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ROAD BIKE

ロードバイクの機械式変速、じつは良いとこだらけ!Di2に全然負けてないこれだけの理由

電動変速の波が押し寄せ中だが……

ハンドルのシフターを動かすと、ディレーラーがチェーンを動かして変速する

なんでもかんでも電動化の昨今です。今や生活していると電気の力で動くものばかり。「トイレのフタくらい自分で開けるよ……」と言いたくもなります。そんな中、ロードバイクにも電動化の波が押し寄せました。電動変速です。

ロードバイクのコンポーネント(以下、コンポ)に関しては、油圧ディスクブレーキと機械式変速が構造的に相性が悪い*ということもあり、ディスクブレーキ化に伴って変速システムの電動化が一気に進みました。

*) 変速機構と油圧シリンダーをレバーの中に収めないといけないので、レバーが大きく重くなる

機械式変速はエントリー~ミドルグレードの一部に残るのみで、今や完全に電動変速が主流です。今後、さらに電動化が進むのでしょう。

そもそも機械式変速とは? 電動変速と何が違う?

チェーンを移動させてギアを変える『ディレーラー(変速機)』をどう動かすか

そもそも機械式と電動では何が違うのか。機械式は人の手の力を使って変速を作動させるのに対し、電動はモーターの力で動かす、というのが大きな違いです。

レバーを押し込んで操作する機械式変速(左)と、スイッチをクリックして操作する電動変速(右)

機械式変速は、変速レバーと前後ディレーラーがケーブルでつながっており、手の力でケーブルをぐいと引っ張ってディレーラーを動かします。原始的っちゃ原始的。変速レバーには“カチカチ”と止まるラチェット機構があり、ケーブルの引き量が調整され、その結果ディレーラーの位置が決まります。

一方、電動変速はモーターの力でディレーラーを動かします。レバー部にあるのはスイッチだけ。例えば「リアディレーラーを1段シフトアップする」ときは、レバーのスイッチを一回ポチッと押せば、リアディレーラーに内蔵されたモーターがウイッと動いてディレーラーを動かします。

スイッチをポチッと押すだけの電動変速

確かに電動変速にはメリットがたくさんあります。機械式変速は、変速操作をするのにレバーを大きく動かす必要がありますが、電動変速ならボタンを押すだけなので操作が楽でカンタンです。設定で各スイッチの役割を変更したり、スイッチを増設したり、半自動変速をさせたり……などは、電動にしかできない芸当です。

割り当て設定で自分好みにカスタマイズできることも電動ならでは

ケーブルの取り回しが変速性能に影響しないことや、ケーブルの劣化がない(交換が必要ない)こと、無線式であれば組付けが簡単なことも大きなメリットです。また、機械式変速ではケーブルやアウターの馴染みが変速性能に影響して微調整が必要になりますが、電動であれば一度組み付けてしまえば調整は必要ありません。

変速システムとしてはいいことだらけのように思える電動変速。それでも僕は、機械式変速が大好きなんです。

やすいは機械式変速が大好き!その理由とは?

最新の無線電動コンポも使っている僕ですが、機械式変速を手放すつもりはまったくありません。今回は、その理由をお伝えするとともに「機械式変速にしかない素晴らしい魅力」を改めて確認してみます。

ただし、これは機械としての良しあしの話ではなく「どんな環境で使うか」「自転車に何を求めるか」によって変わってくる「目的・好み・趣味嗜好」の話なので、そこを踏まえて読んでくださいね。

機械式変速の魅力①「操作する」快感!

機械式変速機の魅力その1は、「変速フィール」です。電動変速がマウスのクリックのような「ただスイッチを押すだけ」なのに対して、機械式変速はレバーを倒してケーブルを引っ張ってディレーラーを動かします。だから「機械を動かしている」という生々しい感覚があります。その「機械を操作する」というフィーリングは、機械を操作する快感につながります。

この「変速する楽しみ」は機械式変速ならではのもの。

イベントで試したコーダーブルームのストラウスレース3。機械式コンポ搭載モデルだ

コーナー手前で減速しながら、カンッ、カンッ、カンッとリズミカルにシフトダウンし、クルッと曲がって出口を向いたらペダルに再びトルクを与えながら、カーンカーンカーンとシフトアップしながら加速していく── そういうダイナミックかつ人車一体感のある一連の動作は、まさに機械式変速でしか味わえない快感だと思います。

機械式変速の魅力②自転車と「対話する」感覚がある!

現行ではなくなってしまったシマノの最高峰グレード「デュラエース」の機械式コンポ

魅力その2は、「機械との対話ができるようになる」こと。その1と関連してくるところですが、電動変速はただスイッチを押すだけ。いわば「変速しろ」という「命令/指令」です。人間と自転車が「主従の関係」であるといえます(あくまで感覚的な話ですが)。

しかし機械式変速は、レバーを引くタイミング、スピード、指先の微妙な調整によってディレーラーの動きが変わります。変速操作を工夫することで、音もなく変速ショックもないウルトラスムーズな変速ができたりします。逆に、雑な操作をするとガリガリガッチャンと荒っぽい変速になります。だから自然と「機械を気遣う」ことができるようになり、「上手い操作」ができるようになり、機械に優しい走りができるようになります。いわば「対等の関係」ですね。それは、変速操作に限らず「機械を上手く操作する」ことにつながると思います。

変速性能に劣るサードパーティーのパーツ(クランクやスプロケ)などを使っているときには、「このパーツは変速が苦手だから優しく操作しよう」といたわることができることもメリットだと思います。電動はそういう融通がききません。

機械式変速の魅力③動作の原理が「見える」!

どこがどう繋がっていて、どのように動くのか、視覚的に認識できる機械式変速

その3は、機械の動作の原理が目に見えること。例えばケーブルが切れても、「ここで切れた」「何が原因で動かないのか」が分かるので、トラブルに対処しやすいこと。ある程度のメンテナンスができる方であれば、出先でトラブっても直せる可能性が高くなります。電動変速は何が原因で動かなくなったのかすぐには判断できません。

「充電忘れがない」のも大きなメリット。同グレードであれば機械式のほうが安いという点も見逃せない

機械式変速コンポ搭載のロードバイクおすすめ4台

機械式変速の魅力をじっくり味わったところで、ここからは機械式コンポを搭載したおすすめロードバイクを紹介します。

一口に機械式変速といっても、メーカーや年代によって特徴があります。それぞれに個性があり、機械式ならではの変速の楽しさを味わえるモデルを4台ピックアップしました。

トレック・エモンダALR(2019−2020年モデル)

TREK 「トレック」 EMONDA ALR5 2019-2020年モデル ロードバイク / 阪急塚口店

アルミフレームとしては非常に完成度が高いトレックのエモンダALR。変速系統はシマノ・105ですが、機械式コンポとしては完成されている世代のもの。クリスピーな変速フィールと、シャープなアルミフレームの走りは相性がいいと思います。

販売価格:税込106,000円(新品参考価格:189,200円)
サイズ(適応身長目安)50cm(約161-166cm)
フレーム素材アルミ
メインコンポーネントシマノ・105
重量約8.8kg

>> TREK 「トレック」 EMONDA ALR5 2019-2020年モデル ロードバイク / 阪急塚口店

ナイナー・RLT9(2015年モデル)

NINER 「ナイナー」 RLT9 ALLOY 2015年モデル ロードバイク / 有明ガーデン店

本稿にも書いたとおり、機械式変速と油圧ディスクブレーキの相性はよくありません。レバーがどうしても重く、太くなってしまうためです。

じゃあディスクブレーキを機械式変速で楽しむことはできないのか。解決策はあります。このナイナーのように「機械式ディスクブレーキ」を使うんです。そうすれば機械式変速レバーのまま、ディスクブレーキを使うことができます。

筆者はグラベルロードを2台とも「機械式変速×機械式ディスクブレーキ」で組んでいます。

販売価格:税込120,000円(新品参考価格 ※フレームのみ:159,840円)
サイズ(適応身長目安)53cm(約165-175cm)
フレーム素材アルミ
メインコンポーネントシマノ・アルテグラ
重量約10.2kg

>> NINER 「ナイナー」 RLT9 ALLOY 2015年モデル ロードバイク / 有明ガーデン店

デローザ・メラク アルミニオ

DE ROSA 「デローザ」 MERAK ALLUMINIO DEDAcciai CARBON 年式不明 ロードバイク / 阪急塚口店

「おお、デュラエースの25周年!」と思わず反応してしまいました。9速時代の7700系は、筆者が初めて手にしたデュラエース。今の基準でも変速フィールはかっちりしており、レベルが高いと思います。

このデローザに装着されているのは、1998年に発売されたデュラエース生誕25周年を記念したスペシャルモデルで、もちろん限定品でシリアルナンバー入り。通常モデルとは違って徹底的に磨きこまれ、「25」の文字が刻まれています。

さすがにこの時代のコンポとなると消耗品などが入手しづらく常用はややハードルが高いですが、それを踏まえても欲しくなります。

販売価格:税込175,000円(新品参考価格:ー円)
サイズ(適応身長目安)ー(約175-185cm)
フレーム素材カーボン
メインコンポーネントシマノ・デュラエース(7700 25th Anniversary)
重量約8.6kg

>> DE ROSA 「デローザ」 MERAK ALLUMINIO DEDAcciai CARBON 年式不明 ロードバイク / 阪急塚口店

ルック・695 ライト(2016年モデル)

LOOK 「ルック」 695 LIGHT 2016年モデル ロードバイク / 阪急塚口店

機械式コンポといえば外せないのがカンパニョーロです。シマノともスラムとも違う独特の操作系が魅力で、節度感のある親指レバーをガッ!ガッ!と押しながら加速していくフィーリングは何物にも代えがたい気持ちよさがあります。

このルックに付いている11速時代のスーパーレコードは、筆者が最も好きなコンポの一つです。

販売価格:税込291,000円(新品参考価格:ー円)
サイズ(適応身長目安)XS(160-167cm)
フレーム素材アルミ
メインコンポーネントカンパニョーロ・スーパーレコード
重量約6.3kg

>> LOOK 「ルック」 695 LIGHT 2016年モデル ロードバイク / 阪急塚口店

自転車がもっと楽しくなる「機械式変速」

ロードバイクのコンポーネントの主流は電動変速になりつつあります。ミドルグレードまで電動変速システムになり、「電動コンポじゃないといけないの?」と不安に感じている人もいるかと思いますが、断じてそんなことはありません!

今回お伝えしたように、機械式変速にはメリットがたくさんあります。「安い」とか「トラブルに対処しやすい」などの実利的なメリットだけでなく、「自転車に乗るのがさらに楽しくなるコンポ」「自転車乗りとして成長させてくれるコンポ」でもある。もっと楽しく、もっと上手く乗りたいと思うなら、積極的に「機械式変速」を選んでいってほしいですね。

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