「自転車を始めるなら春」、そう思っている人は多いはず。でも、初心者がその後も自転車を続けることまで考えると、じつは9月スタートがベストかもしれません。
なぜ9月? 春に始める場合との違いや、9月から始めるメリットについて、自転車ジャーナリストの浅野真則さんに聞いてみました。
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『自転車を始めるためのベストシーズン、じつは9月』説!

毎年春になると「自転車を始めよう!」という記事をよく見かけます。年度が替わり、心機一転何かを始めるにはいいタイミングですよね。気候も良く、新緑もきれいで、サイクリングにはピッタリの季節。「自転車を始めるなら春」というイメージがあるのも納得です。
ただ、編集部ではこんな疑問が。
「初心者が自転車を始めるのって、本当に春がベストなんだっけ?」
春に自転車を始めると、気持ちよく走れる季節のあとには「梅雨」がやってきます。雨で思うように乗れない日が増え、その先に待ち構えるのは「猛暑」!
せっかく自転車を買って「これから休日は毎週サイクリングしよう!」と思ったところで雨の日が続き、ようやく梅雨が明けたと思ったら、今度は暑さで長い距離を走りにくくなる。
初心者が「もっと走りたい」と思い始めるタイミングで、乗りにくい季節が続いてしまうわけです。
そこで考えてみたいのが、これからやってくる秋。9月から始めた場合はどうでしょう。
走り出しの時期は、暑すぎず寒すぎずのちょうどいい気候。これは春と一緒。その後、少しずつ走る距離を伸ばしながら自転車に慣れていき、その先に待っている壁が「冬の寒さ」です。
ここがポイントで、寒さはウェアなどである程度調整できるということ。もちろん厳しい寒さで外に出るのがおっくうになる日もありますが、走り始めれば体は徐々に温まってきます。暑さそのものが体への大きな負担になる夏とは違う点といえます。
どうですか? けっこう理にかなってるんじゃないでしょうか。
ズバリ『自転車を始めるベストシーズン、じつは9月』説、これを自転車ジャーナリストはどう考えるのか? 自転車歴20年を超える浅野真則さんに聞いてみました。
自転車ジャーナリストの回答は…?

『自転車を始めるベストシーズン、じつは9月』説、たしかにそうかもしれません。初めて自転車に乗り出して慣れてきて「もう少し距離を伸ばしたい」と思う時期に猛暑を迎えるか、寒さを迎えるかと考えると、夏より冬のほうが走りやすいでしょうね。
編集部の仮説にあるとおり、冬は走っているうちに体が温まってきますし、寒さはウェアである程度対策できます。夏は暑さそのものが体力を奪いますし、猛暑って対策するにもどうしても限界がありますからね。
初心者が「最初は10kmだったけど、次は20km、その次は30km」と少しずつ距離を伸ばしていくことを考えても、秋から始めて冬も走りながら春を迎える、という流れはかなりいいと思います。
それに、9月スタートは「挫折しにくい」というのもポイントです。秋に気持ちよく走りながら、冬も少しずつ距離を伸ばしていく。「思ったより走れる」という実感を得やすいので、自転車を続けるモチベーションにもつながります。無理なく乗り続ける習慣をつくりやすいでしょう。

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ただし、冬は日が短くなりますし、寒さ対策をしないと快適には走れません。そこはライトやウェアなど、きちんと準備しておく必要があります。
9月スタートを冬で止めない!「寒さ」と「暗さ」の対策

秋に自転車を始めた場合、その先には冬が待っています。冬に近づくにつれ「寒さが厳しくなる」ことと「暗い時間が長くなる」ことへの対策が必要になってきます。
このとき気をつけたいポイントと、初心者のときに陥りやすい失敗を、自分の失敗談を例に考えてみましょう。
【寒さ対策】冬用のサイクルウェアで乗り切ろう

冬が近づくにつれて、寒い日が増えてきます。寒いことって、考えようによっては汗をかきにくくなったりオーバーヒートしにくくなったりと、悪いことばかりではありません。
問題は、坂を上った後の下りや、コンビニやカフェなどで休憩したり、信号待ちで止まったときなどです。温まった体がだんだん冷えてきちゃうんですよね。
この問題は冬用の自転車ウェアで解決できるのですが、ここで僕が初心者だったころのウェアにまつわる失敗談を紹介します。
あまりに快適な冬用ウェア!
自転車を始めたばかりのころ、僕は夏用の半袖のサイクルウェアしか持っていませんでした。
まずはアームウォーマーとレッグウォーマーを買い足して肌の露出する面積を減らし、薄手のウインドブレーカーも買いました。
これで少しは寒さもましになったのですが、冬が近づいてもっと気温が下がってくるとこの格好では耐えられなくなってきました。
寒さが厳しくなってからは、アウトドアブランドのフリースやダウンジャケットを着て走るようになりました。これで寒さには耐えられるようになったのですが、また別の問題が発生! 今度はウェアの内部に熱気がこもるようになり、上りで汗をかいてしまい、下りの途中で冷えて寒く感じるようになりました。
汗をかくと汗が乾くときに気化熱で体温を奪われて、より寒く感じるんですよね。さらに体にフィットしないので、走行中に風の抵抗を受けやすいという問題もありました。冬は強い風が吹くことが多く、だぶついたウェアが風をはらんでしまって、ペダルをこいでもこいでも進まないように感じました。

寒さと強い風のダブルパンチであまりにつらすぎて、行きつけの自転車屋さんに「冬はどうしたらいいの?」と相談に行きました。すると、「春秋用や冬用のサイクルウェアや手や足を冷やさないような小物がいろいろある」と教えてくれました。

冬用のサイクルウェアは、背中や脇から中の熱気が抜けやすくなっていて、暖かいのに汗をかきにくくなっています。生地も夏用ウェアよりは厚手ですが、体にピタッとフィットするので、走行中に風をはらみにくく、スイーッと走れます!
「これなら冬も乗れる! いや、冬のほうが夏より汗もかきにくいし、快適ですらあるんじゃね?」
初めて冬用ウェアを着て走りに行ったとき、それまでと比べてあまりに快適だったので、いたく感動したのを覚えています。

その後、冬用グローブやシューズカバー、春秋用のウェア、冬用のアンダーウェア、冬用ソックスといった小物を買い足していき、気温に応じて重ね着したり、サイクリング中に暖かくなったら脱いだりするようになると、サイクリングがより快適になりました。
「冬も乗れる人」になるために
◎自転車用の春秋用、冬用ウェアを購入する
春秋用の長袖ジャージは意外に便利。アンダーウェアを冬用の暖かいものにして、上にウインドブレーカーを羽織るだけでも温かさが違いますし、脱ぎ着しやすくて体温調整しやすいのも◎。厳寒期用の冬用ウェアは暖かさは最高ですが、暑いときに体温調整しにくいのが玉にキズです。一般的な冬用ウェアにウインドブレーカーを重ね着する方が温度調整しやすいのでおすすめ!
△一般的なアウトドア用アウターで代用する
春秋用や冬用のサイクルウェアを持っていなければ、一時的にアウトドア用のアウターを代用するのもアリ。ただし、自転車用ではないので熱気がこもりやすかったり、走行中に風の抵抗を受けやすいなどのデメリットも。
初心者こそ、ウェアのコストは抑えよう!
自転車用の冬用ウェアは、まあまあいいお値段がします。グローブなどの小物もそろえていくと、細かな体温調整がしやすくなって便利ではありますが、一式そろえるには結構お金がかかります。
そんなときはバイチャリで中古ウェアを買うのもおすすめです!
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【暗さ対策】ライトを舐めるな! 暗い時間はリスクが跳ね上がる

ライトは道路交通法で装着が義務づけられているので、自転車を購入するときには同時に購入したいアイテムです。
特に秋から冬にかけては、ライト(フロントライト・リアライト・反射板)の重要性が春から夏にかけてのシーズン以上に増します。
「秋の日はつるべ落とし」というように、秋から冬にかけては、日が暮れるのがだんだん早くなっていきます。夕方暗くなるのが早くなり、暗い時間を走る機会も増える。日の出の時間も遅くなるので、早朝から走る場合も暗い時間を走る機会が増えますね。
暗い時間帯に走るなら、明るいライトがあると安心度が格段に増します。自分が走る先を明るく照らすだけでなく、周囲のドライバーに自分の存在をアピールし、事故に巻き込まれる可能性を減らしてくれるからです。
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ここで再び、僕のライトに関する失敗談を紹介しましょう。
「明るさってそんなに重要? 点灯すればよくない?」

僕は一時、バイクをいかにして軽くするかに情熱を燃やしていました。
「必要のないものは付けない」
「パーツは予算が許す限り、とにかく軽さ重視で選ぶ」
という選択基準であらゆるパーツを選んでいたことがありました。
そのころは、ライトも明るさやバッテリーの持ちより軽さの方が気になっていました。「ライト? コンパクトで軽いやつで十分。暗いときに走らなきゃいいんだよ」なんて言いながら……。
ある日、いつものコースへサイクリングに出かけたら、工事している箇所があっていつもより大幅に遠回りさせられました。さらに帰路で痛恨のパンクに見舞われ、帰っている途中で暗くなってしまいました。日没の時点で、家までは残り10kmほど。
ライトもテールライトも明るさより軽さ重視で選んでいたため明るさが十分ではありませんでした。スピードを出すと前が十分に見えないので車道を走るのがすごく怖くて、やむを得ず歩道を徐行して帰りました。
幸い事故に遭うこともなく、無事に帰宅できましたが、「あんな思いは二度としたくない!」と、強く思った出来事でした。
それ以来、コンパクトさより必要最低限の明るさとバッテリーが長く持つライトを選ぶようになりました。
帰宅が遅くなることが分かっているときにはサブライトを装備することもありますし、反射素材のものを身につけてドライバーに自身の存在をアピールすることもあります。

どれだけ気をつけていてもパンクに見舞われることもありますし、望まなくても何かしらトラブルに巻き込まれ、いつものコースを走る際でも予定より大幅に時間がかかってしまうことはあり得ます。
安全対策には投資を惜しんではいけません! まずは安全対策を徹底し、それから軽さとか性能を突き詰めるのがいいと思います。
暗い道を安全に走るために
◎高性能なライトとテールライトを装備する
これは最低限。夜間や早朝に長時間走ることが分かっているなら、予備のライトも付けると安心
◎反射素材のものを身につける
バックパックや反射材付きのベストなど、特に背中側に反射素材のものを身につけると、後続のドライバーに自分の存在を知らせることができ、追突事故を防ぐことができる
高性能ライトを中古でおトクに!
ナイトライドでもしっかり照らして視認性を上げてくれるライト。まずは明るさの基準となるルーメンで選びましょう。市街地など比較的明るい場所でしか走らないなら300〜400ルーメン。街灯があまりなく暗い道では500ルーメン前後。山道や、夜間走行の時間が長いなら800ルーメン以上のものを。
バイチャリでも取り扱いがあります!
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「9月に始めてよかった」にきっとなる!

自転車を始めるなら春、というイメージはたしかにあります。でも、初心者が自転車に慣れ、少しずつ走る距離を伸ばしていくことを考えると、じつは9月スタートのほうが向いているといえるでしょう。
秋に走る楽しさを知り、冬はウェアやライトを工夫しながら距離を伸ばす。そして、その先にはまた走りやすい春がやってきます。
春に始めて「梅雨で乗れない」「猛暑で走れない」となるより、「秋→冬→春」と進むほうが、初心者にとって自転車を続けやすいコースなのかもしれません。
そのためにも、秋から始めるなら冬用ウェアやライトなど、冬を乗り切るための準備をしておくことが大切です。個人的にはサイクリングを始めるならどの自転車に乗るかと同じぐらい、ウェアとライト選びが重要だと思っています。
サイクルウェアや明るいライトに投資することで、冬のサイクリングライフの質が大幅に高まります。
これらに関しては、自転車を選ぶときと同じぐらい妥協しちゃだめです!
とはいえ、限られた予算の中でいい自転車にも乗りたい場合はどうすればいいのかって? そんなときこそ中古の自転車やアイテムを賢く使うことです。
バイチャリならバイクはもちろん、ウェアやライトの中古も取り扱っています。すべて中古でそろえたら、必要なアイテムもそろえつつ、新品で買うよりワンランク上のバイクに乗れるかもしれません。
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