こんにちは、現役メカニックの「ののむら」です。シマノのロードバイク用コンポーネント TIAGRA(ティアグラ)が、これまでの4700シリーズから新型R4000シリーズ へとフルモデルチェンジしました。じつに11年ぶり!
最大のトピックは、やはり 2×11速化! 長い間「唯一の10速ロードコンポ」として存在してきたティアグラが、ついに11速へとアップデートされました。デュラエースとアルテグラに続いて105が12速化し、しばらく空白だった「11速の新型ロードコンポ」。機材好きのみなさん、内心「じゃあ次はティアグラでしょ…?」と心待ちにしていましたよね。
この記事では、新型ティアグラR4000シリーズの特徴や互換性、そしてロードコンポの中での位置付けについて整理していきます。
新型ティアグラ「R4000」シリーズ爆誕

シマノのロードバイクコンポーネントのうち、上から4番目のグレードにあたるティアグラ。初心者向けコンポとされることもありますが、実際には必要十分な性能を持ち、ミドルグレードとして手に取りやすい現実的な価格と、高い実用性というバランスを重視したコンポです。
今回フルモデルチェンジとなったR4000シリーズでは、
- 11速化による変速性能の向上
- 36Tスプロケによる幅広いギアレンジ
など、ライド時の使いやすさと実用性を重視したアップデートが行われています。さっそく具体的な進化ポイントをチェックしていきましょう!
2×11速へ


シマノのロードバイクコンポでは、2026年現在、上位グレードの主流は12速です。そんな中、長らく10速として展開されてきたティアグラが、ついに新型R4000シリーズでは 2×11速システムとなりました。
上位グレードが12速化したときもそうでしたが、やっぱり段数が増えると進化したなと感じますよね! 実際、ギアの選択肢が増えることで、より細かいケイデンスコントロールが可能になります。
ここで改めて、2026年現在のシマノロードコンポの序列を整理すると次のようになります。
- DURA-ACE(デュラエース):12速・電動変速
- ULTEGRA(アルテグラ):12速・電動変速
- 105(イチマルゴ):12速・電動変速/機械式変速の選択可
- TIAGRA(ティアグラ):11速・機械式変速
- SORA(ソラ):9速・機械式変速
- CLARIS(クラリス):8速・機械式変速
レースも視野に入れた105以上の上位グレードは、もちろんグレード相応の性能を誇りますが、そのぶん価格も一気に上がります。一方で9速のソラや8速のクラリスは、エントリーとしては優秀であるものの、スポーツライドに慣れてくると「あともうちょっとギアが選べれば……」なんて場面が出てくることも。
そのちょうど間にいるのがティアグラです。しかも11速というベストバランスで!
実用域で困らないギアレンジ、そして現実的な価格。ラインナップ全体を見渡したときに価値ある存在となるのが今回の11速ティアグラなんです。
新しい11-36Tスプロケットで登りがさらにラクに!

11速になって一枚ギアが増えたと同時に、より軽いギアが使えるようになりました。これまでの10速時代のカセットスプロケットは一番大きい歯が34Tだったところ、新型ティアグラでは36Tとさらに軽いギアが選べるように。
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これ、少しの差に見えてかなり大きな進化です。地味に登りが続くライドで「あと1枚軽いギアが欲しい……」って思ったこと、絶対ありますよね。私は1回どころか100回近くあるような気がします。ズイフトをしている最中ですら思います。
最後の軽い1枚があるかないかで、脚の残り方、メンタル、完走率、すべて変わります! 最近は、ロングライド・ヒルクライム・耐久レースなど、ロードバイクの楽しみ方も多様化していますよね。そんな中で、このようなワイドレンジのギア構成は実用性の高いアップデートといえるでしょう。
さらに、この新しいカセットは4700シリーズと比較して軽量化も実現しています。サイクリストの皆さん、軽量化は購買意欲を誘う魔法のワードですよね!
握りやすくなった新型STIレバー

R4000では、デュアルコントロールレバー(STIレバー)も進化しています。上位グレード105シリーズの握りやすい形状を取り入れた設計で、さまざまな手の大きさのライダーが握りやすい形状になっています。
握りやすくなるとそれだけブレーキが楽になるので、ブレーキング時のコントロール性が上がり、結果的に長時間ライドでの快適性も上がるという好循環! 私もそうですが、手が小さい女性やジュニアライダーにとって、レバーが握りやすいというのはすごく助かるポイントなんですよね。とくにフロントの変速を操作する際、レバーが大きいとグッと押し込むのが大変で……。
疲れているときの押し込み地獄から解放されるのは本当にありがたい!
ただし互換性には注意が必要。カスタムやパーツ流用はちょっと待った!
これまでの4700シリーズは10速でしたが、今回のモデルチェンジによって変速段数が増え、より細かいギア選択が可能になりました。
ただし気をつけたいのが「互換性」の問題。これ、かなり重要なので大大大チェックポイントです。
今回のR4000シリーズは11速化されましたが、既存の11速ロードコンポ(105 R7000やアルテグラ R8000など)とは互換性がありません。そしてR4000シリーズのブレーキは「油圧式ディスクブレーキのみ」。
つまり、STIレバー・ディレイラー・スプロケットといったドライブトレインを、既存の11速ロードコンポ・リムブレーキのキャリパーと混在させて使用することは「できない」設計なんです。

カスタムやパーツ流用を考えている場合は、この点はあらかじめ理解しておきたいポイントです。同じ11速であっても、ティアグラは独立したロードコンポであるということを頭に入れておきましょう。
あれ、CUESの登場でティアグラはなくなるんじゃなかった?

ここ数年、シマノのコンポーネントでよく話題にあがるのが CUES(キューズ)です。
CUESは、シマノが2023年に投入した新シリーズで、9〜11速をカバーするアーバン向けコンポーネント。耐久性や長寿命を重視し、シビアな変速性能よりも日常での扱いやすさやタフさに振った設計が特徴です。
簡単にいうと、365日ガンガン乗りたい人に最適なコンポで、通勤やツーリングなど、ハードに使う用途では大きなメリットがあります。
>> CUESについて詳しく知りたいならこちらから
CUESだけで9〜11速をカバーすることから、「ロードバイクの下位コンポも、いずれCUESに統合されるのでは?」という見方もありました。実際、クロスバイクもロードバイクも、CUES搭載モデルの完成車はかなり増えています。
そんな中、今回のR4000となり独立したティアグラ。11速へと進化し、シリーズ名にもRを冠されています。(ROADBIKEのR)
私が思うに、
- CUES→初心者~中級者に向けたアーバンバイク向けコンポ
- ティアグラ→初心者~中級者に向けたロード向けコンポ
この住み分けを強化する目的なのでしょう。
CUESはクロスバイク、ツーリング、MTB寄りの用途を想定しているのに対し、ティアグラはあくまでロードバイクの変速性能や操作性を重視したコンポという立ち位置というわけです。
「やっぱりロード志向のコンポがいい!」なら新型ティアグラ

今回、ティアグラが消滅せずに新たに11速化されたということは、シマノがロード用コンポとしてのティアグラをまだ重要なポジションに置いている証です。
実際、CUESはシビアな変速を求めるレースバイク完成車にはあまり採用されておらず、クロスバイクやグラベル・オールロード系の完成車が目立ちます。
「CUES完成車より背伸びして上位グレードに乗りたいけど、今や高額になった105や、ましてDi2は手が出ない。そもそもそこまでの性能はオーバースペックかも…」
そんな要望にマッチするのが今回のR4000になるわけです! シマノのコンポーネントは基本的に「上位モデルの技術が時間差で下位グレードに降りてくる」という構造になっています。つまり最新のティアグラは、数年前のハイグレードモデルと同等の性能を持つと言っても過言ではありません。
もし、今後店頭で同じ要望のお客さんに接客する機会があれば、きっと私はティアグラ完成車をおすすめするでしょう。
新型ティアグラの導入は現実的? バラ完はアリ?

新型R4000シリーズは、フレームセットから組む「バラ完」用途よりも、完成車コンポとしての役割が中心になると考えられます。ロードバイクの場合、バラ完で組むなら105以上を選ぶユーザーが多いからです。
今までの経験からいうと、奮発してフレームセットから買うのだから、コンポもそれなりのグレードで組みたいというニーズのほうが多いです。それにベースとなるフレームセット側がDi2専用設計であるケースも少なくありません。
- レース志向でハイスピード域での変速レスポンスや剛性感を重視したい
- 最新規格である12速を前提に機材を組みたい
- 将来的なパーツアップグレードの自由度を広く持っておきたい
このようなケースでは、105以上のグレードを選ぶメリットのほうが大きいかもしれませんね。
一方で、
- 価格はできるだけ抑えたい
- でも変速性能は妥協したくない
というユーザーにとって、11速化したティアグラはドンピシャで現実的な選択肢になるでしょう。完成車として導入し、ホイールなどを段階的にアップグレードしていく使い方が、最も自然なスタイルになりそうです。
完成車ベースで見ても、ティアグラ搭載モデルと105搭載モデルでは数万円〜十数万円ほどの価格差が出るケースが多いです。実用域での快適さを保持しながら価格がおさえられる新型ティアグラは、非常に完成度の高い選択肢といえるでしょう。
どんな完成車が出てくるのか、各社の発表が待ち遠しいところです!
新型ティアグラ「R4000」シリーズラインナップ
リアディレイラー:RD-R4000

価格:11,362円(税込)
フロントディレイラー:FD-R4000

価格:5,445円(税込)
※直付けタイプとクランプバンドタイプあり
クランクセット:FC-R4000

価格:25,544円(税込)
※チェーンリングは52-36T・50-34Tの2種類
※クランク長は165 / 170 / 172.5 / 175mmが用意される
カセットスプロケット:CS-RS400-11(11-36T)

価格:11,420円(税込)
デュアルコントロールレバー:ST-R4020

価格:左右各 25,809円(税込)
順当進化した新型ティアグラは「こういうのでいい」コンポ
新型ティアグラのアップデートでは、
- 11速化による変速のスムーズさ向上
- 握りやすくなったSTIレバー
- 11-36T対応のワイドなギヤレンジ
といった、派手すぎないけど確実に効いてくる進化がしっかり入っています。
リリース発表時にスペック表を見てテンション爆上がり!というタイプではないんですが、実際にいじったり、完成車に乗ると便利になったなーとジワジワくるタイプですね。こういうのでいいんだよ、こういうので。
105だとオーバースペックかもしれないと躊躇している人、できるだけコストは抑えたい人、かといってエントリーでは物足りないと感じている人。そうした層にとって、今回のティアグラはちょうどいいところを突いてきたなと感じます! このあたりのポジション取り、シマノはほんと上手ですね。
今後出てくる完成車を楽しみにして、ティアグラのこれからをしっかりとチェックしていきましょう!
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