※第5回に先立ち、第6回を配信しています。
▼ ぜひ音声でお楽しみください!
🎧 配信中! お好きなアプリでフォロー
Spotify |
Apple Podcasts |
Amazon Music |
stand.fm
今回はイタリア! 行ってきましたVelo-city 2026

家本 こんにちは、クララグループ代表の家本です。このポッドキャストでは、リユース自転車の買取販売『バイチャリ』、シェアサイクルの『チャリチャリ』、自転車ブランド『wimo』に自転車ライト『ガシロン』と、いろんな自転車の仕事をしてる私、家本が自転車トピックのギリギリのセンを好き勝手にしゃべっていく番組でございます。
今回もおかだくん、よろしくお願いします。
おかだ はい、自転車技士で声優の「おかだまさたか」です。よろしくお願いします!

家本 今日のトピックはですね、イタリーでございます!
おかだ イタリー! イタリアといったら、自転車カルチャーの聖地と言っても過言じゃないじゃないですか。
家本 そのイタリアに行ってきましてね。イタリアのリミニという町で、海岸リゾートですっごいビーチが綺麗なところ。

家本 なんだけど、海に入りに行ったわけではなくて。Velo-city(ヴェロシティ)という、ECF(European Cyclists’ Federation:ヨーロッパサイクリスト連盟)が毎年この時期に主催している国際会議があって、そのヴェロシティの開催地が、今年はリミニだったんです。
おかだ なるほど。
家本 リミニって言われてもどこかよくわからん、って話だと思うんだけれど。
おかだ いまのところ、「海沿いのいいとこ」っていう情報しかないですね!
家本 いやでも本当に「海沿いのいいところ」なんだよ。イタリア人どころかヨーロッパ人に聞いても「すごい海の綺麗なとこだよね」って言われるような場所。結構ヨーロッパだと知られている町なんです。

家本 そのリミニに、ヨーロッパ中から、そしてじつは日本からも、たくさんの人たちが来ていました。ヨーロッパの中でもさまざまな「まちづくり」がある中で、このリミニという街は、大都市なわけではない。駅前にはバスのターミナルがあって、クルマ中心のところに自転車をプラスしたようなまちづくりになっているんです。


家本 そういった街の中で、いろんな国の人たちが、観光と日常生活における自転車の組み合わせについて議論する機会でした。
そしてこのヴェロシティという国際会議が、じつは来年、初めて日本で開催されるんです。
おかだ へえ! それじゃあ日本で、自転車とまちづくりの話題が取り上げられるわけですね。
家本 そう。ヨーロッパの会議が、日本の愛媛県で。
おかだ 愛媛県といえば、やっぱりしまなみ海道ですね。
家本 会議自体は、松山市内にある武道館で開催されることがもう決まっているんだけどね。ここにいたるまで、じつは日本のあらゆる自治体の人たちが誘致に動いていて、その中で頭1つ抜けたのが愛媛県でした。来年はヨーロッパからたくさんの人が日本に来ることになると思っています。

家本 そういう背景もあって、今回のリミニのヴェロシティにも、日本からたくさんの人が来ていた。僕が見積もる限り、80人から90人ぐらいいたんじゃないかな。愛媛県知事や国会議員の先生も来られてた。ひとつの国あたりでみたら、イタリアを除いて一番参加者が多かったんじゃないかな、そんな規模感でした。
それでね、会議に出るのもまあ嫌いじゃないんだけど、僕、すぐに街に飛び出すクセがありまして。
おかだ フィールドワークとしてね(笑)
家本 そうそう(笑) だからまず、街で1番にぎやかな自転車屋さんを見つけようと。最終的には4つの自転車屋さんをまわったんですけど、まずGoogleマップのレビューを見て、口コミがたくさんあって、レビューもなんというか、活気があるお店を探しながら直接訪ねていったんです。僕、イタリア語わかんないんで英語の身振り手振りだったんですけど、どの店の人もめちゃくちゃ明るいの。


おかだ そこはもうイタリア人のイメージまんまですね。
家本 そうそう。さっき、おかだくんが自転車ブランドの名前をあげたじゃないですか。もう1回言ってみて。
おかだ ビアンキ、チネリ、ジオス、あとはコルナゴにウィリエールとかもありますね。
家本 そう、それらの自転車がね、一台も売られていなくって。
おかだ そうなんですか!?

家本 あれ?ここはイタリアじゃなかったかな?と。どちらかというと、街の自転車屋さんの中でもロードバイクやクロスバイクを扱っているお店に行ったから、ちょっとでも見れるかなと思ってたんだけどね。まったく見たことがないイタリアのローカルブランド、日本にはまったく入ってきていないようなブランドばかりだった。それから軽快車も、ヨーロッパのシティサイクルらしい実用的なデザインの自転車で、見たことがないものばかりで、めちゃくちゃ楽しかった。

海岸まで一直線!自転車でストレスフリーで走り抜けられる自然のサンシェード
家本 リミニという街は、じつは自転車でじっくり回ってみると、ほとんど信号がないことに気づくんですよ。交差点はラウンドアバウト(環状交差点)が中心なんです。
駅から出発してすぐの交差点がさっそくラウンドアバウト形式
家本 ヨーロッパは多くの国で同じようなものではあるんだけど、リミニもラウンドアバウトの中で、自転車の移動がうまく機能していた。吸い込まれるように、流れに乗って移動できるんですね。それこそビーチリゾートだから1週間ぐらい滞在して、いろんなところを回りましょうってなっても、自転車で全部スムーズに行けちゃいそうな、そんな素敵な街でしたよ。
おかだ 街自体も自転車でまわれるぐらいのサイズ感なんですね。
家本 そう。でもヴェロシティの会場と海岸まではちょっと距離があって(3kmほど)、僕は最初知らなかったんですけど、先に現地入りしていたうちの社員が、「いや、そっちの道じゃないよ」って良い道を教えてくれたんですよ。そうしたらもう、なんていうか、森の中に専用の道があって、それで海岸リゾートまで一直線で行けちゃうの。

家本 途中に線路もあるし、大きな道路とも交差するんだけど、それらをうまいことくぐり抜けながら、途中で止まることなく、1本の道でドーンと行けちゃう! こういう道、日本は作れる?ってね。
おかだ 裏道っていう感じともちょっと違うんですかね?
家本 あ、でもそうね、“素敵な裏道”って感じ。歩行者と自転車はきっちり分離されてるわけじゃないんだけど、うまい具合にお互い避けながらで困ることは何もない。歴史ある街並みの中で、1本の道が、(海岸まで)ダイレクトに繋がってるっていうね。

家本 ローカルの人たちの生活の質をあげるための空間という感じがしましたね。今回、リミニの前にアムステルダム、ユトリヒト、ハノーヴァー、ハンブルグに行ってからイタリアに入ったんですけど、緑が街を覆っている比率というのが、ヨーロッパはどこも高いなと。日本も道のそばに木が植えてあったりするけど、たくさん生えてきちゃったら切っちゃうでしょ。木に覆われてない感じ、自転車で走っていてもわかるじゃない?
おかだ むしろ木が邪魔になってて、避けるのが大変みたいなこともありますね。
家本 ヨーロッパのまちづくりで意識されているのが、「どれぐらいの緑で街を、道路を覆うか」なんじゃないかな。夏は自然に涼しくもなるし、もちろん環境にも当然いい話だし、やっぱり緑を見上げながら送る生活ってのは僕はいいなと思ってて。心の面でもね。

家本 イタリアの太陽がさんさんと降り注いでるんだけど、めちゃくちゃに暑いわけじゃない。何もさえぎるものがないところは暑いんだけど、緑の下を自転車で走ってる分にはぜんぜん暑くない。
おかだ 自然のサンシェードが機能してるんですね。
家本 そう、自然のサンシェード。いいこと言うね〜。
『バイクバス』って何かわかりますか?
家本 今回のヴェロシティの中で、いくつかテーマを絞ってセッションを聞こうと思っていたんだけど、その中のひとつが「次世代」。つまり、未来のある人たちの自転車、子どもと自転車みたいな文脈だったんですよ。ちょっとここでおかだくんにいきなり話を振ってみるんですけど。
おかだ は、はい。
家本 『バイクバス』って言われたらなんのことだと思う?
おかだ バイクバス、ですか?
家本 パネルディスカッションの中でいきなり『バイクバス』って単語が出てきたわけ。最初、僕、意味わかんなかったの。
おかだ 初耳ですね。バイクバスか……いくつかパターンがありそうですけど、まずは「自転車を乗っけられるバス」ですかね。
家本 そうだよね、僕もそう思った。はずれなんだよ。
おかだ それじゃあ、自転車で何かを引っ張る形はどうでしょう。こう、送迎バスみたいな。
家本 なるほどなるほど、それもブブーなんだ。
おかだ パッとはもう出てこないなぁ。
家本 出てこないでしょ。僕も似たようなこと思ったわけですけど、バイクバスって子どもたちの学校生活の話の中で出てきたのね。で、答えは、日本流に言うと、自転車での集団登校・集団下校ってこと。

おかだ あー、なるほど!
家本 決まった時間に、この場所からここに向かって移動するっていう集団を『バイクバス』っていうみたいなんですけどね。僕ら日本人はさ、おおむね集団登校を経験しているから、それって(単なる)集団登校じゃんって感じもするんだけど。
でもまぁ、自転車でバラバラに行くんじゃなくて、みんなで隊をなして、決まった時間にスタートをして、ちゃんと到着すると。そもそも僕はそういう概念を知らなかったからそれだけで、ちょっと面白くって。みんなで一緒に走っていくことで安全を担保しましょうってこともあるし、それに伴って自転車の乗り方とか、自転車の交通ルールを学ぶ機会をも得られるねっていうことも当然あるし。事故のパーセンテージを下げる目的もある。

家本 ところ変わると子どもたちの自転車という存在も全然違うことがわかったりして。また別の話で、これは南米のケースなんだけど、子どもたちが家の中でたくさんゲームをしていますと。ゲームが悪いわけじゃない、ゲームはゲームで楽しいし、学ぶこともたくさんある。でも外にも出てもらおうっていうことで、その地域では予算をつけて、自転車をずっと家の中にいる子たちに与えてみた。それで外に出ることを促すと。
日本のように平均的に経済面がカバーされているならまだしも、そうじゃない地域って世界中にまだたくさんあるじゃないですか。そういうところで子どもたちが外に出ることを促す手段として自転車を提供していたりだとか。
ほかにも自転車の安全な乗り方を勉強する学校みたいなもの、実際に自転車に乗ってシミュレーションできるような場所を、あえて街のど真ん中に作っちゃうって話があったりだとか。

家本 日本の自転車の未来を明るくするためには、やっぱり今の子どもたちにどう教育するかが大事だと、僕はすごい思っていて。ただルールを教えるんじゃなくて、学ぶ機会が自然と増えていく環境を作るってことがね。
おかだ たしかに僕自身も、趣味として自転車に乗っている背景として、幼少期の原体験があります。知らないところに1人で行ってみた喜びとか。自転車を純粋に楽しむ機会をたくさん提供できると、自転車カルチャーの未来も広がっていくんじゃないかなと思いますね。
心配事もある。日本にどれだけの人が来てくれる?

家本 その一方でね、いい話ばかりじゃないんです。ちょっと言いにくいことなんだけど、今、日本でも自転車の展示会の規模がだんだん小さくなってきてたり、世界で見てもユーロバイクの出展社数もそうだし、上海や台湾はまだかろうじて一定の規模を保ってるとはいえ、それでもやっぱり偏りは出てきている。そういう状況じゃないですか。
ヴェロシティっていうのは、出展をするスポンサーによってある程度お金が支えられていて、その出展する人たちっていうのは、自転車とまちづくりっていう文脈だから、我々みたいなシェアサイクルをやっている会社とか、駐輪用のラックとか、あとはヨーロッパだと街の中で盗まれちゃうと困るっていうんでシャッター付きの大きな駐輪施設を扱っているところとか。そういう企業が今まで出展してきていたんですよ。
去年のポーランド(Velo-city 2025 Gdańsk)ぐらいから雲行きが怪しいなとは感じていたんだけど、今回のリミニに行ってみて思ったのが「これは出展企業が減り始めてるな」と。出展の中心になっていたのは、シェアサイクルと駐輪設備という2分野なんだけど、ここって新たにゼロから企業がどんどん生まれてくる分野ではないじゃないですか。
おかだ 飽和しちゃいますもんね。
家本 そう、入れ替えるぐらいしかない。シェアサイクルの入れ替えは、ヨーロッパの中でたまにあるんです、10年に1回ぐらい。それでも、たとえばアメリカでいえばLyft(リフト)だったり、ドイツのnextbike(ネクストバイク)だったり、こういういくつかのビッグプレイヤーにシェアが固まってきてしまっている。
おかだ なるほど。
家本 だからゼロから参入する人たちがわんさか出てくるわけじゃないんですよね。ここがひょっとすると、会議を支えるという意味で、スポーツサイクルの展示会で見たような頭打ち感が出始めてるかもしれないな、と。

家本 こういう状況で、さらにその人たちが来年、愛媛県に来てくれるかというね。日本からヨーロッパに行くのも高いけど、ヨーロッパから日本に来るのだってもちろん同じぐらいのお金がかかるわけで。
おかだ 円安といえど、ですね。
家本 そう。どれだけ円安っていったって、Far East、極東まで同じ熱量で来てもらえるかというと、簡単じゃあないなと! 僕は別に今の段階で悲観してるわけじゃないけれども、ヨーロッパの人たちに魅力を感じてもらえるようなものを、あと1年出し続けられるかどうかが肝になってくる。
あとは、やっぱり東アジアの人たちを仲間にしないと。中国も台湾も香港も韓国も。あるいはベトナム、タイ、シンガポールの人たち。この人たちにも「ヨーロッパの会議をアジアで体験できる」さらに「日本流にミックスされたものを経験できる」ってことを届けないと、愛媛までは来てもらえないんじゃないかと、僕は焦り始めてまして。
シェアサイクルとかバイチャリみたいなリユースの部分とか含めて考えていきたいなと思っております。
イタリアの自転車文化、まだ見えていない部分がありそうだぞ

家本 今回のイタリア訪問で、イタリアでしか売っていないビアンキの自転車を見たいな、なんて思ってたんですけどね。リミニのあとにボローニャにも行ったんだけど、どちらともビアンキの車体を見かけなかった。
おかだ 意外ですね。世界最古の自転車ブランドですよ。
家本 僕の知らないビアンキの自転車があるのかな、色が違う?
おかだ チェレステじゃないんですかね(笑) あんなに、社をあげてチェレステって言ってるのに。
家本 イタリアの自転車市場っていっても、もしかすると見るべきところが違うのかな。
アメリカに行くと、トレックのお店はたくさんあるし、トレックがたくさん走ってる。その国の代表的なブランドイメージってあるじゃないですか。でもイタリアの街の中で、代表的なブランドのイメージを受け止めきれなかった。
とはいえ、これをイタリアといってひとまとめにはできないし、地域によって文化も経済も違うので、まだ見足りていないんじゃないかと思っていてですね。つまり何が言いたいかっていうと、またイタリアに行きたいな〜!といったところでございます(笑)

家本 ということで、今回もここまで聞いていただきありがとうございました! 今日のお話へのご意見、コメント、それからテーマのリクエスト、色々いただければ嬉しいなと思っています。投稿フォームから、ぜひ気軽にコメントをお寄せください。
自転車で世界を巡る話、たくさんしたいなと思っていますので、またお会いしましょう。
<ご意見・ご感想をお寄せください>
Podcastのご感想やご意見をお待ちしています!
「こんなテーマを取り上げてほしい」「これを聞いてみたい」といったリクエストも大歓迎です。
▼投稿フォームより、お気軽にお送りください。
