこっとしか整備されない」って皆さんよく文句を言われるけど、そうならざるを得ないんですよね。
そこで、財源をどう作るかを、自転車に乗ってる人たちで考えていけるといい。自転車税とかになると、なんかもう直接の目的税になっちゃうから僕は嫌なんだけど、そうじゃなくて、うまく循環するようになるといいなと。そこをシェアサイクルはもうちょっと関与すべきだなって、思いっきり、影響をビンビン受けて帰ってきました。アメリカでいい学びがあった。
おかだ やっぱり環境を変えるって仕組みもコストも必要になってくると思うんですけども、少しずつでも自転車に優しい環境が整っていくといいなって、僕自身もいちユーザーとして思いますね。
まだまだ話し足りない! ご意見ご感想、お待ちしています!

家本 しかし今日はなんかちょっとおかだくんのパワーが少し足りない気が。今日、自転車乗った?
おかだ 今日はまだ乗ってないですね。
家本 だから元気がないんじゃないの(笑) おかだくんのパワーもこの番組にインプットしてほしいな。
おかだ そうですね、ちょっとカマトトぶりましたね(笑)
家本 (笑) 次回はリスナーさんからのご質問とかコメントを交えてお話していきたいなと思っています。次回もまたよろしくお願いします!
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