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特集

自転車業界、ほんとにヤバイぞ!家本賢太郎の「#ここでしか言わない」Vol.1:自転車の青切符

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ギリギリを攻める「#ここでしか言わない」始めます

家本  こんにちは。クララグループ代表の家本 賢太郎(いえもと けんたろう)です。リユース自転車の買取販売の『バイチャリ』、シェアサイクル事業の『チャリチャリ』、自転車プロダクト事業の『wimo』と、いろんな自転車の仕事をしているんですけれども、今回、buychari JOURNALの編集部から「なんか喋ってほしい」と言われまして。喋るの大得意だし大好きなので、自転車のトピック・ネタのギリギリのセンを喋ってみようと。

普段はやっぱり文字とか、いろんなセミナーでお話するとかになると、どうも大人ぶっちゃって、できるだけ綺麗なことやいいことしか言わなくなっちゃうので、このポッドキャストではもう少し率直に、自分の立場を「捨てたくないけど、捨てる!?」ギリギリのセンを攻めてみたいなと思っております。

で、今日は正面にもう1人。

おかだ  はい、「おかだまさたか」と申しまして、今回は進行役をやらせていただきます。普段はバイチャリのメディアで露出担当として活動しておりまして、声優業もやっております。

家本さんはね、もう喋るの大好き!大得意!なので暴走しないように、手綱を…握れるかな〜!?とちょっと不安になりながら、今日は楽しくやらせていただこうと思っております。

家本  お願いします! で、事前に編集部が用意してくれた原稿を横にのけましてね。

おかだ  早速(笑)

家本  もう自分で喋るぞと。このまま(台本を)読んでいたら、たどたどしい話にしかならなくなっちゃうから。

自転車業界、ほんとにヤバイぞ

家本  自転車の話題って、XのようなSNSでも、ウワサの話もホントの話もいろいろとあったりする中で、この4月から始まる自転車の青切符(交通反則通告制度*)なんかの話が出ても、実は一次情報にたどり着いてそれをベースに議論することがなかなかなくて。

*)交通反則通告制度:運転者が反則行為をした場合、一定期間内に反則金を納めることで、刑事手続きには移行せず事件が終結される制度。刑事裁判や家庭裁判所の審判を受けることなく、反則金を納めれば前科もつかない。

バイチャリはリユース(自転車)関連の仕事ですけれど、こういうのをやっていても、実はいろんなものが見えちゃう。今の日本の自転車業界の話はたくさん見えていながら、「これは大人の事情でちょっと喋れないかな」なんて思うものもあったりしつつ、そもそも僕はそういうことをSNSで書きたいマンじゃないし。だけど、このままいくと日本の自転車を取り巻く環境が良い方向には向かわないんじゃないかと。

おかだくんも分かると思うけど、自転車の販売台数も、自転車のお店の数も、減ってます。

おかだ  そうですね……!

家本  自転車のお店の数はこの25年で3分の1ぐらいになりました。

おかだ  そんなに!? 3分の1……!

家本  めちゃくちゃ減ってんの。(お店の数だけでなく)自転車の販売台数も、出荷台数も。(正確な)統計比較はできないのだけれど、販売台数はおよそ25年前の半分ぐらいなんですよ。

おかだ  えっ、半分?

家本  そもそもね、統計自体がおかしくって。つい先日まで、日本って自転車の販売台数がわかんなかったんですよ。

おかだ  それは販売台数が多すぎて、ということですか?

家本  違う、誰も統計取ってこなかったの! データ化されてこなかった。これまでどうしてたかと言うと、「海外からの輸入台数」と「日本で製造した台数」を販売台数としていたから。つまり国の、財務省と経済産業省のデータしかなかったんですよ。

だからね、自転車が年間いくら売れてるのか、実はみんなわかってなかったの!

おかだ  じゃあ、市場規模とかも正確には測れてなかったと……?

家本  まったく。もう、全然測れてない。よくぞみんな、この何のメーターもないマーケットの中で、自転車業界でやってきたなと。

まさしく自転車操業だったかもしれない、と(笑)

家本  そういうところは良くないねってことで、いくつかある自転車の団体の1つ「自転車産業振興協会」と一緒になって、自転車の販売台数の実数を知りたいねと。つまりPOSデータ(小売店や飲食店でレジ精算時に取得される「いつ、誰が、何を、いくつ、いくらで買ったか」という詳細な販売記録)です。僕も委員として中に入って着手してからちょうど1年経ったんですが、そしたらもう自転車が実際にいくら売れてるかっていうデータが見えてきちゃった。

おかだ  ようやく数値化されてきたと。

家本  これが……ヤバイ…!

家本  詳細は自転車産業振興協会のウェブサイトを見てもらったら分かるんだけど、ピーク時は(自転車の製造と輸入の台数が)1100万台という数字です。今の日本の販売台数は、すでに半分を切っちゃってるわけですよ。

これが何を意味するかというと、「自転車に関わる=斜陽産業、先が明るくないマーケットの中にいる」っていうこと。これ、みんな感覚では分かってたんだけど、(数値上でも)マーケットは実はものすごいシュリンクしてると。

僕も自転車業界に参入させていただいて約8年経ちますが、みんなもっとデータを、デジタルを活用していこう!と考えてる。

(市場が小さくなっていても)自転車の役割は、変わらずちゃんとあるから。なんでかって言ったら、自転車の交通分担率、つまり人の1日の移動の中で自転車が担ってる比率は、この何十年、そう変わらないわけですよ。

おかだ  なるほど、自転車の交通分担率はずっと高いままだと。日本で自転車を持ってる人、大体の人が乗れますからね。

家本  日本における自転車の交通分担率はだいたい13〜14%ぐらいなんですよ。人口が1億人超えている国で、自転車の交通分担率が10%を超えているのは日本しかないんです。

おかだ  そうなんですか! 日本は自転車大国と呼べるわけですね。

家本  そう! なのに、土台を支える産業側の元気がなくなってきている。そういう厳しい状況ではあるけれども、それでも自転車を取り巻く環境は今、少しずつ変わってきてる。まさに青切符がそうだし、ヘルメット着用の努力義務化もちょっと前にあったし。

そもそも僕は、安全を考えることは素晴らしいことだと思ってる。ただ、激変なんですよね、このルールの領域が。だからこそ、みんながちゃんと一緒に理解し合えるかが、ものすごく大事だと思ってるんです。今日はそこをホンネで突っ込んでいきたいなと。前置き長かった!(笑)

おかだ  自転車業界に警鐘を鳴らしていこうと。

家本  このままじゃいかんぞ、ってね。おかだくんも周りを見ていて感じるでしょ。たとえば数ある海外ブランドを見ても、完成車ブランドでもパーツブランドでも「あれ、日本のマーケットはもうお相手してくださらないの…?」って。

おかだ  海外で出てるモデルが日本に入ってこないとかですね。それに日本の大企業が、日本向けじゃなくて海外向けのパーツを優先して出してるみたいなことも。

家本  いや、でもそれはね、日本の会社が国外に向けてやっていらっしゃるのは素晴らしいことだと思うんだよ。なんでかって言ったら、日本のマーケットじゃなくて世界のマーケット全部を相手にした方が大きいに決まってるんだから。それこそシマノさんとかオージーケーカブトさんとか、日本の自転車産業の中で貢献してくださっていることを僕は素晴らしいと思う。それぐらいの意識がないと、日本発ってのは難しいんだよね。

一方でグローバルから見たときに、日本(のマーケット)小さいなと。日本の商流は厳しいね、となっている。世界規模で自転車業界を見たら、新しいものはまだまだたくさん出てきてるのに(まずいな)と思うよね。

自転車の青切符導入は賛成!だが……

家本  僕が今日どうしても話したいのは、繰り返し言ってますけど、青切符の話なんです。

交通反則告知書、通称『青切符』

家本  これは私見ですが、令和8年4月からの青切符の導入は、自転車のルールについて、「これはダメだ」「これは危ないことだ」ということを、全国民がみんなで同時に理解できる日本で初めての歴史だと思うんです。

最初に上野公園でね、明治31年(1898年)に自転車のレースが始まって、台東区のあたり、あるいは大阪の堺、名古屋の北の方、こういったところに自転車産業ができてっていう、この百何十年にわたる歴史の中で、途中、戦争の前後に自転車の届出制度みたいなものがあったけれども、そういうのを除けば、初めて全国民があまねく自転車のルールってものを学ぶタイミングが来たと。ちなみにおかだくんは青切符についてどう理解している?

おかだ  そうですね、「今まで曖昧だったルールがしっかり明文化された」という理解です。運転免許の必要なクルマと違って、自転車のルールの理解度は人によってバラバラだったじゃないですか。それがきっちり行政によって「こういうルールですよ」とトップダウンされてきた、そんなイメージです。

家本  なるほどね。今回の青切符の制度について、まず立場をはっきりさせておくと、僕は「賛成」なんですよ。交通反則通告制度を導入することはものすごくポジティブに捉えていて、むしろ遅かったと考えるぐらい。

警察庁の議事録なんかをちゃんと読むと出てくるんだけど、交通反則通告制度の導入については、実はつい最近議論が始まったわけではなくて、かなり前から議論されてきたんです。かなり議論されてきたんだけれども、なかなか導入に至らなかった。いろいろな課題があるんですね。

実際はどこまで取り締まる!?

家本  これから4月になって交通反則通告制度が始まったときに、現場のお巡りさんはどう判断するか。指導警告でとどめるのか、青切符を切るのか、(この判断基準については)我々の見えないところで、おそらくお達しが出ていて警察内で準備が始まってると思うんです。

すでに警察庁の人たちもいろんな場で話されてるけれども、反則行為の一覧に書いてある全てを青切符で取り締まるとは一言も言ってませんと。とても重要な、とても危ないことだけ、例えば信号無視や逆走、一時不停止などについては青切符を切る可能性がありますよって話をされていて。ほら、歩道走行なんかはSNS上でも議論になったじゃないですか。

自転車はどこを走るべきか問題

家本  走行環境がそもそも整備されていないのに、どうやって車道を走るかってことで。車道でさえ幅が狭くて「どこも走るとこないじゃん」みたいなケースはいくらでもありますよね。

青切符による「均一化」の期待

家本  多くの人たちは接点がないかもしれないけど、これまでは、もし自転車で交通違反を犯したら「赤切符」つまり1発で送検になってた。クルマみたいに、切符を切られて反則金を支払う(そうすれば前科はつかない)みたいなことじゃなくて、自転車では「お巡りさんが現認をしました」「違反行為がありました」そしたら赤切符、つまりそのまま検察送りだったわけですよ。

違反の内容によって切られる切符の色が異なる。青切符は「交通反則告知書」、赤切符は「告知票・免許証保管証」が正式名称

家本  そこから起訴されるか不起訴になるかっていうのは検察官が決める話だけれども、でも、検察官が起訴しますとなったら裁判になる。しかも本裁判ですからね。実際に本裁判になったケースもあるんだけど、正直言ってすごくめんどくさい話だし、起訴されなかった事案の方がおそらく圧倒的に多かったはず。証拠はどうだったのかみたいな議論もたくさんあったと思うんだよね。

だから僕は、青切符の運用が始まることによって、取り締まりのレベルが均一になると期待してる。そもそも僕らが守らなきゃいけないことがちゃんとルール化されて、真っ平らになるんじゃないかなっていう期待をしてますね。

おかだ  なるほど。ちなみに僕の感覚でいうと、今回ルールがきちんと周知されたことによって、今までルールを守っていたサイクリストとしてはノーダメージだというのがありまして。

家本  いいこと言うじゃん! そう、そういうことなんだよ。

おかだ  歩道走行とか、当初ウワサされていたレベルの厳密なものだったらさすがに困るんですけど、実態としてそうじゃない(スピードを出して歩道走行し、歩行者を驚かせ立ち止まらせた場合などが取り締まり対象)と明文化されていますし、そうなるとルールを守ってきた側としては今までとなんら変わらないはずなんですよね。

家本  その一方で、まだ分かりにくいこともたくさんあるんです。シェアサイクルの仕事をする中で、福岡や熊本の街とか、いろんなところでチャリチャリを展開しているんですけど、福岡の街に行くとね、すごくおもしろい道のギャップがあるんですよ。

一方通行の出口交差点。出口がつながるほうの道路は双方向通行の車線がありますと。

 

家本  自転車に乗って左側通行で(一方通行出口の道に)入れるかなと思いきや、自転車の除外規定がない! 「車両進入禁止」の標識の下に、「自転車を除く」「軽車両を除く」っていうのが書いてない。

おかだ  だいたいあるんですけどね、「自転車を除く」(補助標識)。

家本  福岡の街を走っていると、これが1個とか2個じゃないんですよ。めちゃくちゃ多いわけ。とくに城下町とか、焼けずに残った街並みが多いところだと道の幅員がそもそも広くないから、クルマと歩行者しか走る場所がない。そうすると、自転車はそこには突っ込めない。

おかだ  京都とかでも同じようなことは聞きますよね。

家本  ある! 京都もたくさんあった。そこに知らずに入ったら、お巡りさんがいるかもしれないわけ。

おかだ  むしろお巡りさんはジャックポットだと思ってる可能性すらある(笑)。

家本  ある(笑)! これまでも実際にお巡りさんがそういう地点で警告をしてた場面をたくさん見てきてるの。なのでまぁ、とにかく標識を見ようって話になるよね。

あとから罰するんだったら、先に教えてよ!

おかだ  その標識っていうのも、クルマの免許を持っている人だったら当たり前かもしれないですけど、自転車となると教育が行き届いてないっていうのもありますよね。

家本  そう、だからほんとはさ、そもそも「小学校で標識の勉強しましょう」なんだよ。義務教育に入れましょう、でしょ。

家本  あとから罰則や反則金を科すんだったら、まず教えてよ、と。仮に運転免許を持ってたって、免許を取るときに標識の話で自転車に関わるところの勉強ってした!?

おかだ  (教本に)書いてはありますけど、オマケですよね。

家本  最近、運転免許の更新に行ったんですよ。道路交通法の中で、キックボードの話が改正になって新しく入ってますって話があった。僕はもちろん仕事上そういう話はわかるけれど、最後に「読んどいてください」で終わっちゃうわけよ、ゴールド免許の人は。

おかだ  僕、ゴールド免許なんでね。30分ですよ(優良運転者講習)。

家本  トータル30分の中でさ、中身25分ぐらいじゃん。途中でビデオとか見せられるじゃん。そしたら、ほんとは30分ぐらい喋ってほしいキックボードの話も、最後に「読んどいてください」で終わり。誰が読みますかと。

僕がすごくおもしろいと思ったのが、フランダースの犬で有名なベルギーのフランデル地方では、学校に入る前から「自転車のお免状をもらう」ってことをやっている。つまり、保育園ぐらいから、まずみんなで自転車の乗り方を勉強するの。

そこから小学校の低学年、高学年、中学校、それぞれお免状がもらえて、だんだんゴールドに近づいていくんだけど、そういうことをみんなでやってるわけ。

おかだ  小学校で義務化されてるんですか。

家本  完全な義務じゃないんだけれど、その地方ではほとんどの子どもが(自転車の教育を)受けてますって感じになってるわけ、学校の中で。実際に外に出て、公道を走ってみて、チェックする人が点数をつけて、「あなた、これダメでしたよ」って言ってくれるっていうね。

2024年のVelo-cityで紹介されていた、フランデル地方の3歳〜12歳を対象とした自転車教育プログラムの様子

家本  (日本ではそういうの)ないじゃん。ないの。なのにルールが入ってくるわけじゃん。どういうこと?と。

おかだ  教えてもらってないルールを急に運用されるという。

家本  そうそう。

おかだ  そりゃ、逆走もなくならないですよ。

家本  ほんとにそうなの。我々は自転車の世界にいるから、こういうことも知ってるけどね。僕も自転車の世界に入っていなければ、知らないことだらけですもん。

おかだ  2段階右折とか知らない人絶対いますよ。

家本  いるいる。え、おかだくんはできる?

おかだ  いやそら僕はもう! 何年自転車業界やってると思ってんですか。家本さん、頼みますよ。

家本  それは失礼しました(笑) でもね、それを人が見てる場所じゃなくてもきちんとできるっていうことが、そこまでくると聖人みたいな人になるかもしんないけど、でもね、そういうふうになっていってほしいんだよね。

ちぐはぐな青切符。2つのポイント

家本  僕、2つポイントがあると思っていて。1つは、この青切符の制度ができる背景の話。

交通反則通告制度で(ルールや取り締まりが)シンプルになるのはいいことなんですよ。さっき話したように、赤切符でそのまま検察送りになるプロセス自体は、長年運用されてきたもので別に変じゃなかったと思う。

このあいだも、キックボードの講習を受けなかったからそれで書類送検されたという報道*があったけれど、自転車も「3年の間に2回、赤切符を切られている状態になると安全講習を受けなきゃいけない」というのが、今の法律であるわけだ。

*)電動キックボードで危険な運転を繰り返し、講習を命じられるも受講せず書類送検された事例。電動キックボードの受講命令違反容疑での摘発は全国初。

家本  ところがですよ。じゃあ、おかだくんが仮に運転免許を持っていなかったとします。僕が警察官としてピッとして捕まえましたと。そこで、あなたは「おかだまさたか」ではなくて違う名前を名乗りました、身分証を持っていません。そうすると、この人が誰なのか、おかだくんなのかどうかがわからないわけですよ。

おかだ  えっ、そんなアナログなレベルで穴があるんですか。

家本  いやだって、身分証なかったら本人確認できないもん。運転免許持ってなかったらなおさら分かんないじゃん。でも送検、つまり検察に送られることによって、最終的にその人の身分を確定させることができるから、それによってカウントしてたわけですよ。つまり、「この人は3年の間に2回送られてきました」っていうのが、そのプロセスによってわかる。

自転車に免許をっていうのはまた話がややこしくなるから僕はそっちの話題は好きじゃないんだけれど、青切符(制度)を入れれば「この人が何回どうだったか」っていうのはその場で判断ができるようになる。お金と絡んでくるから。

おかだ  なるほど。

家本  つまり今までの運用、そもそも講習制度を入れる段階からちょっと穴があったんじゃないかなって思っていて、(青切符導入の背景が)そのための話だったら嫌だなぁと。

運用のためのルール?と疑いたくなる面も

家本  それからもうひとつ。これもSNSでいろんな議論になったけれど、そもそもうちの街の道路で、クルマが追い越しのときに自転車と距離が取れるっけ、とか。さっき話してたような歩道も車道も幅員がほとんどない状況で、どうやって走るんだとかってあるじゃないですか。ほんとに運用できますか、現場のお巡りさんまでそれがわかりますか、と。

ちょっと前にほら、ワイヤレスイヤホン(を装着した走行)で外部の音が聞こえてるか聞こえてないか、骨伝導はどうなのかみたいな話もあった。最後は通知を出してくれたからよかったけれど、それでもお巡りさんからしたらわかんないわけですよ。声かけてみて「おかだくん!」って言って反応してくれるかどうかを見なきゃいけない。

おかだ  ルールに穴があるとしたら、(単に)聞いてなかっただけでも、呼びかけに反応しなければダメになっちゃうってことですよね。

家本  そう。だって意識が前向いてたら(イヤホンの有無関係なく)呼びかけに応じられないかもしれないじゃない。だからね、そういう点でちょっといびつなの。もう少しちゃんとグランドデザイン整えてからじゃないと。

ちなみに交通反則通告制度はもちろん警察庁主導で入ってくる。でも、道路を司っているのは国土交通省、道路局でございます。あるいは各地方自治体でございます。走行環境がしっかりと整わないうちにルールの話だけ出てくるって、みんなからするとちょっと違和感あるんじゃないかな。

おかだ  確かに、実態と乖離している部分はめちゃくちゃありますし、道路自体が画一じゃないというか。歩道の幅もそうですし、誰が優先なのかっていうのもありますし。実際に生活してると、そのルールだと厳しいっていう場面が絶対に出てきちゃうと思うんですよね。

家本  矢羽根だってそうじゃん。いや、矢羽根は素晴らしいと思うよ、矢羽根を描いたことは素晴らしいんだけれど、これはどういう根拠なんだと。

家本  矢羽根は「こっちを走ってね」っていうお知らせでしかないわけで。

おかだ  そうですね、法的な拘束力はない。

家本  何もない。そういうところで、ちぐはぐ感が否めないって思っちゃうんだよ。

ヘルメットの努力義務化にも物申す!

家本  もう1つ、今日これだけ話して終わりにしたいのが「ヘルメット問題」。

おかだ  身近なところですよね。

家本  僕もね、ロードバイクに乗るときにはもちろんヘルメットは絶対かぶるんですよ。だって街乗り用ママチャリとは走行速度も違うし、攻め方も違う。

だけど、例えば我々の身近なとこで言ったら、シェアサイクルに乗るときもヘルメットかぶるってことになる。「自転車」って一括りの中の話だから。

おかだ  シェアサイクル1個1個にヘルメットをつけるわけにもいかないですしね。

家本  絶対ムリ。これはね、いろんな課題があるんですよ。ちなみにおかだくん、頭囲はどれぐらい?

おかだ  僕ね、意外とMサイズとかでいけちゃうんですよ。

家本  え、絶対ウソだー!(笑) というかそもそも僕がね、一番大きいサイズのものでもだいたいダメで(入らない)。アジアンフィットみたいなやつでもサイドが痛くて、サイズがないの。海外のものしか選べないんだけど、(そういう意味でもシェアサイクル用のヘルメットが)ワンサイズでは無理でしょう。

それにヘルメットを屋外にずっと置いていたら、紫外線で劣化しちゃってダメになっちゃうわけじゃないですか。

おかだ  衛生面の問題もありますしね。

家本  そう、衛生面の問題も当然ある。そういえば最近ね、ヘルメットのメーカーさんの新製品を見てすっごい感激したのがあって。「前髪を潰さない」っていう。

おかだ  あ、見ました! けっこう老舗のところが出してるやつですよね。

家本  もともと工事現場とかのヘルメットとかをやってらっしゃるところが作られたヘルメットなんだけど、このあいだ展示会で横のブースだったんです。

おかだ  僕も感激した。確か今、しまなみのシェアサイクリングのヘルメットがそれになってるんですよ。

家本  そう。女性向けのカラーとか、髪型を潰さないとか、今まで言われてたんだけど、「前髪をちゃんとそのままキープ」って、すげえなと。

おかだ  ユーザー目線ですよね。

家本  すごくいいと思う。話が逸れたんだけれど、(ヘルメット着用の努力義務化に関して)シェアサイクルのヘルメットの話はどうなんだと。ほんとにみんな考えた?と思うわけですよ。

もちろん、警察庁としては(ヘルメット未着用だと)事故後の死亡の確率が(ヘルメット着用時の)倍になりますって出している。確かに数字は倍なわけですよ。ただ、海外を見てみると、それによって外に出なくなるとか、自転車を使わなくなることで健康が失われる方がむしろ社会的にはマイナスだよねってなって、義務化を取り下げた例もあるんです。実際に義務化を施行して、その後やめたケースもある。

だから、「自転車」をどういうふうにくくるのかについても、次の段階の議論として是非してほしいなと思っていて。そらね、ロード乗る時にヘルメットをかぶってないってのはさすがにやめてほしい。でも時速10kmいくかいかないかのスピードで、日常的にママチャリタイプのシェアサイクルで、外でパッと移動したいなってときのヘルメット問題は、皆さんもうちょっと議論していただいていいんじゃないかな。

気軽に使えることがシェアサイクルの大きな魅力 画像: Charichari

うち(チャリチャリ)は今、4200万か4300万回ぐらい使っていただいていて、死亡事故はもちろんないわけですよ。確率論だけでいくと、おそらく自転車全体の死亡事故の確率から見ても(このチャリチャリの死亡事故0という数字は)低いと思うんですよね。なので、利用距離とか利用回数からちゃんと統計学的にアプローチをしたうえで、どうすべきか議論をしてもらわないと、現場はみんな困ってる。自治体の現場の人たちはほんとに困ってる。

ー 収録スタッフから「あと3分」のカンペ ー

そろそろ締めろというお話かもしれませんが、私はあえてカンペを見なかったんだけれど、今日この議論だけじゃ全然足りないので、次回はもう少し、この青切符が入っていくところも含めた自転車の交通ルールの課題のところ、おかだくんからも聞いてみたいなと思うんで。次回も付き合ってください。

おかだ  ぜひよろしくお願いします。

お便りお待ちしています!

家本  これが1回とか2回で終わったら、いかに家本の話がつまらなかったかっていう話で、その評価は甘んじてお受けいたしますが、ぜひ続けてみたいので、今日の話へのご意見、ご感想、それからテーマのリクエストもいただけたら嬉しいです。投稿フォームからご意見をお寄せください。

自転車を巡る話、たくさんしたいと思っているので、またお会いしましょう!

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