身長の低いサイクリストは自転車選びや装備の悩みが尽きません。特にたくさんの荷物を積載する「バイクパッキング」においては、難題だらけ。フレームバッグはトップチューブが短くてつけられないし、大型サドルバッグもシートポストの長さが全然足りない。
低身長サイクリストは自転車旅を諦めないといけないのか……?
いいえ、そんなことはありません! 身長158cmの筆者が自身の体験を交えつつ、解決策と裏ワザを伝授します。ご自身のフレーム形状やライドスタイルに合わせてぜひ挑戦してみてください!
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低身長サイクリストのお悩み3選&解決策
まずは小さいフレームサイズならではのよくあるトラブルと、その解決策を紹介していきます。
①ド定番バッグなのに付けられない!

ツーリングの定番であるフレームバッグやサドルバッグが使えないのは、低身長サイクリストが抱える深刻な悩みの一つです。
そもそも小さいフレームに対応する製品ってほとんど見つからないんです。「友人に勧められた」「みんなが使っているから」と安心して定番モノを購入したのに自分の自転車には付かない!というのはよくある話。

それでも小さいバッグを探してなんとか装着してみたり、バッグを自作して装着することもできるのですが、今度はボトルと干渉したりと、なかなかうまくいかないんですよね……。
【解決法】とにかく荷物を分散! スキマというスキマを使え!
フレームが小さいからこそ、限られた空間を有効活用したい! 大型バッグが使えなくても、荷物を小分けにしてスキマというスキマに装着する方法があります。以下は筆者が考え出した苦肉の策の一例です。

①サドル下(シートポスト前)に輪行袋をねじ込む
②トップチューブの上にバッグを装着
③ヘッドチューブ前面にパンク修理セット(予備チューブ2本+タイヤレバー)を装着
といった具合に、スキマというスキマを利用して必須アイテムをくくりつけます。小さいバッグを新調するのもよいですが、レインウェアなどの収納袋が意外と使えるのでおすすめです。

またサドル下の積載はこんな解決方法も。大きなサドルバッグが難しいなら、小型サドルバッグにオンブバッタ方式で小物袋をプラス! サドルバッグひとつを付けるよりも細かく位置調整ができるので、タイヤとのクリアランスを見ながら自分のバイクにあわせて積載量を増やせます。
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ただ、これらの方法は取り付け時には問題がないように見えても、しばらく走っているとどこかと干渉しだすことがよくあります。DIY収納する場合は、装着した状態で近所を走ってみて、不具合がないことを確認してから実戦導入しましょう。
また、フレーム形状やワイヤーの配置など、自転車によって使える空間は微妙に異なります。いろいろな工夫を参考にしつつ、自分の自転車に合わせてカスタマイズしてみてください。
【解決法】手っ取り早くバックパックを背負う

無理に自転車に装着せずとも、バックパックに荷物を入れて背負ってしまえば解決することもあります。
とくに輪行するなら、電車の移動中に使用するものはバックパック収納が便利。日帰りツーリングなら、バックパックひとつで済むことも多いです。
あくまで目安ですが、貴重品と身の回り品だけなら10〜12L程度、シューズなども携行したい場合は14〜20L程度の容量があれば安心でしょう。
ただし、重い荷物を背負って長時間走ると肩や首、腰に負担がかかるので要注意! 荷物が多い場合は、先述の自転車への装着との合わせ技で荷物を分散するようにしましょう。
【バックパック収納に向いているもの:軽くて取り出す機会が多いもの】
- 貴重品
- 雨具一式
- 防寒具
- 輪行時に持ち歩くもの
- 観光・散策時に必要なもの
【バックパック収納に向かないもの:重いもの】
- 水分や電子機器などの重い荷物 ⇒使用頻度が高いものはフロントバッグが◎
- 工具一式 ⇒ツールケースに
- 行動中は使用しない着替えなど ⇒サドルバッグに
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②装着できたのに走ってたらタイヤに擦れてる…!?

無事に装着できたと思ったら、今度は走行中にバッグが垂れ下がってタイヤに擦ってしまうトラブルもまたよくある話。
クリアランスがギリギリになりがちな小さめフレームのバイクパッキングでは、荷物の重みや振動で少しでも位置がズレるとタイヤと接触してしまうんです。
とくにサドルバッグは、ハンドルまわりに比べて走行への影響を感じにくいため、つい重いものを入れてしまいがち。バッグがタイヤに擦った状態で走行を続けると、バッグが破損するだけでなく中身まで傷みかねません。
【解決法】レールつきのサドルバッグやキャリアを使え!

バッグがタイヤに擦れないようにするには、とにかくバッグをしっかり固定すること。とくに上下の揺れを抑えることが大切になってきます。振動の影響を受けにくいレール付きのサドルバッグや、リアキャリア(シートポストキャリア、ラック)を採用するのも手です。
レールやキャリアにフック付きのゴムひもやネットを掛ければ、バッグの上にさらに荷物を積載することが可能です。(ただし見た目のスマートさは犠牲になりますが)
なお、サドルバッグ選びの際には本体の「厚み」ではなく、「装着時にもっともタイヤに近づく場所」を想定して判断しましょう。

\レールやマウント付きの商品もたくさん!/
\フェンダーで接触回避!/

\ガッツリ荷物を積みたいならキャリア一択/
中身の軽量化も大事な観点です。サドルバッグは荷物が重くなるほど上下に揺れやすくなり、タイヤとの接触を招きやすくなります。重いものはできるだけフレームバッグやトップチューブバッグへ分散し、サドルバッグには衣類や寝具など、軽くてかさばる荷物を入れるのがおすすめです。
③ボトルが引っかかって抜けない!?

小さいフレームでのバイクパッキングで配置が難しいのがボトル。自転車旅に限らず、いつものライド中でも「停車時にドリンクを飲もうとしたら、フレームに引っかかってボトルが抜けない」といったトラブルは多いです。
信号待ちでドリンク補給→信号の変わり目でボトルをケージに戻せず、慌ててしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。発進が遅れ、後続からのプレッシャーで気まずい雰囲気に……。
大事な水分補給でモタつかないためにも、抜き差しがスムーズであることは必須。小さいフレームサイズさんにおすすめの方法は……
【解決法】横抜きケージを使え!

ボトルケージを横から挿すタイプ(サイドローディング)にすれば、小さいフレームでもボトルの抜き挿しがぐっとスムーズに。低身長サイクリストにはマストアイテムといっても過言ではありません! ただし、サイドロードのボトルケージは、右抜きか左抜きかが固定されている商品も多いので、自分の利き手にあわせて購入するようにしましょう。
\低身長サイクリストの定番カスタム/
※リンク先はボトルケージ一覧ページです。縦型のものも混在しています
ほかにも、ハンドルやステム部分にボトルケージを装着する方法もあります。

ハンドルバーマウントのついたボトルケージなら、ハンドルの内側はもちろん、ハンドルの前面にボトルを装着することもできます。(その場合フロントバッグの装着は難しくなりますが)

\いろんなバッグから最適解を見つけよう/
その手があったか!経験者だけが知っている裏ワザ5選
ここまで紹介した方法以外にも、低身長サイクリストならではの工夫はまだまだあります。どれも筆者自身や周囲のサイクリストたちが実際に試してきたものばかり。あと少し快適にしたいときに役立つ「とっておき」を紹介しましょう。
裏ワザ①「ハイドレーション」が使える!

ランやトライアスロンでおなじみのハイドレーション。背中や胸元に装着したソフトボトルからチューブを通して水分補給ができ、走りながらすぐに水を飲める便利アイテムです。
とくに真夏は何本もボトルを持っていきたいところですが、小さいフレームだと積載場所が限られて難しいことも。そんなとき、1本をハイドレーションに置き換えるのも一つの考え方です。
背中の重さが気になる人もいるかもしれませんが、筆者の場合、夏場は早めに中身を飲み切ることが多く、重さはそれほど気になりませんでした。むしろ、コンビニで買った氷を入れて身体のクールダウンに使えたりと、一石二鳥に!
裏ワザ② 輪行袋をもっと小さく!ストラップをフック付きゴムバンドへ

これは筆者がバイクパッキングで長年愛用している小ワザのひとつ。輪行時、自転車をバラしたらフレームとホイールを固定しますよね。このとき付属のストラップを使わずに、ホームセンターなどで手に入るフック付きゴムバンドに置き換えています。
些細なことだと思うかもしれませんが、意外とナイロンストラップってかさばるんです。しかも3本分がすっきりコンパクトになれば、輪行袋に収納したときはけっこう違いを実感しますよ。
コンパクトになることに加え、実際に自転車をバラしたり組み立てをするときの作業がラクになるのもおすすめポイント! ただしゴムバンドはストラップにくらべて固定力が弱い場合があるので、3つのうち1つはストラップを残しておくなど、使い勝手を見ながら調整してみてください。
裏ワザ③ ドライバッグで荷物をまとめる

バッグの形状に頭を悩ませるぐらいなら、いっそのこと形を自在に変えられるドライバッグやコンプレッションバッグに荷物を詰め、それをベルトやバンドを使って自転車にくくりつけるという方法もあります。
ただしバランスよく詰め、かつ落下しないよう固定するには一定のコツと慣れが必要です。雑にくくると荷物が落下したり、紐がほどけてホイールに巻きこまれてしまいます。落車や周囲をまきこんだ事故にもなりかねないので、しっかり固定させることを優先させてください。
固定にコツがいるため少し上級者向けですが、バッグ選びで行き詰まったら一度試してみる価値はあるでしょう。
裏ワザ④「タオルより手ぬぐい」

物理的な積載スペースが少ないなら、携行する荷物を最小限に絞ることも大切です。コンパクトなウェアを選んだり、いくつかの用途を兼用するアイテムを選んだり。具体的なアイデアはこちら。
- タオルより手ぬぐいや大判ハンカチを
- 寒い時期のウィンドブレーカーはレインウェアで代用
- 防寒用の予備ウェアは、厚手1枚より、アームカバーやネックウォーマーを組み合わせる
- ソフトシェルなど丸めて携行できるものを選ぶ
- 荷物はフリーザーバッグで圧縮!
ひとつひとつは大きな差がないように思えても、コンパクト化の積み重ねが、積載の余裕につながります。補給食など現地で調達できるものはできるだけ持たないというのも、荷物の軽量化においては大事な点です。
裏ワザ⑤ なんとかなる精神でトラブルも楽しむ!
入念に準備したつもりでも、現地では思わぬトラブルが起こるもの。
筆者も走行中にバッグが垂れ下がり、タイヤとの摩擦で立ち往生した経験があります。幸い、通りがかりのワークマンで靴ひもを購入できたので、バッグをサドルから吊り上げて事なきを得ました。

もちろんトラブルはないに越したことはありませんが、その場の工夫で乗り切るのもバイクパッキングの醍醐味! 柔軟な発想があれば、意外となんとかなるものです。失敗も含めた経験のひとつひとつが、自分なりの旅のノウハウになっていきますからね。
積載方法に絶対の正解はなし!
まずは自転車につけられそうなバッグを探してみては
【NG】 キケンな積載パターンはコレだ!
バイクパッキングでは試行錯誤も楽しみのひとつですが、安全に関わる部分だけは別です! 積載方法を誤ると、荷物の落下や転倒、機材トラブルにつながることも。ここでは、とくに注意したい積載のNG例をまとめました。
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| キケンな積載パターン | 想定リスク | 対策 |
| ほどけやすい紐でくくる/滑りやすい素材のバッグを固定する | 荷物落下ホイール巻き込み ※とくに背後は異変に気づくのが遅れがち | 滑りにくいベルトやストラップを使うゴム製やポリウレタン素材のものがおすすめ |
| 車輪・スポーク付近の荷物の固定が甘い | ホイール巻き込み | 車輪とのクリアランスを十分確保し、走行前後に固定状態を確認する |
| 重いものをハンドル周りに集中させる | 走行中左右に振れやすい停止中に突然ハンドルが曲がる | 重い荷物はフレームバッグなどへ分散し、ハンドル周りは軽いものを中心にする |
| タイヤに少し擦っているのに「まだ大丈夫」「とりあえず次の街まで」と放置する | バッグが崩壊し最悪走行不能に | タイヤとの接触に気づいたらすぐ停車! 荷物の再配置や固定方法をその場で見直す |
| ブレーキや変速ワイヤーの動きを妨げる位置にバッグを付ける | ブレーキ・変速不良の要因に長期運用でワイヤー断裂を招く | ケーブルと干渉しない位置にバッグを付けるバッグサポーターを導入する |
とくに小さいフレームではクリアランスが限られるため、大きなサイズの自転車以上に荷物積載の影響を受けやすくなります。「あと少し積みたい」「とりあえず固定できたから大丈夫」という油断が、思わぬトラブルにつながることも。
筆者自身も失敗を繰り返しながら積載方法を見直してきました。まずは安全を最優先に、そのうえで少しずつ自分のバイクに合った積み方を見つけていきましょう!
\小さいバッグが見つかるかも/
小柄なサイクリストでも、自転車旅は十分楽しめる!
最後に、旅の日程別の積載方法の目安を挙げておきます。以下を参考にしつつ、バイクのクリアランスに応じて装備を選択してください。
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| 旅の日程 | 積載方法の目安(例) | ポイント |
| A.日帰り | フロントバッグ or バックパック | ・最低限の安全装備と貴重品がメイン |
| B.1泊宿泊 | サドルバッグ +フロントバッグ or バックパック | ・着替え、充電器の運搬が必要・輪行の場合はサドルバッグの扱いを検討 |
| C.2泊以上 | パターン① サドルバッグ +フロントバッグ +バックパックパターン② サドルバッグ +バックパック +フロントバッグ or スキマ積載 | ・洗濯する前提で持参衣類を減らす |
| D.キャンプ (上級編) | Cの装備 +バックパックのサイズアップ(~40L) or キャリア&大容量バッグ(パニアなど) | ・フォークへの装着は難易度高め・ロード以外(グラベル・MTB)も検討 |
身長150㎝台のサイクリストでも工夫次第で荷物の積載は十分可能です。パッキングに工夫を凝らしていると、旅先で出逢ったサイクリストとのコミュニケーションにも花が咲きます。
装備を自分のバイクに合わせてカスタマイズしながら、自転車旅をもっと満喫しましょう!
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