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HOW TO

ありえないほど固いネジが回せて泣いた話

「こんなに固いことある?」

びっくりするほど固い固着ネジと対峙して、最終的には回せたという話です。ただそれだけの話なんですが、きっと今もこの星のどこかで、ネジが固すぎて回せなくて困って泣いている人がいる……。とくに、最後の方法はぜひ試してみてほしいです!

始まりは電動アシストミニベロのハンドル交換

画像出典:Panasonic

こんにちは。buychari JOURNAL編集部の 市 奈穂(いちなほ)です。ふだんは愛するクロモリロードバイクで近隣をサイクリングしたり、キャンプツーリングに出かけたりと、ポンコツながらスポーツ自転車ライフを楽しんでいる私。ただ、毎日の買い物や、ちょっとした移動に使える電動アシスト自転車がほしい! スポーツタイプのE-バイクを選びたくなるところですが、玄関前に置いて半屋外保管になるので、あまりに「イイヤツ」はちょっと避けたい。それに、漕ぎ出しがパワフルな日本ブランドのセンターモータータイプが今回の用途には必須。というわけで、選ばれたのはパナソニックのオフタイムでした。

>> パナソニックのミニベロ電アシならオフタイムやEZがおすすめ!

ちょっと普通すぎるルックスを自分好みにしたくて、ハンドル周りをアレンジすることにしました。ラクに乗りたいのに、意外と前傾になるポジションも気になるし。

画像出典:beam(東京サンエス、左)cannondale(右)

手前にグッと湾曲したプロムナードハンドルと、キャノンデールのサイケなグリップに変更します。

この手の交換はワイヤーの長さがキモですが、ギリギリなんとかなりそうです。ワイヤーがそのままでいいなら、ハンドル交換は何度もやってるし、今回もサクッと変えちゃおう。楽しみだな!

ハンドル外すぞ〜! って、ネジがビクともしないが!!?

初手で詰みました。ステムのクランプ部分のネジが全然動きません。このオフタイム、新品で買ったんですけど、こんなにネジが固いことってあるの? どうやらこのシルバーカラーはけっこう前のモデルだったみたいで、長く店頭に置かれていたのかもしれないですね。

でもまぁ、こんなのネットの集合知ですぐ解決ですよ。Web記事やX、YouTubeに「外れないネジを簡単に外す方法◯選」的なコンテンツがあふれてますから。ネジが奥に入っているタイプで、ネジ穴がナメたら完全終了っぽいので、そこだけ注意してサクッと回してやりましょう。

工具なんてぜんぜん持っていません。自転車用といったら携帯工具の六角レンチぐらい。家中を探し回って、クルマ用の工具セットみたいなものを発見。

今日この場で解決したいから、こいつでなんとかするしかない……!

①精度の高い工具を使う、長い柄のレンチで回す

ちなみに私は女性なんですが、腕力は割とゴリラなのでけっこう自信があるんですよね、こういう系。ビンのフタが回せないとかない。

最初はすぐ回せると思っていたので「携帯工具の六角レンチ」を使ってみたのですが、まぁ回らない。なんだかうまく力も入らないし。

そこで試してみたのは、レンチの柄を長くして、力を伝えやすくするという方法。でも長い柄のレンチなんて持っていないんだよなぁ。探して見つけたのは、いわゆる六角レンチセット。

柄の長さはちょこっと長いくらいですが、この「工具セットに入っていた六角レンチ」はかなりしっかりしている! 思いっきり力を入れられる!

それでもビクともしないな……!

あまりに回せないので、回す方向が間違ってるんじゃないかと不安になります。でも、あっています。普通のネジなので、反時計回りです。こっちです。

②浸透性潤滑剤を使う

お次に試してみたのは、あらゆるネジ外しコンテンツがおすすめする「浸透性潤滑剤」とかいうもの。そんなの持ってないわって思っていたら、家にKURE5-56がありました。ラッキー!

ポイントは「時間を置く」こと。しっかりと浸透させる時間が必要なんですね。

ネジの隙間に潤滑剤がジワジワと浸透していき、ネジがゆるんでいくイメージがくっきりと頭に浮かびます。雰囲気的には、ここでもうクリアだなと思いました。だって潤滑剤をしっかり浸透させてるわけですよ。そんなん回るでしょうよ。

30分置いた

回りませんでした。

③叩く ※要注意

続いて試したのが、調べたら出てきた「叩く」。こういうメンテナンスに詳しい人からしたら当たり前なのかもしれないですが、「え、叩くって何? ヤケクソなのかな?」って思いました。

叩いたら回る、ってどういうことよ。でも「ネジに打撃を与えれば回ります」っていろんな人が言っています。

どうやらネジの固着部分に振動が伝わり、サビやら異物やらが動くらしい。打撃で接触面の圧力がわずかに変化し、緩みやすくなるとも。

大きな力を瞬間的に加えるのがカギなんですね。なるほど。

思いっきり叩いてやりましたよ。

普通の人ならちょっと躊躇しそうなところを、力いっぱい叩きました。たしかにこれだけの力で叩いたら回りそうだなと思いました。

回りませんでした。

④潤滑剤&叩く(③+④あわせ技)

この段階でKURE5-56を使ってから叩いているので、すでに実践済みのような気がしましたが、今一度「③潤滑剤」と「④叩く」のあわせ技をやってみることにしました。

「浸透性潤滑剤をしっかり浸透させてから叩くとかなりの確率で回るよ」という情報を目にしたので。

KURE5-56を吹き付けて

叩くッッ!!!

回りませんでした。

⑤メガネレンチを使う(テコの原理)

もう半分諦めてました。こういう整備作業がうまくいかないときって、なんであんなに体力使うんですかね、汗だくです。

最後に見たやつが、この「メガネレンチなど穴の空いた工具を組み合わせて力を入れる」というものなんですが、半信半疑でした。こんなの最初の「柄が長い六角レンチを使う」のと変わらないでしょ、と。そんなんで回せたらこれまでの苦労はなんだったんだと。

回りました。

回ったんです!!!! もしかしたら前工程の③や④があってのことかもしれないですが、回せたんです。

あのガクッとネジが動く感覚、わかりますよね。「えっ?」って声出ました。

実際にはこの方向でした

こういうこと。なんというシンプルさ。家にあるものでできた。ありがとう。

ここのネジさえ回ってしまえばあとはせっせとパーツを付け替えるだけ。なんてラクな作業なんだ。

無事にハンドルを交換できてホクホク。

じっくりやれるなら試してほしいこと

我慢のきかない性格なので、思い立ったらその日に、その場で完遂したい。今回調べる中で、アレやコレがあればもしかしたらもっとカンタンに回せたのかも?というアイテムがあったので、最後に記しておきます。

  • 精度の高い良い工具を準備する
    • 今回のメガネレンチ使用の方法と効果が同じかは検証していませんが、柄の長い六角レンチがあればもしかしたらもっと早く解決していた可能性はあります。100均で売られているようなレンチセットでなく、工具メーカーのしっかりしたツールがおすすめ。整備にはちゃんとした工具を使うべし!
  • 浸透性潤滑剤
    • 私が使ったのは「KURE5-56」ですが、ほかにもワコーズの「ラスペネ」も有名のようです。浸透力が高いから奥までしっかり染み込むのだとか
  • 冷却浸透剤
    • 冷却剤でネジを急激に冷却し、瞬間的にネジを収縮させることでわずかな隙間を発生させる、というもの。サビついて固着している場合にはとくに効果が高いそう
  • 潤滑剤を塗布→半日置く
    • 私は当日になんとかしたかったのですが、「潤滑剤を吹く→時間を置く」という手順を3〜5回ほど繰り返し、さらに半日ほど放置するのが良いようです。たしかに30分と半日で浸透具合は違いそうですね

ネジが回せなかったら試してみて

今回は⑤のメガネレンチを使ったテコの原理スタイルで解決しました。きっとそれまでの試行錯誤も功を奏したのだろうとも思います。

文字に起こしてみると、大したことやってないな……という気もしましたが、実際はすごく大変だったんです!

ほんとに動かないから、解決する気配がない。あらゆる方向から力いっぱい回してみるけど、本当に動かない。溜まる疲労とつのるイラ立ち。何も変わらない状況、進まない作業。固着ネジと相対するとき、大事なのは時間と心の余裕なのかもしれません。

まぁでも、何かやらないと一生ネジは動きませんから!(ただし③「叩く」はスキップしてもいいかも。怪我や破損の危険性が十分にありえます)この記事が、どこかで困っている誰かの助けになりますように。

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