こんにちは、現役メカニックの「ののむら」です! みなさん、自転車の変速機はどこのメーカーのものですか? この質問をすると、多くの人がSHIMANO(シマノ)と答えるのではないでしょうか。だってシマノは自転車コンポーネントの世界シェア率NO.1、私の持っている自転車も全部シマノです。
今回は、そんな世界的メーカーのシマノが新たに生み出した『CUES(キューズ)』に注目!
新進気鋭コンポーネントのCUESは、メカニック目線でもユーザー目線でも、とっても “柔軟なコンポ ” なんです。一体どこがスゴイのか、どんな人に向いているのか、わかりやすく解説していきます!
CUES(キューズ)とは?

CUESとは、シマノが2023年にリリースしたばかりの新しいコンポーネントシリーズです。
9〜11速を網羅し、従来の11速以下のグレードを一気にカバーする形です。ティアグラやソラ、クラリスといった既存のエントリーコンポをモデルチェンジさせたわけではなく、変速機の仕様から互換性まですべてが一新されたアーバンコンポというのがポイントです。
※アーバンコンポ…街乗りやシティライドに特化した自転車用コンポのこと。
アーバンコンポとして価格を抑えながらも、変速性能には一切の妥協がないのはさすがのシマノ。私は実際にCUES搭載のクロスバイクを1台組んでみて、シマノの本気を感じ取りましたね……!

ちなみに、発売当初はクロスバイクなどフラットバーのみの展開でしたが、STIレバーの登場でドロップハンドルにも対応するようになりました。CUESにドロップハンドル用が加わったことによって、ロードバイクメーカー各社のエントリーグレードのラインナップは生まれ変わりつつあります。
そんなCUESですが、ユーザーとしてやっぱり気になるのは「これまでのコンポと何が違うの? どう進化したの?」という部分ではないでしょうか。3つの「激アツポイント」にわけて説明していきます。
CUESのココがすごい!3つの激アツポイント

CUESでは3つのキーワードが開発のコンセプトになっています。
①シンプル:9〜11速でパーツを共通化!
②汎用性:クロスバイク・MTB・Eバイクまで幅広く対応!
③耐久性:従来より耐久性が3倍UP!
これらが1つのコンポに凝縮されたのがCUESです。ひとつずつチェックしていきましょう。
激アツ①「シンプル」共通パーツで互換性がハンパない!
まず1点目は、9〜11速がCUESとしてひとつにまとまり超シンプルになったということ。異なる変速段数でも使えるパーツがたくさんあるんです。なかでも驚いたのは、9〜11速のすべてが同じクランク、同じチェーンで動作するということ!

たとえばCUESの9速から11速にアップグレードしようとするときに、用意するのは11速のシフターと変速機だけ。クランク・チェーンはそのままでOKなんですね。(スプロケットの大きさによってはチェーン交換が必要な場合もありますが、同じチェーンを買えばOK)
これまでのコンポは、変速の段数が増えるほどクランクやスプロケットの歯が薄くなっていくので、チェーンの厚みも変速段数によってバラバラでした。この状況から、変速性能を維持したまま3つのグレードを共通化するなんて、シマノの技術力ってすごくないですか?!

とくにチェーンに関しては革命だと思っていて、以前からややこしかった部分が解消されました。というのも、チェーンまわりのメンテナンスには「10速チェーン問題」というものがあってですね……。これまでの10速チェーンは、現行のティアグラと互換性があるのはなぜかMTB用のものだったり、同じ10速なのに旧105や旧アルテグラのチェーンとは互換性がなかったりして、かなりややこしいんです。
ユーザーからしたらもう大混乱ですし、欲しいときに限って使えるチェーンがお店に置いてなかったりするんですよね〜。
それがCUESになれば、変速が何段になろうと、シンプルにCUESのチェーンならどれでもOK!というわけですね。ショップ側も、1種類だけ仕入れておけばいいので在庫確保もしやすくなりました。

クランクを9〜11速で使いまわせるのも嬉しいですね。クランクってコンポの中でも高額になるパーツですから。しかもCUESのクランクはBBの仕様に合わせて3種類も用意されているので、今あるフレームとBBのままポン付けできるものをちゃんと選べる。(クランク交換って場合によってはBBも変える必要があったりして、大変なんです)
今まで互換表とにらめっこしながら、交換パーツをひとつずつ調べていた日々はどこへって感じですよね。
このように、今までにない柔軟な互換性を持っているのがCUESが誇れるポイントなんです。すごいぞCUES!
激アツ②「汎用性」幅広い車種で使える!


画像出典:SHIMANO
発売当初はフラットハンドル用のみだったCUESですが、2025年1月にドロップハンドル対応のSTIレバーが登場して一気にカスタムの幅が広がりました!
クロスバイクはもちろん、ロードバイクにEバイク、MTBやミニベロまで使えて、逆に何なら組めないんだろうってくらいCUESに死角なし状態です。
これまでの「エントリーグレードコンポ」というと、ロードバイクなら「クラリス」「ソラ」「ティアグラ」、クロスバイクやMTBなら「アルタス」「アセラ」「アリビオ」と、種類がたくさん! エントリーグレード間でカスタムしようとすると、コンポ間の互換性を細かく調べる必要があったんですよね。とくに初心者にとって、変速段数をアップグレードするカスタムは大きな壁でした。
そこをCUSEは一本化! パーツの互換性を調べるまでもなく、カスタムが容易になりました。
製品数は少なく、でも取り付けられる自転車は幅広く。ユーザー・メカニック共にフレンドリーなコンポとして刷新されたということです。これは本当にありがたい! すごいぞCUES!(2回目)
激アツ③「耐久性」これまでより3倍長持ち!
自転車パーツがどんどん値上がりしていく昨今、消耗品を交換するたびに財布が泣いています。できれば、消耗品は長く大切に使いたいですよね。
この点もCUESはスゴイ。CUESが採用したテクノロジー「リンクグライド」に注目!

画像出典:SHIMANO
リンクグライドとは、より丈夫でスムーズになった変速テクノロジーのこと。スプロケットの歯の厚みや形状を見直すことで、従来のハイパーグライドと比較してなんと3倍もの耐久性を持ち、スプロケットとチェーンの摩耗を抑えた長持ちコンポになりました。

じつは私、CUESを初めて見たときに「歯が厚めだなー、コレ変速大丈夫なのかな?」なんていらぬ心配をしてしまいました。が、ご安心ください。めちゃめちゃ快適にスパスパ決まります。歯を厚くして耐久性をアップさせる一方で、ちゃんとチェーン移動の流れを再設計して変速のスムーズさも向上させているんです。
通勤や通学で毎日乗ったり、メッセンジャーやデリバリーの仕事でガンガン乗る人にとって、ドライブトレインのパーツ消耗って死活問題ですからね。さすがアーバンコンポというだけあって、耐久性はガッツリ向上させてきた! トルクが大きくてチェーンに負担がかかりがちなEバイクにもピッタリですね。
値段は抑えて耐久性はUPするって、さすがシマノ!
CUESにまつわる素朴なギモン集
ここからは、謎に包まれしCUESにまつわるアレコレに答えていきます!
「CUESってクロスバイク用コンポじゃないの? ロードバイクにも使える?」

もちろんロードバイクにも使えます!
前述したとおり、シマノは2024年にCUESに対応したSTIレバーもリリースしています。これによってCUESコンポでドロップハンドルの自転車が組めるようになりました。
ちなみにCUESは9〜11速をカバーするコンポですが、クラリスのように8速の自転車を組みたいときにはさらに下にESSA(エッサ)というコンポがあります。こちらもドロップハンドル対応なので、8速のロードバイクも問題なく組み上げることができます。
「105(11s)以下が全部CUESに置き換わるって本当?」

CUESは「9速から11速までを統合するコンポ」として発表されてはいるものの、2025年8月現在、105(11s)・ティアグラ・ソラ・クラリスも変わらずラインナップされています。
ここからは私の意見ですが、今後は105(11s)以下はCUESに置き換わるのではと予想しています。ライトユーザーはCUES、シリアスレーサーは105 12速以上となってくるのではないかと。
CUESに耐久性重視の「リンクグライド」が採用されたことは大きなニュースでしたが、ロード系上位コンポでは引き続き、軽さと変速性能重視の「ハイパーグライド」が使われています。これはつまり、スピード重視でレース機材として使う105(12s)以上と、軽さや変速性能よりもガンガン使える点を重視したCUES、という住み分けになってくるのではないかなと思うのです。
その方がユーザーもコンポを選びやすいですよね。お店としても、使い方にあわせた完成車を案内しやすくなります。
あくまで予想の域を出ませんが、現実的な未来だと思います。
「今、ティアグラやクラリスを使ってるけどCUESに交換できる?」

TREK 「トレック」 DOMANE AL2 DISC 2024年モデル ロードバイク / 福岡店
もちろん交換はOK! ですが、MIXはできないので注意です。幅広い自転車で組むことができるCUESですが、旧コンポと混ぜて使うことはできないと覚えておいてください。ここ超大事です!
ティアグラ、ソラ、クラリスはハイパーグライドという従来のテクノロジー製品で、CUESに採用されているリンクグライドとは一切互換がありません。とくにカセットスプロケットやリアディレーラーは構造が異なるため正常に動きません。スプロケットの歯の厚みも違えば、シフターの引き量も違いますからね。実際に、旧9速のレバーだけ壊れてしまった車体で試しにCUESのレバーを付けてみたことがあるのですが、ワイヤーの引き量が合わずに変速機がうまく動作しませんでした。
まるっとCUESに交換するのであれば問題なく移行は可能。CUES内の互換性は幅広いけど、CUES以外とは合わせられないよ〜というのをお忘れなく!
「油圧式ディスクブレーキは選べる?」
油圧式ブレーキもチョイスできます!
CUESでラインナップされるのは油圧ディスクブレーキと、機械式ディスクブレーキのふたつ。ドロップハンドルバー仕様とフラットバー仕様のどちらも油圧ディスクブレーキに対応したモデルが出ているので、それぞれハンドルに対応したものを選べばOK! ただし油圧ディスクブレーキは11速のみである点に注意が必要です。
CUESのグレード一覧
CUESのラインナップは全部で4つ。メイングレードが3つと、サブグレード1つです。
※U8000/U6000/U4000がメイングレードで、ロード用STIのみに品番が振られているU3000はU4000に含まれます。
①U8000…11速
最上位グレード。従来の105のように、リアは11速で、フロントはシングルとダブルから選べます。
(Di2仕様のU8050が追加投入され、フロントはシングルのみ、リアが10速もしくは11速の電動変速が可能になりました。ただし現状は、オートマチック変速システム「クオート」との組み合わせが前提となっています)
②U6000…10/11速
ミドルグレードにあたるU6000。11速のU8000をSTIで動かしたい場合は、このU6000から出ているSTIレバーを使います。(U8000にはSTI仕様がないため)
逆にU6000をSTIで動かすには、U3030-10のレバーが必要です。10速と11速どちらも対応し、パーツの末尾の数字(10 / 11)で判断します。
(U8000と同じくDi2仕様のU6050とU6070が登場し、フロントはシングルのみ、リアが10速もしくは11速の電動変速に対応しました。こちらも「クオート」との組み合わせが前提)
③U4000…9速
CUESのエントリーグレードがU4000です。ドロップハンドルでU4000を動かしたい場合は、U3000から出ている9速対応のSTIレバーを使います。
④U3000…9速/10速
U3000はサブグレード的扱いで、U6000の10速とU4000の9速をロードバイク化して動かす際のSTIのみの品番となっています。
※U3000はすべて機械式ディスクブレーキ仕様である点に注意! そのため、CUESで油圧ディスクブレーキのロードを組みたい場合は11速のU8000を選ぶしかありません。9・10速では機械式ディスクブレーキしか選べないので、油圧のディスクロードを組みたい方は間違わないように気を付けてください!
【一覧表】※右にスクロールできます
品番 | リア変速 | フロント変速 | ブレーキ | |
U8000 | 11速 | シングルorダブル | 油圧式 | |
U8050(Di2) | 10/11速 | シングルのみ | ||
U6000 | 10/11速 | シングルorダブル | 油圧式 | |
U6030 | 11速 | シングルorダブル | 油圧式 | ※STI仕様 |
U6070(Di2) | 11速 | シングルのみ | ||
U6050(Di2) | 10速 | シングルのみ | ||
U4000 | 9速 | シングルorダブル | 油圧式 | |
U3030-10 | 10速 | シングルorダブル | 機械式 | ※STI仕様 |
U3030-9 | 9速 | シングルorダブル | 機械式 | ※STI仕様 |
これだけラインナップがあると、油圧でもドロップハンドルでもどんなフレームが来ても組み立てられるぞ!というシマノの本気を感じますね。まさに究極のジャンルレスコンポ!
CUES、じつはもう中古市場にも…!?
CUESを搭載した完成車が続々と販売スタートし、すでにクロスバイクには新しい風が吹いています。これからエントリーロードにも搭載されてくるでしょうし、たくさん乗りたおす最初の一台には、耐久性重視のCUESがピッタリです。
すでに中古市場にもチラホラ見られるようになっていて、バイチャリ内にはこんな完成車が並んでいます。

トレックの大人気クロスバイクFXシリーズからCUES搭載車が登場!
シティユース用に考えられていて、チェーンリングには裾巻き込み防止のガードがついています。
フロントギアは40Tのシングルで、リアは11-41Tと街中を軽快に走れるギア比で構成されていますが、ギアの選択肢をロード寄りにしたい方はフロントダブルカスタムをしても面白そう! CUESだったらそんなカスタムもドンと来いですからね。

カスタムをしたいあなたにはパーツ単体で。コンポセットもチラホラ出てくるようになりました。
少しずつパーツを集めていって初めてのカスタムに挑戦してみるのもいいですね!

CUESコンポの自転車、これから選ぶのは全然アリ!

→ 動画を見る
アーバンコンポと呼ぶにはもったいないくらい、シマノの最新技術が盛り込まれたCUES。
初めて触ったときは堅牢さと変速性能の両立っぷりに驚いたのを覚えています。
CUESの新技術がすごすぎて、私は毎日使う通勤&練習用にCUESのロード、ガチ乗り用に105以上のロードの2台体制にしたいなとまで思うように。CUES、魅力的すぎる…。
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