ロードバイクとクロスバイク、どちらを選ぶべきか迷っている方に向けて、両方にがっつり乗ってきた筆者が、実体験を交えながら違いを徹底解説します。
「ハンドルの形状」「タイヤの太さ」「重量」「ギア」「価格」などの視点から比較し、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく整理。さらに、「どんな人におすすめなのか?」についても具体的に解説していきます。
ロードバイクかクロスバイクか、あなたにピッタリの一台を選ぶための参考にしてください!
ロードバイクとクロスバイクの違い

スポーティで爽快な走りを楽しめるロードバイクとクロスバイク。同じスポーツサイクルですが、「速く遠くへ走りたいならロードバイク」「街乗りならクロスバイク」とよく言われます。それってつまりどういうことなのでしょうか?
シンプルに特徴をまとめてみます。
- ロードバイク:下側にぐるっと曲がったハンドルで、車体は軽量。空気抵抗を抑えて「速く走る」ことに特化した自転車
- クロスバイク:フラットハンドルで乗車姿勢が比較的ラク。快適さを重視しつつ、スポーティな走行感が味わえる自転車
似ているようでじつは全然違うこの2つの自転車をさらに掘り下げていきましょう。
違いその1. ハンドルの形状

ロードバイクの「ドロップハンドル」は、手を置く位置が前方にあるため、自然と前傾姿勢が深くなります。これにより、空気抵抗が抑えられ、スピードを出しやすくなります。また、ブラケット(ブレーキレバーの根元)や下ハンドルなど、手を置く場所が複数あり、乗車姿勢を柔軟に調整できる点もメリットです。

一方、クロスバイクのハンドルは一直線の「フラットバーハンドル」。手を置く場所は基本的にグリップのみですが、前傾姿勢が緩やかで、リラックスした姿勢で乗車できます。ロードバイクだと前傾姿勢が深すぎて戸惑う人も多いですが、クロスバイクなら普段の自転車に近い感覚で操作できるでしょう。
違いその2. タイヤ

かつてロードバイクのタイヤといえば、23~28Cと細めのタイヤが一般的でした。
しかし近年では、ディスクブレーキの普及やグラベルロードの流行、そしてエンデュランス志向(長距離を快適に走ること)の高まりによって、30C以上の太いタイヤを履くロードバイクも少なくありません。その結果、ロードバイクとクロスバイクのタイヤの太さの差は、ほとんどなくなってきているのが現状です。
ー 近年のタイヤの太さのトレンド ー
- ロードバイク:25C~32C(グラベルロードでは40C以上も)
- クロスバイク:28C~35C

ただし、クロスバイクは快適性を重視し、グリップ力の高い溝ありのタイヤを採用していることが多いです。一方で、スピードを追求したピュアなロードバイクは、軽量で転がり抵抗を最小限に抑えた溝なしのスリックタイヤを履くことが一般的。
そのため、タイヤの太さは近づいてきたものの、用途に応じたタイヤの性質の違いは依然として残っています。
違いその3. 重量
ロードバイクは競技志向が強く、フレームやコンポーネントに軽量な素材(カーボンや軽量アルミ)を多用しています。特にハイエンドモデルでは6kg台の超軽量バイクも登場し、ロードバイクの軽量化は極限まで進んでいます。エントリーモデルのアルミフレームですら、9~10kg程度に収まることがほとんどです。
一方、クロスバイクは街乗りや通勤・通学、ツーリング向けに設計されており、一般的なクロスバイクは10~13kg程度。フェンダー(泥除け)やキャリアを取り付ける前提のモデルも多く、実際に街乗り仕様にすると、プラス500g~1kg程度の重量増になることもあります。
違いその4. 変速の段数とギア比

クロスバイクの変速は、フロント3段 × リア7~9段(21~27段変速)が一般的。トップギア(重いギア)はスピードを出しやすく、ローギア(軽いギア)は激坂でも楽に漕げるよう設計されているため、平地から急こう配まで幅広い場面に対応できます。

ロードバイクは速く走ることを重視しており、フロントのギアは2段が基本。軽いギアは少ないものの、高速域でペダルが空転しないようにトップギアのギア比が大きく、一漕ぎでより遠くまで進める設計になっています。
わかりやすくまとめると、クロスバイクは「非常に軽いギアまであり、急な坂でも楽にペダルを回せるが、最高速はロードほど伸びない」。ロードバイクは、「高速巡航に向いており、重いギアを踏める設計。一方で、全体のギアレンジはクロスバイクより狭め」ということになります。ただし、車体の軽さと最適化されたギア比により、峠を上り続けるヒルクライムなどはロードバイクのほうが有利です。
違いその5. 価格帯
ロードバイクは、より速く走ることを追求し、軽量化や高剛性のフレーム、精度の高いパーツが採用されるため、どうしても価格が高くなりがち。特に、カーボンフレームや上位グレードのコンポーネントを搭載したハイエンドモデルでは、100万円を超えるものも珍しくなく、エントリーモデルでも15万円前後が相場です。
対して、クロスバイクは日常使いを想定し、扱いやすさやコストパフォーマンスを重視した設計になっています。パーツのグレードは必要十分な性能に抑えられ、10万円以下のモデルが中心。スポーツ自転車を気軽に始めたい人に適しています。
とはいえ、クロスバイクがロードバイクよりも安いからといって、スポーティーな走りができないわけでは決してありません。シティサイクル(ママチャリ)と比べれば、その走行性能の違いは歴然。「スポーツ自転車の醍醐味」を味わうには十分な性能を有しています。
筆者が初めてクロスバイクを購入したのは10年以上前なのですが、最初の長距離ライドに出たときの感動は今でもハッキリと覚えています。「スポーツ自転車ってこんなにも速いのか……こんなにも楽しいのか……!」と。あれは衝撃でしたね。
ハンドルやコンポ、タイヤを変えればクロスバイクもロードバイクになる?
ロードバイクとクロスバイクの違いはパーツや素材だけではありません。それぞれ設計思想の違いから、フレームジオメトリそのものが異なっています。クロスバイクは直進安定性と快適性を重視、ロードバイクは反応性とスピードを重視。たとえばホイールベースひとつとっても、クロスバイクの方が長めになっていたりします。
どんなにパーツを変えても “走りの芯” そのものは変わらないのです。
ロードバイクとクロスバイク、結局どっちがおすすめ?

「長距離を走りたいならロードバイク」と言われることが多いですが、僕は「本当にそうかな?」と感じています。
目的地に早く到達できるのは、もちろんロードバイク。ただ、だからといってクロスバイクが長距離を走れないわけではありません。むしろ、乗車姿勢が楽で、サドルもクッション性の高いものが多いため、長い時間を走るならクロスバイクのほうが体への負担が少ないとすら思います。(フラットバーハンドルは持つところがひとつなので、長時間乗ると手首が痛くなることはありますが)
実際、僕は8万円くらいの「普通の」クロスバイクに、大量のキャンプ道具を積み、1週間毎日100~150km走るツーリングを何度も経験しています。それでも問題なく走れましたし、むしろ快適でした。
つまり、「長距離を走れるかどうか」で悩む必要はありません。どちらでも長距離は走れるからです。 それを踏まえたうえで、それぞれがどんな人に向いているのか見ていきましょう。
ロードバイクはこんな人におすすめ
- とにかく速く走りたい
- ロードバイクという乗り物に憧れている
とにかく速く走りたいなら、ロードバイク一択です。クロスバイクも十分に速いですが、車体の設計上、「速く走ること」に関してはロードバイクに軍配が上がります。

あとは、ロードバイクという乗り物に憧れている人。ドロップハンドル、前傾姿勢、あの速そうなフォルム、レーシーなスタイル。それがあなたの心を掴んで離さないなら、その欲はもうロードバイクを所有することでしか満たせません。理屈は抜きにして、ロードバイクに乗って幸せになってください!
クロスバイクはこんな人におすすめ
- お手軽にスポーツ自転車の醍醐味を味わいたい
- カッコイイ自転車に楽な姿勢で乗りたい
- 通勤や通学など、普段使いにスポーツ自転車を使いたい
リーズナブルにスポーツ自転車の醍醐味を味わいたいなら、クロスバイクがおすすめ。ロードバイクには敵わないものの、車体の軽さ、変速段数の多さ、タイヤの細さなど、シティサイクルとは比べ物にならないほどの軽快な走りを楽しめます。

また、通勤や通学でスポーツ自転車を使いたい人にもクロスバイクは最適。拡張性が高く、泥除けやスタンド、カゴなどを装備できるため、週末のサイクリング以外でも実用的です。
さらに、ロードバイクのように深い前傾姿勢を取る必要がないので、スーツや制服を着ている場合でも、生地が突っ張って動きにくくなる不快感も最小限に抑えられます。
僕は片道10kmを2年間、ほぼ毎日スーツで自転車通勤していましたが、ロードバイクはあわなかったんですよね……。前傾姿勢はきついし、リュックを背負うのも疲れるし…。途中からカゴ付きのクロスバイクに切り替えたところ、一気に快適になったという経験があります。
今、ロードバイクやクロスバイクを買うなら「中古」がお得!
昨今、スポーツ自転車業界では値上げが続いています。
背景には、原材料費の高騰や物流コストの増加があり、それに加えて各メーカーが製品の付加価値を高めていることも、要因の一因となっています。メーカーの努力によって一部値下げされているモデルもありますが、全体的には値上げトレンドが続いているのが現状です。
そこで、おすすめなのが「中古のスポーツ自転車」。中古品なら新車よりも圧倒的に安く購入できる上、気兼ねなく乗り倒せるというメリットも。
新車価格が軒並み上昇している今、ロードバイクやクロスバイクを中古で探すのは非常に賢い選択肢です。「バイチャリ」などの信頼できるリユース専門店で探せば、中古品への不安もクリア!
思いがけない掘り出し物に出合えるかもしれませんよ。
ジャイアント:エスケープ R DISC(2022年)

クロスバイク界の定番中の定番。ジャイアント「ESCAPE(エスケープ)」シリーズのディスクブレーキモデル。ディスクブレーキとは、簡単に説明すると、軽い力でしっかり止まるブレーキのことです。一般的な「リムブレーキ」よりも高い制動力を有しています。
正直、迷ったらこの「エスケープを買っておけば間違いない」と、自信をもっておすすめできるほどのクロスバイクです。唯一の欠点は、あまりにも人気すぎること。要は、ほかの人とめちゃくちゃ被ります(笑) ただ、それだけ間違いのない自転車だとも言い換えられますからね、安心感はバツグンですよ!
価格:税込49,500円(新品参考価格:83,600円 ) | |
サイズ | 適応身長:約170-185cm |
フレーム素材 | クロモリ |
メインコンポーネント | シマノ ソラ |
重量 | 約9.6kg |
>> GIANT 「ジャイアント」 ESCAPE R DISC 2022年モデル クロスバイク / 大阪美原北インター店
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トレック:FX3 DISC(2020年)

マットなブラックカラーに赤色のアクセントが魅力的なクロスバイク。トレックはアメリカのスポーツ自転車メーカーで、世界でもトップクラスのシェア率を誇ります。
そのトレックが手掛ける「FX3 DISC」は、通勤・通学、週末のロングライドまでこなせる万能なクロスバイク。コンポーネントには信頼の「シマノ製」をアッセンブルし、街乗りに便利なサイドスタンドも装備。さきほどのエスケープ同様、間違いのない1台です。
価格:税込66,000円(新品参考価格:90,200円 ) | |
サイズ | 適応身長:約165-175cm |
フレーム素材 | アルミ ※フロントフォークはカーボン |
メインコンポーネント | シマノ アセラ |
重量 | 約11.8kg |
>> TREK 「トレック」 FX3 DISC 2020年モデル クロスバイク/ 京都八幡店
ビアンキ:C-スポーツ1(2022年)

ビアンキの象徴ともいえる「チェレステカラー」をまとった、デザイン性の高い1台。タイヤはクロスバイクとしてはやや太めの38Cを採用しており、路面の凸凹も吸収しやすく、街乗りにぴったりのモデルです。
適応身長は約155〜165cm。チェレステカラーにビビッときた方や、小柄な方におすすめしたいクロスバイクです!
価格:税込55,000円(新品参考価格:88,000円 ) | |
サイズ | 適応身長:約155-165cm |
フレーム素材 | アルミ |
メインコンポーネント | シマノ ターニー |
重量 | 約11.1kg |
>> BIANCHI 「ビアンキ」 C-SPORT1 2022年モデル クロスバイク / AKIBA店
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おすすめロードバイク3選
キャノンデール:キャド オプティモ4(2022年)

ブラックとシルバーのシンプルなルックスが魅力的な1台。『キャド オプティモ4』は、アメリカの老舗ブランド・キャノンデールが展開するアルミロードバイクで、その重量は10kgを切る仕上がり。タイヤは細めの25Cを採用しており、舗装路での軽快な走りが期待できます。
バイチャリでの販売価格は、ロードバイクとしては破格の税込6万7000円。エントリーモデルとしてはもちろん、通勤・通学用のセカンドバイクとしてもねらい目な1台です。
価格:税込67,000円(新品参考価格:128,000円) | |
サイズ | 適応身長:約170-180cm |
フレーム素材 | アルミ |
メインコンポーネント | シマノ クラリス |
重量 | 約9.67kg |
>> CANNONDALE 「キャノンデール」 CAAD OPTIMO4 2022年モデル ロードバイク / 阪急塚口店
メリダ :スクルトゥーラ 400(2020年)

マットなブルーカラーが印象的でありながら、どこか上品さも感じさせるロードバイク。コンポーネントには上位グレードの「シマノ 105」を搭載し、フロントフォークには軽量かつ衝撃吸収性に優れた「カーボン素材」を採用しています。
また、ケーブル類をフレーム内部に通すことで、全体のシルエットもスッキリ。初めてのロードバイクとしては、申し分のないスペックを有している1台です。さすが、高コスパブランドのメリダ!
価格:税込114,000円(新品参考価格:209,000円) | |
サイズ | 適応身長:約160-170cm |
フレーム素材 | アルミ |
メインコンポーネント | シマノ 105 |
重量 | 約9.4kg |
>> MERIDA 「メリダ」 SCULTURA 400 2020年モデル ロードバイク / 阪急塚口店
スペシャライズド:アレー E5 エリート(2017年)

アメリカ発の世界的スポーツ自転車ブランド「スペシャライズド」が展開する、定番ロードバイクシリーズ「ALLEZ(アレー)」。その中でも当モデルは、エントリーモデルながらわずか8.6kgという軽量性を実現した1台です。
コンポーネントには、シマノのミドルグレード「ティアグラ」をアッセンブル。スペックを考えれば、この価格はかなりお値打ちといえそうです。プロも使う有名ブランドでコスパ重視のロードバイクを探している方にはピッタリ!
価格:税込85,000円(新品参考価格:ー) | |
サイズ | 適応身長:約168-175cm |
フレーム素材 | アルミ ※フロントフォークはカーボン |
メインコンポーネント | シマノ ティアグラ |
重量 | 約8.3kg |
>> SPECIALIZED 「スペシャライズド」 ALLEZ E5 ELITE 2017年モデル ロードバイク / 世田谷店
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ロードバイクもクロスバイクも「どんなふうに乗りたいか」で選ぶべし!

ロードバイクとクロスバイク、それぞれに違いがあり、それは「どちらが優れているか?」という話ではありません。
「どんなふうに乗りたいか?」が、自転車選びの一番のポイントです。
- 「とにかく速く走りたい!」ならロードバイク
- 「スポーツ自転車を気軽に楽しみたい!」ならクロスバイク
そして、「長距離を走るならロードバイク」という固定観念も、じつはそこまで絶対的なものではありません。クロスバイクでも十分に長距離ライドを楽しめるし、反対にロードバイクで街乗りをするのも全然アリです。
大事なのは、自分のスタイルに合った一台を選ぶこと。そして、最終的には他人の意見を気にせず、自分が本当に欲しいと思うものを選ぶこと。ロードバイクでもクロスバイクでも、スポーツ自転車に乗る楽しさは格別です。
なお、新車価格の高騰が続く中、「中古」という選択肢も一見の価値あり。もしかすると、理想の一台をお得に見つけられるかも!
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